私は、母親になることが夢だった。
だから、夢が叶って嬉しかった。
私は、子どもの言うことを無視する母親にはならない。
私は、子どものやりたいことを否定するような母親にはならない。
私は、子どもの心を殺す母親にはならない。
私は、子どもを1人の人として尊重できない親にはならない。
まったく違う子育てをして、見せつけてやろうと思った。
私は立派に子どもを育て、
社会に送り出せる親になってやると思った。
でも、
私は“子どもを育てる”とはどういうことか分かっていなかった。
母親って、
お乳を与えて、おむつを替えて、
泣いたらあやして、
ご飯を作って、掃除して、
子どもと一緒に出かけて、
寝かしつけて、その合間に夫の世話をして、
子どもが成長することだけを楽しみにしている生き物で、
どうしたら
“立派に子どもを育てて、
社会に送り出せる親になれるのか”が全く分からなかった。
母がしてきた子育てを息子にすると、
パニックパニックの毎日になるから無理だと言うことは分かるけど、
具体的な行動は全く分からなかった。
どこまで関わっていいのか？
私の子育てはこれでいいのだろうか？
場面場面で、いちいちがどうしたらいいのか分からない！
心の中は、いつも不安だらけ。
そんな私を追い詰めるように
母からは私の心を逆なでするような言葉の数々。
そんなこと言うくらいなら放っておいて！！
何度ものど元まで出るけど、
そのあとの母の言動が怖くて面倒くさくて、飲み込んでばかりいた。
息子の関わり方のいちいちが分からない。
母は私を追い詰める。
夫は仕事ばかりで何もしてくれない。
父は
息子と関わってくれるけど
パニクらせることも上手で、私を困らせた。
そんなときに出会ったのが、「光とともに」。
子育て経験がリアルに表現されている漫画。
光くんは、
重度の自閉症児で、発語がほとんどない。
子育て中の母の気持ちの揺れや、
周りの無理解さなど、リアルに表現されている。
光くんの卒園式で、
光くんに代わってママの幸子が、将来の夢を、こう語った。
「ボクは、大人になったら、元気で明るく働く大人になります」
私はこの言葉に、コレだ！と思った。
「光とともに」は、
実際に重度の自閉症者を持つ
親子の子育てがモデルとなっていて、
“光くん”は、実際に、元気で明るく働く大人になっている。
光くんと幸子のマネをして、
私は息子を納税者にすると決めた。
そうか！！！
実際に自閉症を知っている人、
理解している人、関わり方を知っている人、上手に関わっている人のマネをすればいいんだ！！
それが、
療育の先生であり、
保育園の先生だったことに今更ながら気づき、
そこから先は、
学校の先生には全面的に信頼をおいて、学校生活を過ごした。
当時、
働いていた職場には、
ダウン症の子を持つ先輩ママと
後天性の知的障害を持つ先輩ママがいて
共感し合ったりして、私の唯一の救いだった。
私の中で
共感してもらうことがゴールになってしまって
困ったことに向き合わない日々が続いてしまった。
出来ないことがあると、
私の躾が悪くてごめんなさい
（でも、どうしていいかは分からないまま）
と罪悪感だけはあって、
その先のどうすればいい？という考えには至らなかった。
この考え方のままでは、
息子を社会に送り出せる親にはなれないのに、
私はまだそれに気づかなかった。
小学校は支援級を選んだこと、
先生に恵まれたこともあり、息子はかなり落ち着いた。
私はそれに甘え、
どうすれば社会に送り出せる親になれるかを考える時間を放棄した。
向き合うことに向き合わず、
ムダに時間を過ごしていた私に、転機が訪れる。
それは、夫との死別で、息子が中1のとき。
私はあまりにも悲しくて
「悲しみに取り込まれて、死んじゃうんじゃないか」
と、
生まれて初めて死を意識した。
そこで初めて、
自分救済の道を探し始め、出会ったのがカウンセリング。
カウンセリングを受けて
母とのこと全てを切り離し、息子の親になるという覚悟ができた。
不安やイライラとの決別、
自分が楽になれる考え方、
子育てや人生を楽しめる生き方に変わることが出来た。
私は、
親になる覚悟を持ち、
自分と、
自分の子どもを理解してくれる人の獲得と、
子どもの気持ちの共感だけではなく、
その先の子どもを指導する力を持つことが必要であり、
そういう自分になって初めて
子どもが自分の個性を輝かせ、
社会に出て行ける準備が整うことを知った。
私は、
息子を通して、
親というものは、
18歳までに
子どもが身につけて
おいたほうがいいスキルを知っておく必要があり、
どうしたら出来るようになる？を、
私と、息子の理解者と一緒に考えて、
伴走することが役目だと学んだ。
子育てに必要な知識は、
先輩ママや先生が教えてくれた。
楽しい人生を歩むことに必要な生き方は、
カウンセリングの先生が教えてくれた。
前向きで明るく楽しい家庭は、
子どもへの関わり方と、
自分自身の心の在り方の、2本柱で築けることを経験で学んだ。
子育ては地域でするもの。
近くに
理解してくれる人がいると
子育てする環境は安定します。
情報は、自分の目で見て、耳で聞くことが大事。
ネットの情報だけを鵜呑みにして、決めつけない。
（これもネットの情報ですね笑）
目の前の人の、
言葉だけじゃなく
雰囲気とか表情などの非言語も見て、感じて、
この人と関わっていきたいと思う人と出会っていくことが大事。
そうやって
自分で環境を整えていくことで
心地よく楽しい子育てが出来るようになります。
それが
カウンセリング提供中！
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