感じない男
葛西善蔵の私小説のような面白さ。著者の持ち込み企画であることからして、
エネルギッシュな自己暴露セクシャリティ論。
第一章 生身の女性よりもミニスカート論
「男がミニスカに惹かれるのは、ミニスカの中に、パンツの形を取った
なにかすごいもの、この世を絶したようなものがちらちらと見えるような
気がするからである。」 (23) であるからして、ノーパンでもいけないし、
ミニスカと思ったらキュロットパンツだとがっかりするのだと森岡先生。
第二章 自慰とポルノ論。
第三章 「私はなぜ制服に惹かれるのか」
「日本中からセーラー服とブレザーがすべて消えてしまい、そのかわりに、
たとえば迷彩柄の服が多くの中学校・高校の女子制服に採用されたとする。
そしてその状況が二〇年ほど続いたとする。このとき、セーラー服やブレザー
に性的に惹かれていた男たちは、新しい制服である迷彩柄の服に惹かれる
ようになるのだろうか。私ならば、おそらく、新しい制服にも性的に惹かれて
しまうだろうと思われる。」(75-76) なぜなら若かりし頃には目にしなかった
ブレザーに今日では性的に惹かれるからだと、森岡先生。
そして「制服萌え」とは「学校萌え」であり、学校の教師がハレンチ事件を
起こすのはそのためだと。
第四章 ロリコン論
第五章 感じない男総括 と続く。
みうらじゅんの「正しい保健体育 」と並ぶ2005年の奇書。
【通勤用にGOOD】 2005年
エネルギッシュな自己暴露セクシャリティ論。
第一章 生身の女性よりもミニスカート論
「男がミニスカに惹かれるのは、ミニスカの中に、パンツの形を取った
なにかすごいもの、この世を絶したようなものがちらちらと見えるような
気がするからである。」 (23) であるからして、ノーパンでもいけないし、
ミニスカと思ったらキュロットパンツだとがっかりするのだと森岡先生。
第二章 自慰とポルノ論。
第三章 「私はなぜ制服に惹かれるのか」
「日本中からセーラー服とブレザーがすべて消えてしまい、そのかわりに、
たとえば迷彩柄の服が多くの中学校・高校の女子制服に採用されたとする。
そしてその状況が二〇年ほど続いたとする。このとき、セーラー服やブレザー
に性的に惹かれていた男たちは、新しい制服である迷彩柄の服に惹かれる
ようになるのだろうか。私ならば、おそらく、新しい制服にも性的に惹かれて
しまうだろうと思われる。」(75-76) なぜなら若かりし頃には目にしなかった
ブレザーに今日では性的に惹かれるからだと、森岡先生。
そして「制服萌え」とは「学校萌え」であり、学校の教師がハレンチ事件を
起こすのはそのためだと。
第四章 ロリコン論
第五章 感じない男総括 と続く。
みうらじゅんの「正しい保健体育 」と並ぶ2005年の奇書。
【通勤用にGOOD】 2005年
-
- 森岡 正博
- 感じない男
特捜検察
90年頃には有名な検察官が居たものである。
検察官が最後に話題になったのは明治大学卒で特捜部長になった
熊崎勝彦ではないかと思う。(「噂の真相」に不倫旅行を暴かれた
宗形紀夫もいるが)
そんな輝かしい栄光と、共産党幹部宅盗聴事件などの影を…
書かれているには書かれているが。
昭和電工事件をきっかけに発足した東京地検特捜部とロッキード、
リクルート、金丸事件を書くのだが、日本の地下水脈の流れを浮き彫りに
していった同じく岩波新書「東京国税局査察部」 の方が、随分と面白い。
【車窓からの眺めの方がマシ】
検察官が最後に話題になったのは明治大学卒で特捜部長になった
熊崎勝彦ではないかと思う。(「噂の真相」に不倫旅行を暴かれた
宗形紀夫もいるが)
そんな輝かしい栄光と、共産党幹部宅盗聴事件などの影を…
書かれているには書かれているが。
昭和電工事件をきっかけに発足した東京地検特捜部とロッキード、
リクルート、金丸事件を書くのだが、日本の地下水脈の流れを浮き彫りに
していった同じく岩波新書「東京国税局査察部」 の方が、随分と面白い。
【車窓からの眺めの方がマシ】
-
- 魚住 昭
- 特捜検察
拒否できない日本
アメリカはアメリカの利益のために日本はもとより世界に自国の制度を
押しつけている。日本に対して「年次改革要望書」と言う形で日本の
アメリカ化を要求されているわけである。
# にわか愛国者は小泉首相の靖国参拝に対する中国・韓国の抗議には
目くじらを立てるが、こっちはOKなのか?
切り出しは建築である。アメリカの基準が世界標準に推し進められている。
それで得をするのは当然アメリカである。
1998年に建築基準法が半世紀ぶりに大改訂された。その法案の答申書に
おいて建築材料の新たな性能基準は「国民の生命、健康、財産の保護のため
必要最低限のものとする必要がある」と書かれている。
最大限でなく最小限である。
なぜか?
そうすることで「海外の基準や国際規格」と整合させることができる。
国際規格となればアメリカ製品の市場が広がるわけである。
実際にアメリカの木材輸出業者の利益のためにアメリカ政府が日本に外圧を
かけて実現したものであると、アメリカの公文書に記録としてある。(42-50)
【通勤用にGOOD】 2004年
押しつけている。日本に対して「年次改革要望書」と言う形で日本の
アメリカ化を要求されているわけである。
# にわか愛国者は小泉首相の靖国参拝に対する中国・韓国の抗議には
目くじらを立てるが、こっちはOKなのか?
切り出しは建築である。アメリカの基準が世界標準に推し進められている。
それで得をするのは当然アメリカである。
1998年に建築基準法が半世紀ぶりに大改訂された。その法案の答申書に
おいて建築材料の新たな性能基準は「国民の生命、健康、財産の保護のため
必要最低限のものとする必要がある」と書かれている。
最大限でなく最小限である。
なぜか?
そうすることで「海外の基準や国際規格」と整合させることができる。
国際規格となればアメリカ製品の市場が広がるわけである。
実際にアメリカの木材輸出業者の利益のためにアメリカ政府が日本に外圧を
かけて実現したものであると、アメリカの公文書に記録としてある。(42-50)
【通勤用にGOOD】 2004年
- 関岡 英之
- 拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる
ゼロからわかる個人投資
「最強のファイナンス理論」の真壁昭夫による。
証券会社の新人トレーダーの話が面白い。
(余計なことを考えないので驚異的な成績をあげるそうだ)
【時間つぶしにGOOD】 2003年
証券会社の新人トレーダーの話が面白い。
(余計なことを考えないので驚異的な成績をあげるそうだ)
【時間つぶしにGOOD】 2003年
- 真壁 昭夫
- ゼロからわかる個人投資
最強のファイナンス理論
文春新書「人生と投資のパズル
」と同じくカーネマンのプロスペクト理論などの
行動ファイナンス関連の新書。
「人生~」の方が読み物としては面白く、こっちはこっちで株式のトレーダーには
おすすめできる。半端に読み物であるため、よりトレーダー向けによっていれば
よりよかったのだが。
つまりは株をやらない人には「人生と投資のパズル」の方がすすめられる。
【時間つぶしにGOOD】 2003年
行動ファイナンス関連の新書。
「人生~」の方が読み物としては面白く、こっちはこっちで株式のトレーダーには
おすすめできる。半端に読み物であるため、よりトレーダー向けによっていれば
よりよかったのだが。
つまりは株をやらない人には「人生と投資のパズル」の方がすすめられる。
【時間つぶしにGOOD】 2003年
教養としての世界史
語り口が面白い。
モンゴル帝国の拡大に関して
「こんな途方もない遠征をいちいちのべるのは芸がないから、いっさい省きます。
ともかく、チンギス=ハンがおこってから全アジアを席巻するまで、百年たらず
です」(96)
いちいち書くのが面倒だからと省略してしまう。碩学にのみ許される芸当である。
【通勤用にGOOD】 1966年
モンゴル帝国の拡大に関して
「こんな途方もない遠征をいちいちのべるのは芸がないから、いっさい省きます。
ともかく、チンギス=ハンがおこってから全アジアを席巻するまで、百年たらず
です」(96)
いちいち書くのが面倒だからと省略してしまう。碩学にのみ許される芸当である。
【通勤用にGOOD】 1966年
-
- 西村 貞二
- 教養としての世界史
ベトナム戦争
現在急速に米国と中国は経済面で接近しつつある。米国はチベットなどの
人権問題を言う一方で中国に国債を買わせ、他方で資源開発に協力をしている。
日本のネットに溢れる にわか愛国者はいまだに冷戦下の思考で中国というと
共産主義・チベット問題に固執している。それがいかに浅はかかであるかが
わかる新書。
米国につられて政治・人権に固執するうちに市場を失うなかれ、ということであろう。
ベトナム戦争を通じて米国のアジア覇権の企ての歴史がよくわかる新書である。
実にしたたかに市場を獲得していくのである。
面白いのが以下の記述。
「日本経済は、朝鮮特需の減少とともに失速の気配を示し、財界を中心に
対中貿易拡大への期待が脹らんでいた。もしこれが実現すれば、社会主義
建設に苦慮する中国経済は強化される。中国の日本への影響力も飛躍的に
増すだろう。そうならないためには、中国に替わる巨大な、天然資源の供給地
や工業製品の市場を見つけなければならない。それが東南アジアだった」(216)
実際に日本は東南アジアで反日運動が起こるほど経済進出を果たし、ベトナム
戦争でも物資を供給(ナパーム弾の90%が日本製)して潤うこととなる。
米軍の作戦に枯葉剤散布の他に、計画のみで終わったものに伝書鳩爆弾、
水田にピラニアを放流、缶ビールを巻き空腹の北ベトナム兵士を酔っぱらわせると
いうものまであったという。(193)
【通勤用にGOOD】 2001年
人権問題を言う一方で中国に国債を買わせ、他方で資源開発に協力をしている。
日本のネットに溢れる にわか愛国者はいまだに冷戦下の思考で中国というと
共産主義・チベット問題に固執している。それがいかに浅はかかであるかが
わかる新書。
米国につられて政治・人権に固執するうちに市場を失うなかれ、ということであろう。
ベトナム戦争を通じて米国のアジア覇権の企ての歴史がよくわかる新書である。
実にしたたかに市場を獲得していくのである。
面白いのが以下の記述。
「日本経済は、朝鮮特需の減少とともに失速の気配を示し、財界を中心に
対中貿易拡大への期待が脹らんでいた。もしこれが実現すれば、社会主義
建設に苦慮する中国経済は強化される。中国の日本への影響力も飛躍的に
増すだろう。そうならないためには、中国に替わる巨大な、天然資源の供給地
や工業製品の市場を見つけなければならない。それが東南アジアだった」(216)
実際に日本は東南アジアで反日運動が起こるほど経済進出を果たし、ベトナム
戦争でも物資を供給(ナパーム弾の90%が日本製)して潤うこととなる。
米軍の作戦に枯葉剤散布の他に、計画のみで終わったものに伝書鳩爆弾、
水田にピラニアを放流、缶ビールを巻き空腹の北ベトナム兵士を酔っぱらわせると
いうものまであったという。(193)
【通勤用にGOOD】 2001年
-
- 松岡 完
- ベトナム戦争―誤算と誤解の戦場
ローマ教皇とナチス
ナチスが非人道的な虐殺を繰り広げる中で、時のローマ教皇ピウス十二世
(エウジェニオ・パチェリ)は沈黙した。個人としてのドイツへの愛情と傾倒に
加えて、宗教弾圧を行うソ連・ボルシェヴィズムへの対抗がそこにあった。
少なからぬ聖職者が微弱ながらも批判の声をあげようとも、カソリックの頂点に
立つ彼は積極的には何もしなかったのである。
クロアチアではセルビア正教徒やユダヤ人の大量虐殺が行われ、
セルビア人の迫害虐待にカソリック教会の聖職者や修道士が参加さえしている。
これに関しても教皇は沈黙するのであった。
一方、アウシュビッツの8キロ先まで米軍は爆撃しながらも、各方面からの
要望がありながら米軍はアウシュビッツ収容所を爆撃しなかった。
それにより収用されているユダヤ人は死んでしまおうが、そこに送り込まれる
であろうもの達は救うことが出来た。アウシュビッツへユダヤ人を運搬する鉄道を
誤爆はしているが、積極的に鉄道の爆撃も行っていない。
すなわち「救おうという意識に欠けていた」(ゲルハルト・リグナー)のであろう。
ナチスが突出するため影に隠れてしまっている反ユダヤ主義がそこにあろうか。
【話のネタ本にGOOD】 2004年
(エウジェニオ・パチェリ)は沈黙した。個人としてのドイツへの愛情と傾倒に
加えて、宗教弾圧を行うソ連・ボルシェヴィズムへの対抗がそこにあった。
少なからぬ聖職者が微弱ながらも批判の声をあげようとも、カソリックの頂点に
立つ彼は積極的には何もしなかったのである。
クロアチアではセルビア正教徒やユダヤ人の大量虐殺が行われ、
セルビア人の迫害虐待にカソリック教会の聖職者や修道士が参加さえしている。
これに関しても教皇は沈黙するのであった。
一方、アウシュビッツの8キロ先まで米軍は爆撃しながらも、各方面からの
要望がありながら米軍はアウシュビッツ収容所を爆撃しなかった。
それにより収用されているユダヤ人は死んでしまおうが、そこに送り込まれる
であろうもの達は救うことが出来た。アウシュビッツへユダヤ人を運搬する鉄道を
誤爆はしているが、積極的に鉄道の爆撃も行っていない。
すなわち「救おうという意識に欠けていた」(ゲルハルト・リグナー)のであろう。
ナチスが突出するため影に隠れてしまっている反ユダヤ主義がそこにあろうか。
【話のネタ本にGOOD】 2004年
- 大澤 武男
- ローマ教皇とナチス