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リバタリアン宣言

多くのリバタリアンとその他の多くのクニガキチントの保守主義者をわけるのは、
これらの保守的な道徳律を政府を通じた強制力を使って、それを価値だと思わない
人にまで押しつけるかどうかという点なのです。」(101)

クニガキチント(「国がきちんと…」のイデオロギー)による道徳(保守)・社会権(リベ
ラル)とリバタリアンの位相をうまくしめす。

アイン・ランドの客観主義(人は利他的に生きるべきではなく、利己的に生きることこそ
道徳律)の研究サークルに、グリーンスパン、ヒラリー・クリントン、マドンナ、オリバー・
ストーンが所属、ランドの小説「水源」はアン・ハサウェイの愛読書。
98年にランダムハウスが読書投票した20世紀の小説ベスト100に、1.2.7.8位が
ランドの小説であったという。

【通勤用にGOOD】 2007年
蔵 研也
リバタリアン宣言 (朝日新書 32)

参議院なんかいらない

村上正邦・平野貞夫・筆坂秀世の元参議院議員による鼎談。
永田町好きにはかなり面白い。

あれやこれやの政局の秘話から、青木幹生がいかに参院を
堕落させたか、予算議決権をなくしかわりに会計検査院を
参院の機関として決算の議決権をなどの提言etc。

村上は自己矛盾が多く、まあそれでこそ参院の天皇にまでなった
ということか。

【書物としてGOOD】 2007年
村上 正邦
参議院なんかいらない

親より稼ぐネオニート

【週刊SPA!で十分】 扶桑社新書 2007年

今 一生
親より稼ぐネオニート―「脱・雇用」時代の若者たち

イスラムに負けた米国

また宮田律の新書かよと思いつつ読むが、これがよい。

イスラエルロビーによってとられる中東政策によって、米国がいかに間違えた政策をし続け
世界に嫌われるようになったか。中東・イスラムと米国のその歴史と現在。

ケネディにより民主党とユダヤ系が結びつき、レーガンによりクリスチャンシオニスト(ユダヤ
人のパレスチナ帰還とイスラエル建国がキリスト降臨の予兆と見なす)がユダヤ系と利害を
一致させる。これによって政党を問わずに新イスラエルである。(敬虔なクリスチャンのカータ
ーとWASPのブッシュ父は例外的にイスラエルに冷たい)

たとえばキューバを不法占拠して米国がおくグアンタナモ収容所など、米国のダブルスタンダ
ードなどは腹立たしい限りだが、当然ムスリムはこのことによって反米機運を強めている。

米国は中東に親米政府の樹立に努めてきたが、サウジアラビアは王制によって人権が激しく
弾圧されている。そこにて湾岸戦争時、米軍が駐留し、女性兵が短パンで街を闊歩して、
ビンラディンは反米に奔るのだが。

もうひとつ、エジプトも親米だが政治的に民主的とは言い難く、この地域でイスラエルに次いで
米国からの援助(20億ドル)を受けているが、それによって経済効率が向上している訳ではない。
2006年にムバラク大統領が中国に経済協力協定を結びに訪問するも、中国はエジプト経済に
まったく魅力を憶えておらず、ムバラクは手ぶらで帰ることとなる。

米国の言う中東の民主化が親米政府で起きていない皮肉。

【書物としてGOOD】 2007年

宮田 律
イスラムに負けた米国

大帝没後

明治天皇の逝去後の、大正という不思議が空間。
乃木大将の自決を軸にその時代を考察。

【話のネタ本としてGOOD】 2007年
長山 靖生
大帝没後―大正という時代を考える (新潮新書 221)

女房を質に入れるといくらになるのか?

投資理論・会計を用いたお遊び。
週刊SPA!で4ページくらいの特集で充分の内容。

【-】 扶桑社新書 2007年
永野 良佑
女房を質に入れるといくらになるのか?―投資理論や会計学でみる結婚・家族の“正体”

千利休 無言の前衛

映画「千利休」の脚本を書いた縁で。

前衛としての千利休。今の赤瀬川からするとまだ はち切れてない.

【通勤用にGOOD】 1990年
赤瀬川 原平
千利休―無言の前衛 (岩波新書)

新聞社 破綻したビジネスモデル

元毎日新聞社の取締役が書いたというだけで、それ以上のものではない。

やくざが売り、政治力で公取を抑える。それでやってきたものの広告収入の
低下(そもそも発行部数が水増しされており媒体価値はろくにわからないよう
になっている)で毎日は潰れそうですっていう書籍。

【目新しさはない】 2007年
河内 孝
新聞社―破綻したビジネスモデル

裏日本

もはや死語と化した「裏日本」。その産業史。

田中角栄の社会民主主義革命の礎を窺い知る。

【通勤用にGOOD】 1997年
古厩 忠夫
裏日本―近代日本を問いなおす

タイアップの歌謡史

烏賀陽弘道「Jポップとはなにか 」(岩波新書)について
・ビーイングについて触れられていない
・CMとのタイアップの本質はジャスラックに支払いが生じない点を見逃している
と私は書いたのだが、本書は上記の2点にしっかりと触れている。

日テレvsナベプロ。ナベプロが「歌のベストテン」の裏番組に歌番組を企画。それを
知った日テレの井原忠高はナベプロに出向く(当時同じ事務所のタレントが裏番組に
は出演しない不文律があったため)。すると渡辺晋は「そんなにうちのタレントが欲しい
のなら『歌のベストテン』の放送日を変えればいい」と言い放つ。
そうして出来たのが「スター誕生」。ナベプロ以外に有望な新人を分散することを目的
としたのであった。

【話のネタ本としてGOOD】 洋泉社y新書 2007

速水 健朗
タイアップの歌謡史