すずの創作物語 -3ページ目

時を越えて 9

外に飛び出すと車から降りて待ってくれてた先輩の姿。
会いたくて仕方なかった人。
抱きついてしまいたいくらいだった。

「おかえりなさい。」
「ただいま。」

車に乗り、まずはご飯。先輩リクエストで和食。
中国の話や、一年会わなかった間のお互いの出来事。たくさん話した。

店を出て、夜景でも見にドライブに行くことになった。

先輩おすすめの穴場スポット。寒いし、人は全然いなかった。

「うわ~すっごくキレイだね~。」
「ここをめぐみに見せたくてな。」
そう言うと、先輩は急に後ろから抱きしめてきた。
「せん…ぱい…?」
体を離して、私を振り向かせると、真剣な顔で話始めた。

「めぐみ…オレはお前が好きだ。ずっと前から好きだった。一年離れてどれだけ好きか尚更分かった。これからはずっと一緒にいて欲しい。後輩じゃなくて、彼女として。」
耳を疑った。私が今日してきた決意。先輩に想いを伝えて、1つの区切りをつけようと思っていたのに…。まさか先輩が告白してくれるなんて…。涙が止まらなかった。

「めぐみ…?」
「先輩…ずっとずっと大好きだったよ…」

そう言うと、先輩は私を思い切り抱きしめた。

時を越えて 8

それからの一年。バイト先で一緒の人に告白されて付き合ってみたけど、数ヶ月で別れてしまった。
先輩の話を知ってる友達は、忘れさせようと、合コンや遊びに誘ってくれたりしてくれた。
でも…やっぱりどこかで先輩を忘れられなかった。
なんか、気持ちを封印しようと思えば思うほど、気持ちが大きくなっている気がした。

就職も決まり、卒論も終わり、あとは卒業するばかり。学校もほぼ休みになった。

そんなある日、電話がかかってきた。
知らない番号。
「もしもし?」
「めぐみ?オレ…」
待ちわびた声。
「せんぱい…?」
「うん…」
「帰ってきたの?」
「昨日の夜に帰ってきた。」
「おかえり…」
「あのさ…今日夕方から会えないかな?」
「いいよ。」
「じゃあ夕方迎えに行くな。」

約束をして電話を切った。
1つの決意を固めて、先輩を待った。

夕方、家の前でクラクションが鳴った。

時を越えて 7

短大生になって、バイトや勉強、遊びに毎日が忙しかった。

それでも、高校の試合を先輩たちと見に行ったり、ご飯に行ったり、クラブのメンバーとの繋がりは切れなかった。

そんなある日、松田先輩にご飯行こうとお誘いが。

食事をしながら色んな話をしていたら、

「実はさ…」
「ん?」
「オレ、仕事で長期出張で中国に行くんだ。」
「え…どれくらい?」
「一年くらいかな…」
「そうなんだ…」
「一年したら帰れると思うし、また会おうな。」
「うん…先輩も体に気をつけてね。」

本当は、一年も会えないなんてイヤだって、泣いて抱きつきたかった。
そんな勇気もなく…
笑って別れた。

片想いだけど、会いたいときに会えたから寂しくなかった。
だけど…
いい加減、先輩から卒業しろってことなのかな…。

しばらく私は落ち込んで日々を過ごしていた。