「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。 -17ページ目

「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

日野市・豊田駅北口「Bar BAKER(バー・ベイカー)」店主のブログです。ウイスキー、ジン、カクテルなど、こだわりの洋酒と音楽。落ち着いた空間で、一息つきませんか?
おひとりさま、初めての方、女性の方も、お気軽にどうぞ。

11月も最終週となりました。今月は残念ながら客足が鈍く、昨日の定例会でのテコ入れを加味しても、ここ数年で最低レベルです。何とか盛り返して12月に繋いでいけるように、みなさま、応援よろしくお願いします。

 

本日(24日)は、当店はお休みをいただきます。また月曜日以降、お待ちしておりますので、よろしくお願いします。なお、来週の日曜日(12月1日)は、通常営業する予定であります。

 

昨日(23日)は、当店の定例会こと、「第86回オールド&レア・ボトル会」を開催しました。この会は「ひとりではなかなか開けられない昔のボトルや珍しいボトルを思い切って開けて、皆で雑に飲もうよ」という趣旨で、こういったイベントを通して、お客さん同士、当店や僕も含めて、いろいろなつながりが生まれたり深まったりしてくれたら、という思いで、基本的に毎月開催しています。新規メンバーも大歓迎です。興味のある方は、ぜひお問合せください。

 

今回は、みんな大好きシェリー風で揃えましたよ。

 

 

画像は、左から、ケイデンヘッド・セブンスターズ、タリスカー・ディスティラーズ・エディション、ルスタウ・ハラーナ、ルスタウ・イーストインディア。「ケイデンヘッド・セブンスターズ」は、最古の歴史を誇るボトラーズ(瓶詰業者)の名門、ケイデンヘッド社製のブレンデッド・スコッチです。スペイサイド地方産のモルト原酒を中心にブレンドした後、オロロソ・シェリー樽で後熟を施して、ノンチル(冷却濾過無し)、ノンカラー(無着色)で仕上げています。ブレンデッド・スコッチなのでバランスの取れた味わいですが、香り、味わい、ともに濃厚なシェリー感がありました。ちょっと勿体ないですが、コーラ割りにしても美味しかったです。

 

ノンカラーで、この濃厚な色合い。レトロなデザインのラベルも素敵ですね。

 

 

「タリスカー・ディスティラーズ・エディション」は、スコットランド北西部に浮かぶスカイ島産のシングルモルト・ウイスキー、タリスカーが年1回生産している限定品です。途中でアモロソ・シェリー樽に移し替えて2段熟成を施しており、タリスカーならではのスパイシーで力強い味わいに、濃厚なシェリー感が加わって、面白い仕上がりでした。タリスカーといえば、ハイボールの仕上げに黒胡椒を挽く「スパイシー・ハイボール」という飲み方が人気なんですが、皆、今回のボトルでも試してハマっていました。あちこちで胡椒を挽いているので、くしゃみを連発しながら(笑)、楽しんでいましたよ。貴重なボトルを寄贈してくれたFさん、いつもありがとうございます。

 

ちなみに、「アモロソ」って馴染みのない名前ですが、いわゆるミディアム・タイプのシェリーだそうで、かつては、オロロソをベースに造られたミディアム・シェリーのことを「アモロソ」と呼んでいたそうです(通常のミディアム・シェリーはアモンティリャードをベースに造られる)。

 

 

「ルスタウ・ハラーナ」は、シェリーの名門、ルスタウ社のファミリアール・ラインナップのひとつです。パロミノ原酒を酵母被膜下で熟成させた、すっきり辛口のフィノ・タイプで、ソレラ・システムで4年程熟成を施しています。ルスタウ社のフィノには「プエルト」もありますが、地域、熟成期間などの違いがあり、このハラーナのほうが酸味が強いような印象を受けました。

 

「ルスタウ・イーストインディア」は、同じくルスタウ社のオリジナル・ラインナップのひとつで、銘柄名は東インド貿易に由来しています。パロミノ原酒を酸化熟成させたオロロソと、極甘口の高級品種、ペドロヒメネスをブレンドした、こってり甘口のクリーム・タイプで、ソレラ・システムで15年程熟成を施しています。何度も投入していますが、安定して美味しいですね。

 

昔のデザインを再現したボトルには、文字が直接、大きく印字されていて、目を惹きます。

 

 

スイーツ担当のUさんは、ガトー・インビジブルという、ぎっしり詰まった林檎ケーキを焼いてきてくれました。シェリーとの相性もよかったです。

 

 

僕は、オロロソ系には肉が合うので、豚大根を作りました。皆にも好評でよかったです。

 

 

楽しい会が続いているのは、皆のおかげです。いつもありがとうございます。また来月も、定例会、ゆるい会のダブル開催を予定しています。今回は、久しぶりに参加したメンバー、遅い時間の飛び入りもいましたが、新規メンバーも大歓迎です。興味のある方は、お気軽にお問合せください。

 

先日、母のお墓参りに行ってきました。日々色々なことがありますが、心穏やかに過ごしていきたいものですね。

 

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107

 

11月も折り返しを過ぎました。朝晩だけでなく、日中の気温も下がってきているので、体調管理に気をつけて過ごしたいものですね。

 

本日(17日)は、日曜日ですが当店は通常営業しています。天気もよさそうですし、お時間がございましたら、一息つきに来ませんか? お待ちしております。なお、来週の日曜日(24日)は、お休みをいただく予定であります。

 

ここで音楽ネタでも。今回は、当店のクロージング・ミュージックとして、夜が更けてくると毎晩かけている原田知世(11月28日が誕生日なので、今月は強化月間です!)さんを取り上げてみます。ちなみに、知世さんもCHET BAKERが大好きだそうです(以前あった「ジャズの100枚。」という企画で、「CHET BAKER SINGS」を愛聴していることを語っています)。

 

今回取り上げるのは、秋から冬の夜にピッタリのバラード・セレクションです。

 

 

CANDLE LIGHTS / TOMOYO HARADA / VERVE

 

原田知世さんは、デビュー当時から女優活動と並行して音楽活動もずっと続けてきていますが、1990年代に入って、鈴木慶一さんやスウェーデンの才人、TORE JOHANSSONさんをプロデューサーに迎えたころから、アーティストとして音楽的に開眼したように思います。最近では、2007年~現在に至るまで、伊藤ゴローさんのプロデュースが長らく続いており、アコースティックを基調とした、しっとりと落ち着いたサウンドを聴かせてくれています。本作は、2009~2019年までの間に発表された楽曲たちの中からバラード調の曲をセレクトしたアルバムで、新曲が1曲、細野晴臣さん、高野寛さん、伊藤ゴローさんがそれぞれ手掛けたリワーク(再アレンジ)曲も収録されています。曲目を見ると、まず冒頭の「LOVE ME TENDER」に注目です。元々は洋楽カバー・アルバム「恋愛小説」に収録されていましたが、本作では細野晴臣さんの手によるリワーク・バージョンが収録されています。はっぴいえんどやYMOなどでもお馴染みの名ベース奏者の細野さんですが、ここではピアノを弾いているんですよ。知世さんのヴォーカルもかなり加工されていて、オリジナル・バージョンとは一味違った仕上がりになっています。「2月の雲」は、「虹の都へ」や「ベステンダンク」などのヒットでもお馴染みのシンガーソングライター、高野寛さんによるリワーク・バージョンになっていて、オリジナルと比べると、エレクトロ調でリズムが強調されたアレンジになっています。高野さんとは、知世さんも参加しているバンド、PUPA(ピューパ)のバンド仲間でもありますね。メインプロデューサーの伊藤ゴローさんがリワークを手掛けた「銀河絵日記」は、より広がりのあるサウンドになり、地上を離れて宇宙に飛び立ったみたいな感じ(知世さん談)に仕上がっています。新曲「冬のこもりうた」は、「さよなら また会おう 今頃 好きだよ」という切ない歌詞ですが、ちょうどその時期に知世さんが出演していたドラマ(大切な人を残して先に逝ってしまう役を演じていました)の影響を受けて、作詞家の高橋久美子さんが書いたものだそうです。そして、個人的に大好きなのが「いちょう並木のセレナーデ」です。元フリッパーズギターのメンバーで、シンガーソングライターの小沢健二さんの名曲のカバーですが、ギター1本のみのシンプルこの上ない伴奏で「もし君がそばに居た 眠れない日々がまた来るのなら」という、とても微妙な心情が切々と唄われています。本作は、知世さん自身が「キャンドル・ライトのように、聴いて下さる方の心に小さな明かりをともせたら」と語っているように、そっと優しく包まれるような素敵な1枚でありますよ。

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107

 

立冬も過ぎ、暦の上では冬に入りました。先日、東京でも木枯らし一号が吹き、朝晩の冷え込みだけでなく、日中もひんやりとした体感の日が増えてきた気がします。体調を崩さないように、気をつけて過ごしたいものですね。

 

本日(10日)は、当店はお休みをいただきます。また月曜日以降、お待ちしておりますので、よろしくお願いします。なお、来週の日曜日(17日)は、通常営業する予定であります。

 

昨日(9日)は、ゆるい会の第24回として「ゆるい11月会」を開催しました。今回は残念ながら参加者が少なかったですが、ゆるいラインナップを飲みながら、こってりマフィンを食べて、ゆるい(チルい?)時間を過ごそうよという、まったりとしたイベントで、新規参入もしやすいかと思いますので、興味のある方は、ぜひお問合せください。

 

先月のゆるい会(トリス飲み比べ)がなかなかハードだったので、今回は美味しいのを投入しようと思い、お手頃シェリー風の会にしましたよ。

 

 

画像は、左から、ウォータープルーフ、フェイマスグラウス・シェリーカスク、サンデマン・ミディアム・ドライ。「ウォータープルーフ」は、スコットランド北部のスペイサイド、ハイランド、両地方にある7ヶ所のモルト原酒のみをブレンドした(グレーン原酒を含まない)、ブレンデッドモルト・ウイスキーです。メイン原酒は、グレンモーレンジィ、グレントファース、バルブレアで、シェリー樽熟成原酒を多めに使用し、アルコール度数は少し高めの45.8%で瓶詰めされています。目立ったクセもなくて、甘めで飲みやすい、美味しいウイスキーだと思いますが、世間で言われているほどのシェリー感は感じられませんでした。毎度お馴染み、Fさんからの寄贈品です。いつもありがとうございます。

 

ウォータープルーフは、とても個性的なデザインで、ラベルには水滴のような加工がされており、ボトルの首にはラバー製の飾りがついています。

 

 

「フェイマスグラウス・シェリーカスク」は、雷鳥(グラウス)のラベルでお馴染みのブレンデッド・スコッチ、フェイマスグラウスのブレンダーズ・エディションのひとつで、シェリー樽で後熟を施しています。もともとフェイマスグラウスのメイン原酒には、グレンタレット、グレンロセス、マッカラン、ハイランドパークといったシェリー樽系が使われていますが、さらにシェリー樽で仕上げ熟成を施すことで、いちだんとシェリー感を高めています。こってり甘い系ではなく、ほどよい酸味も感じられ、とても飲みやすいボトルでした。

 

 

参考商品として、フェイマスグラウスのモルト原酒のみをブレンド(グレーン原酒を含まない)して、シェリー樽で後熟を施した、ネイキッドグラウスとの飲み比べも興味深かったです。色合いからもわかるように、こちらの方がかなり濃厚でした。

 

 

「サンデマン・ミディアム・ドライ」は、シェリーとポートワインの名門、サンデマン社のスタンダード品、クラシック・シェリー・シリーズのひとつで、アモンティリャードとペドロヒメネスをブレンドした、ほんのり甘口のミディアム・タイプです。サンデマンは、上級品のプレミアム・シリーズ(ドンフィノ、キャラクター、アルマダ、ペドロヒメネス)はもちろんですが、スタンダード品のクラシック・シリーズ(フィノ、ミディアム・ドライ、ミディアム・スイート)も、どちらも安定して美味しいです。

 

今回のマフィンは、原点に帰って、コンミートを練り込んだ、こってり芋マフィンにしました。当店の芋マフィン兄弟の元祖ですが、いつも皆に好評です。

 

 

Kさんからの差し入れ、神戸のモンロワール製の葉っぱ型のチョコレート、リーフメモリー。最近はテレビCMも流れていて、全国区になりましたね。

 

 

Fさんからの差し入れ、岐阜の八百津せんべい製の味噌煎餅。

 

 

Yちゃんからの差し入れ、チェダーチーズ風味のプレッツェル・ナッツ。

 

 

ゆるい会、定例会、ともに、新規参入も大歓迎です。今回、飛び入り参加してくれた方々も、ありがとうございました。席に空きがあれば飛び入りもできますが、予約申し込みしていただくと、おつまみなども確実に用意できます。基本的に毎月開催していますので、興味のある方は、ぜひお問合せください。

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107

 

11月がスタートしました。昨年(2023年)の11月2日に西友・豊田店が閉店してから、1年が過ぎたことになります。時が経つのは早いですね。人の流れが大きく変わってしまったので、付近の飲食店などへの影響は計り知れません。今後、街が良い方向へ進んでくれることを願います。

 

世間的には連休中ですが、当店は、3日(日・祝)、4日(月・休)、ともに通常営業しています。天気も回復したことですし、一息つきに来ませんか? お待ちしております。なお、来週の日曜日(10日)は、お休みをいただく予定であります。

 

さて、ここで毎月恒例、10月末締めの当店での人気ランキングを見てみたいと思います。今回もほとんど動きはありませんでした。

 

それでは、さっそく・・・。

 

 1位 タンカレー

 2位 ジョニーウォーカー

 3位 角瓶

 4位 サンデマン

 5位 オールド

 6位 ブラックニッカ

 7位 アップルワイン

 8位 ラフロイグ

 9位 スーパーニッカ

10位 響

 

11位 バランタイン

12位 アードベッグ

13位 バッファロートレース

14位 プリマス

15位 エギュベル

16位 タリスカー

17位 カティサーク

18位 カリラ

19位 ラガヴーリン

20位 ヘイマン

 

21位 ヘネシー

22位 ゴードン

23位 ブッシュミルズ

24位 竹鶴

25位 ビーフィーター

26位 山崎

27位 ボウモア

28位 グレンファークラス

29位 白州

30位 キャプテンモルガン

 

 

画像は、左から、ハチオウジン・オリエンタル、グレンファークラス105、マルス・アンバー。「ハチオウジン・オリエンタル」は、当店のある日野市のお隣、八王子市で造られているクラフトジン、ハチオウジンの限定品です。シナモン、ティンブール、コブミカン、レモングラス、カルダモンなど、様々なハーブやスパイスを組み合わせてオリエンタルな風味に仕上げているそうです。確かに通常品のクラシックと比べると、ハーブ&スパイス感が強く感じられます。

 

ハチオウジンの基本的なデザインを踏襲しつつ、鮮やかなグラデーション・カラーにしてラベルの文字を排したデザインは、スタイリッシュで目を惹きますね。ただ、瓶口が平べったくて注ぎにくい(というか、必ずこぼれる)点は解消されていないので、どうにかしてほしいです。

 

 

「グレンファークラス105」は、スコットランド北部、スペイサイド地方産のシングルモルト・ウイスキーで、カスクストレングス(樽出し)で瓶詰めされているので、シェリー樽由来の濃厚な香りと味わいが楽しめます。それにしても、グレンファークラス、ここ数年で高くなりましたね。以前のようなお値打ち感は皆無です・・・。ちなみに、「105」はアルコールの強さを示すプルーフ(イギリス式:%の1.75倍)の値で、パーセント換算すると60%になります。このグレンファークラス105は、「鉄の女」とも称されたイギリスのマーガレット・サッチャー元首相が愛飲していたことでも知られています。

 

「マルス・アンバー」は、マルス・ウイスキーのマルス信州蒸溜所製のブレンデッド・ウイスキーで、アンバー(琥珀色)という名前の通り、シェリー樽由来の濃い目の色合いをしています。信州蒸溜所はウイスキー需要の低迷から1992年に蒸溜を停止し、2011年に再稼働を果たすまで、19年間、ウイスキーの蒸溜をしていなかったのですが、このマルス・アンバーは停止前の原酒も使って生産されていたので、当時の原酒が不足してきて、残念ながら終売となりました。

 

マルス・アンバー。台形の独特なボトルが目を惹きますね。わりと価格もお手頃で、好きな人も多かったのではないかと思います。

 

 

今回のランキングではほとんど動きはありませんでしたが、12位のアードベッグ~16位のタリスカーまではあまり差がないので、近いうちに動きがありそうです。

 

おまけ。

 

最近の桔梗。最後にもう1輪、開花しましたよ。

 

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107

 

10月も最終週となりました。今月もいろいろありましたが、何とかいいかたちで締めくくり、11月に繋げていきたいものです。みなさま、応援よろしくお願いします。

 

前回記事でもお知らせしましたが、本日(27日)は、お休みをいただきます。このところ長期間の連勤が続いたせいもあるのか、身体が(というか、腰が)悲鳴をあげているので、今後に備えるためにも、ここで一旦休みを入れることにしました。また明日以降、お待ちしておりますので、よろしくお願いします。なお、次の週末は世間的には連休になりますが、当店は、11月3日(日・祝)、4日(月・休)、ともに通常営業する予定であります。

 

ここで音楽ネタでも。今回は久しぶりに原点に戻って、CHET BAKERです。かなり前に紹介記事を書いた覚えはありますが、秋の名盤ということで、その背景にも触れつつ、再度取り上げてみます。

 

 

CHET IN PARIS VOL.1 / CHET BAKER / BARCLAY

 

1955年の秋、CHET BAKERは、自身のレギュラー・カルテットを引き連れて、初めてのヨーロッパ・ツアーに旅立ちました。もちろん、ヨーロッパ圏での人気の高まりを受けてツアーが組まれたという側面もあるとは思いますが、当時、CHETにはフランス人のガールフレンド、LILIこと、LILIANE CUKIERがいて、彼女がフランスに帰国する際に一緒についていったというのが実情のようです。子供の頃からジャズをはじめとした様々な文化や芸術に興味を持っていたLILIは、1954年にアメリカに渡り、ニューヨークの有名なジャズクラブ、BIRDLANDでCHETと知り合い、恋仲になったと言われています。LILIとともにパリに到着したCHETは、ST-GERMAINなどのジャズクラブに出演し、ヨーロッパ各地の腕利きミュージシャンたちとの交流を深めることができました。また、文化の香りがするパリの街をとても気に入って「パリには音楽を聴く耳がある」と語ったそうです。LILIは熱心なジャズマニアの友人、NICOLE BARCLAY(女性です)をCHETに紹介し、意気投合したCHETは、彼女と夫のEDDIE氏が立ち上げたレコード会社、BARCLAY DISQUESとアルバム7枚分(!)ものレコーディング契約を交わしました。ヨーロッパ各地でライヴをこなしてパリに戻ってきたCHETは、満を持して自身のレギュラー・カルテットでBARCLAYレーベルへの初レコーディングに臨みました。メンバーは、CHET BAKER(トランペット)、DICK TWARDZIK(ピアノ)、JIMMY BOND(ベース)、PETER LITTMAN(ドラムス)によるカルテット編成で、1955年の録音であります。まず何と言っても、CHETに「魂の友」とまで言われたピアニスト、DICKの存在が大きいです。名匠、MARGARET CHALOFF女史に師事して演奏技術、作曲技法を学んだそうですが、クラシックの影響も受けた独自のスタイルは他の誰とも異なる唯一無二の個性がありました。曲目を見ると、いわゆるスタンダード曲は一切無く、DICKの友人の作曲家、BOB ZIEFFの曲ばかりを取り上げています。ミドルテンポの「RONDETTE」で始まり、アップテンポの「MID-FORTE」、そしてバラード曲「SAD WALK」と続く流れも素晴らしいです。途中1曲だけ「THE GIRL FROM GREENLAND」のみ、DICKの作曲ですが、ZEIFFと同じような雰囲気に寄せているので違和感はありません。複雑な和音を響かせるDICKのピアノをバックにしたCHETのトランペットは絶好調で、しっとりとした味わい深さもありつつ、勢いやキレのよさも感じられます。今後に期待が高まる会心の出来だったと思いますが、この数日後、ピアノのDICK TWARDZIKが不慮の死を遂げ、このレギュラー・カルテットは崩壊してしまいます。同メンバーでのライヴ録音は何枚か残されているものの、結果的に本作が唯一のスタジオ録音となってしまいました。DICK TWARDZIKについてはCHET自身も相当な思い入れがあったようで、晩年に書いた回顧録「AS THOUGH I HAD WINGS」の中でも細かく振り返っています。

 

ちなみに、CHETとLILIは1956年に別れてしまいますが、その後、LILIは女優として成功し、数々の映画やテレビで活躍しています。ジャズへの愛も変わらず、ジャズ・ベース奏者のGILBERT BIBI ROVEREと結婚しました。そして時は流れて1980年、フランスでテレビ放映されたライヴの際、インタビュアーとして登場したLILIが久しぶりにCHETと再会する場面があるのですが、2人のトークがなかなか面白いので、興味のある方はぜひ探してみてください。

 

パリ録音の背景にも触れていたら、やたらと長くなってしまいました。

 

そして、先日、母のお墓参りに行ってきました。別れもあれば出会いもあり、日々いろいろありますが、心穏やかに過ごしていきたいものですね。

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107