しかし、これだけの難行をこなしても、まだ足りないのである。笑
ヴィパサナー瞑想を開始するには、最低でも4禅か5禅(第四禅定、第五禅定)のステージに至っていなければならない。
だが、四界分別観だけでは初禅(第一禅定)にも至れない。
その手前の「近行定」までである。
一般大衆にとっては、四界分別観だけでもとてつもなく困難なのに、それをなんとかマスターしても、結局、近行定までしか行けないのだ。
近行定だけではヴィパサナー瞑想は実践できない。気が遠くなるような話である。

四界分別観をマスターした人は、身体の中で輝く「光の微粒子」を観ることが出来る。
それを一時間ほど集中維持できるようになれば、近行定のステージである。
これで瞑想のスタートラインに、やっと立ったことになる。
ここまで行けば初禅の行に入れるようになり、4禅まで至った時、はじめて本格的なヴィパサナーの修行が可能になる。
初禅の行がスタートしてからも更に多彩な瞑想行を修めなければならない。
たとえば初禅を成就するために、骸骨に対する瞑想(白骨観)を修める。
白骨観を極めれば4禅まで行くことが可能だ。
白骨観は三十二身分の瞑想法の一つである。
そして三十二身分の全ての階梯をマスターした人は、観察対象をさらに広げ、次のプロセスに進む。
これらの瞑想行を通じて、万物の生起と消滅の法則(生滅の法)を悟ることが出来る。
そのためにも地・水・火・風を極限まで観照できる禅定力が必須とされるのだ。
あらゆる存在が瞬間的に現れ、滅している事実を知ることにより、本格的な悟りの行がスタートする。
すなわち縁起の法、一切行苦、諸行無常である。
今の悟り系スピリチュアルでは、安易に生滅の法を説く者が何人もいる。
彼らは詐欺師も同然だ。
本当は生滅の法など悟っていない。
悟りに関する本を読み、頭の中に知識を詰め込んで、さも自分が悟ったかのように演技しているにすぎない。
その根拠は今すぐ示すことが出来る。
あなたはミクロの世界における「最小単位の微粒子」を観ることが出来るだろうか?
それは霊能者がよく言う「〇〇の霊が憑いてますよ」というレベルをはるかに超えているのだ。
物質の最小単位の世界だから、人間の肉眼では捉えることが出来ない。
霊能力をもってしても無理である。
電子線を利用するホログラフィー電子顕微鏡の世界なのだ。
つまり超高精度な観測機を使うしかない。
現代科学では実際に超微粒子が「生起と消滅」を繰り返している事実を突き止めることが出来た。
だが人間の五感では無理である。
何故なら我々は、肉眼で見ることができるマクロの世界さえも知り尽くしていない。
貴方が今まで肉眼を通じて認識してきたものは、この広大無辺な宇宙の中の、ほんの一部分にすぎないのだ。
それは貴方自身がよく知っていることだろう。
マクロの世界さえ知らない事だらけなのに、ミクロの量子的な世界のことなど認識できるはずが無かろう。
それでもあえて認識するには、マインドの思考が極度に鎮まっていなければならない。
日常の意識レベルでは不可能である。
まして思考が完全停止している境地では、呼吸・心臓・脳波も停止している。
第4禅定レベルすら超えている。
説明記事「思考とは生命である」
だが普通に日常生活を送っている最中に、何時間も呼吸や心臓を停止し続けられるわけがない。
すぐ死んでしまう。
だから深い深い瞑想状態、禅定力が必要になるのだ。
しかし、今の多くのノンデュアリティ系の指導者は、瞑想修行の道を否定している。
「悟りはただ訪れるだけ」という曖昧な言葉でお茶を濁している。
それは結局、「私は本当は悟っていない」という事実に気付かれないようにするカモフラージュだ。
彼らが本当に生滅の法を悟っているならば、修行の道を否定できるわけがない。
もし瞑想などの修行をせずに、超微粒子の生滅を観じることが出来るなら、その人は地球の生命体ではない。
悟り系スピの指導者の中には瞑想法を説く人もいる。
だが、アンタルマウナ行法を安易に焼き直した「瞑想もどき」では、第四禅定どころか近行定にも至れない。
彼らが本格的な瞑想メソッドを拒否している以上、「私は瞑想中に生滅の法を悟った」とは言えないことになる。
ならば「日常生活中に悟った」と言うしかない。
ほうほう…。
彼らは日常生活を送ってる時でさえ呼吸や心臓が停止しているのか?
そんな状態が何時間も続いているのか?
もしそんな人が本当にいるなら、私が数名の医師と科学者を連れて、心拍や脳波を測定してあげよう。
首を洗って待ってろ。
読者の皆さんも、彼らノンデュアリティ指導者に質問してみればいい。
「思考が働いている日常生活中のレベルでは、微細な世界のことは知覚できない。
禅定レベルでなければ生滅の法は悟れない。
なのに貴方は第4禅定にも至っていないくせに、一体どうやって生滅の法を悟ったのですか?」と…。
まあ、どんな質問をしても、テキトーに誤魔化されてしまうかもしれない。
彼らは自己保身のエゴの塊だ。
何をどう言われても、あーだこーだと屁理屈をこねて、自己正当化するかもしれない。
だがそれは単なるエゴ思考だから、必ず根本的な矛盾がある。自己破綻している。
それを冷静に見破る洞察力を持ってほしい。
貴方がオーラを透視できる能力者であるならば、自称覚醒者たちのオーラの状態を確認するのも良いだろう。
それだけでも簡単に分かる。
彼らのオーラが、どんなに美しく輝いていたとしても、そんなものは覚醒者の証拠にならない。
何故なら真の覚醒者は光の次元を超えているからだ。
そう。
光を超えているため、オーラが無いのである。
どんなに高次元の霊能力者が透視しても、真の覚者のオーラは見えない。
故に、なんらかのオーラが見えた場合は、それだけでその自称覚醒者はニセモノだと言うことが出来る。
瞑想と禅定に関する連載シリーズ記事にて、テーラワーダ仏教の行法を具体的に紹介してきた。
その厳しさに関する情報がスピリチュアル界に広く浸透すれば、今の非二元・ノンデュアリティ指導者に騙されなくなるだろう。
出来ることなら、それを期待したいところだが、今のスピ界の腐敗を見る限り、ほとんど不可能だということも分かる。
人は「真実を悟りたい」と言いながら、真実から逃げている。
現実レベルの幸福すら本当は求めていない。
カルマの欲望に流され、ハートの声を塞いでいる。
彼らがそれで良いなら、私にはどうすることもできない。
聞く耳を持つ人にだけ、真剣に訴えるだけである。
…最後に
人は誰もが骸骨を有し、骸骨の力に支えられている。
街を眺めれば、多くの人が歩いている。
だが、どんな美女やイケメンも、肉を剥がせば不気味な骸骨だ。
骸骨が食事し、骸骨が遊び、骸骨同士が愛を語らい、骸骨同士が喧嘩をしている。
エンライトの未発表原稿を代理でリリースしました。
いつもお読みくださり、感謝いたしております。(美雨)