突如として、長野から動きがあった。
マニ50 2186 回送
おろっ?
マニ50 2186といえば、かつては水戸に常駐していた荷物用客車。
JR化後はジョイフルトレイン「リゾートエクスプレスゆう」の非電化区間乗り入れ用の電源車に抜擢されて
長く活躍、JR世代の電車を遠隔地に回送させる際の控車としても重宝されてきた1両。
他のマニ50と違って「〜ゆう」の専用カラーを纏って、文字通り異端の存在だったJR東日本の客車。
そんなマニ50 2186がJR東日本での長い使命を終えて、長野に廃車回送されたのが昨年7月26日。
その後はすぐに解体されるのかと思いきや、一向に動きがない。
気がついたら、後に長野に回送された車両が、ジョイフルトレイン「宴」すらも先に解体されていた。
そんな中で噂に上がったのは、来年北海道で観光列車を走らせるという話。
東急電鉄が、伊豆急行で走っている「THE ROYAL EXPRESS」を北海道で走らせるという話だ。
しかし、北海道はほとんどが非電化、札幌近郊ですら交流電化。
伊豆急行2100系は直流専用電車だから、そのままでは走らせることができない。
ではどうするのかというと、電源車を連結の上で機関車で牽引するのだという。
となると?
ということで、長くこのマニ50 2186の処遇が注目されてきた。
長野に留置されている時点で「譲渡車両」と貼り紙がされていたとも伝わってきていたが…
そろそろ1年という今になって、ついに動いた。
噂通り、東急電鉄に譲渡されることになったのだ。
まず昨日、長野から八王子まで回送されたとの情報が。
とはいえ、昨日はさすがに急すぎて動きが取れなかったので…
今日午前、用事を済ませた足で八王子駅へ。
石油貨物が発車し、頃よく車両の全容がホームから撮れるようになったタイミング。
もちろん、塗装が剥げている箇所もあるにはありましたが…
DE11 2001、マニ50 2186とは同年代です。
剥げた塗装が痛々しい。
少しばかり慌てたが、
びっくりした。
被牽引車がマニ50 2186ということで、撮り鉄が集結!
点字ブロックの上に立たないように…
と繰り返し構内放送のほか、駅係員からも直々に注意が飛ぶ。
ここのところの情勢からか、八王子駅は厳戒態勢を取っていたようだ。
構内移動直後こそこれくらいで、しばらくすると撮り鉄はほとんどいなくなっていた。
基本雰囲気も平穏で目立ったルール違反もなく、ここ最近の中では寧ろ静かに感じたほどだった。
停車中には、中央線開業130周年記念ラッピング車との並びも。
偶然とはいえ、最初で最後の並びになったか。
…さて、12:28。
結局長津田でその他大勢と共に出迎えました。
混乱防止策なのか、きっちり横浜側の停目まで進んで停車。
やはり八王子駅同様に比較的穏やかに搬入を見送り、無事故で甲種輸送完遂となりました。
この後マニ50 2186にはTOQ-iが迎えに上がり、入換で長津田検車区に入ったとの由。
そこまで見届けても良かったのだが、天気も微妙で疲れたので早々に退散した次第。
気になる塗装は、ラッピングになる模様。
まずは蓄積した疲労を落とし、来年の新たな任務に向けて整えて欲しい。
国鉄末期の頃から考えると、想像のさらに斜め上を行く予想外の展開。
来年、新しい装いを得てまた本線上に姿を見せてくれるのが今から楽しみだ!