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海外進出とテストマーケット

先日の和僑ブログにも書きましたが、今は大中小の企業はたまたベンチャーまで、日本市場だけでビジネスするのではなく、海外市場にも目を向け、そして行動しています。それもかつての様に「日本市場を攻めてから、海外市場」という考えではなく、「まずは海外それから日本」という会社まで出てきています。このマインドセットの変化はこれからの日本企業の海外進出をより一層促していくでしょう。

私がいる東南アジアにもあらゆる業種、サイズの企業が進出しています。話を聞きますとベトナム、シンガポール、ジャカルタ、バンコク等に今までの数倍の数の企業が視察、調査に訪れているそうです。

そこで昔働いていたチリの職場で聞いた興味深いお話を紹介します。$cbsolutionsのブログ


南米大陸は3億7千万人以上が暮らす大陸で経済のトップ2はブラジルアルゼンチンが担い、その他に産油国のベネズエラ、南米大陸の太平洋側の半分をカバーする長細いチリ、パラグアイ等経済発展のレベルがバラバラな12か国がひしめく大陸です。人国の訳50%を占めるブラジルがポルトガル語を話し、その他のほとんどの国はスペイン語を話します(ギアナ、ガイアナ、スリナムは除く)。またほとんどがカソリックの国なので文化的にも非常に近い物があります。

経済的にはMerco Sur(直訳:南の市場)とComunidad Andina(アンデス共同体)という二つの関税同盟があり、加盟国間での自由貿易圏が存在します。すなわち南米で生産すれば、他の南米諸国に無税、または非常に低い関税で輸出する事ができます。丁度ASEANのような感じです。

しかし多くの企業にとって海外進出はいつの世もリスクを伴います。売れるかどうかわからない商品、サービスを海外に出すのはどこの企業にとっても簡単な事ではありません。

そこで多くのアメリカ企業がチリをテストマーケットとして使います。チリはアメリカとFTAを結んでいますし、経済規模ではブラジル、アルゼンチンに後れを取っていますが、OECDにも入っています。ある程度の購買力もあります。またほとんどの消費活動が首都のサンティアゴに集中しているため、テストマーケットの際に資金を有効活用する事ができます。また文化的にも南米過ぎないため欧米に近い物があります。

多くの企業がチリをテストマーケットとして使い、そこで文化的な調整等を加えて、ブラジル、アルゼンチンなどに本格的に進出していきました。またここで商品だけではなく、会社内での文化も徐々に南米風に調整して、進出先の地域の企業として長期間活動するための下地も作ります。


現在海外進出している日本のビジネスは、文化的な問題とは関係なくユニバーサルな物もあれば、人々の生活に密接に関係するような文化的な問題が重要な物もあります。それぞれの地域の文化に合わせて商品、サービスを調整する必要はありますし、多くの日本企業がこれまでそうしてきました。

これからは、経済的な視点からではなく、文化的な視点からのテストマーケットが必要になるのではないでしょうか?消費者との関係だけでなく、会社運営の文化的な調整等を含めたテストマーケットという考えです。

それぞれの国の文化は違いますが、世界を地域ごとに分けると地域内の文化は近しい物があると思います。これから本格的に進出先のメンバーとして長い目でビジネスを展開していくのなら、この必要はあると思いまう。昔の様に日本企業が「来てやっている」という立場でビジネスをできる立場にありませんし、そういう事をしていては、他国の企業に勝つこともできません。これからは進出先の人材が働きやすい環境を作る事も戦略の一つではないかと思います。その方が非常に日本的ではありますし、韓国をはじめとする他国の企業に対するアドバンテージにもなるのではないでしょうか?



和僑と30年後の日本街

最近、和僑という言葉をチラホラと聞くようになりました。華僑の日本人版の事です。

今までいろいろな国に行きましたが、どの国にでも中華街はありました(ベネズエラの田舎町にも!)。世界中に散らばった中国人、華僑たちはそれぞれの土地に根付き、華僑ネットワーク内での情報交換、相互補助を行ってどんどん成長していきました。数世代も海外の土地に根付いている華僑もいて、それぞれの国での地位も高めていき、政治経済に大きな影響力を持つようになった例も多くあります。彼らはその土地の言語を操りつつも、母国人同士と強いきずなで結ばれています。

(正確には華僑とは中華人民共和国の国籍も持つ二重国籍者ですが、今回は一般的な認識としての華僑・華人の話です)


現在の華僑の発端の多くは、中華商人か苦力(クーリー)と呼ばれる奴隷として中国から輸出された人々です。奴隷として輸出された人々も彼の地で成功した同郷人の助けを借り、社会的地位を徐々に向上させました。


ではこれから形成される和僑と和僑ネットワークとはどういう物になるのでしょう? $cbsolutionsのブログ



和僑の中心となるのは、やはり中華商人と同じように起業家たちではないでしょうか。ただ和僑の場合は商人というよりも、技術をもった人たちのような気がします。この技術をアドバンテージに、それぞれの土地での商品、サービスを開発し、それと同時に地域にも貢献する。まだまだ日本人は多くの国ではブランドであり、それがビジネスにとってプラスに働くと思います。品質の高い物を手ごろな価格で提供し、人々の生活を改善しつつビジネスを行う。またインターネットを活用して、全く違う地域の和僑と協力してビジネスを行っていく事も可能です。

他にもサービス業等での進出も考えられます。それぞれに土地にないサービスを提供するニッチビジネスから始まり、徐々に他のマーケットにも展開していく。よく言われるように日本のサービス業は世界でもトップクラスだと思いますし、十分他国のマーケットで勝負できると思います。


ベンチャーなどでも、M&Aを通じて海外市場に進出するところもでてくるでしょう。こういう企業が先鞭を取って本当の意味での進出企業との文化的な融合の見本になる様な所が出てきても面白いと思います。


現在多くの駐在の方が海外におられますが、彼らは和僑ネットワークの中ではネットワークをつなぐ役割りになるのではないでしょうか?任期を終えられると帰国され、また違う国に赴任されたり、新しい人が来たりで、違う土地、違う世代をつなぐ役割があるのではないかと思います。また和僑の中心となる起業家精神あふれる人たちと大企業をつなぎ、より大きなプロジェクトを進める役割になるのではないでしょうか。


そうしてそれぞれの和僑が数世代にわたって違う国に根付き、それぞれの地域で地位を認められ、30年後、40年後には現在の中華街の様に世界のあらゆる土地で日本街ができるのでしょうか


勝手に和僑について、色々妄想しましたがかなりワクワクします。現在、様々な業種の方が東南アジアをはじめ多くの地域に進出しています。もちろん大企業もいますが、中小企業やベンチャーもいます。全ての企業がそれぞれの土地に根付くわけではないでしょう。海外でのビジネスは一筋縄では行きませんし、それぞれの土地に根付くとなると他の問題も色々出てきます。しかし、今海外に腹を括って出て行っている会社が30年後にどうなっているかを考えると非常に楽しみです。

東南アジア飲食業界カントリーリポート Vol 1

先日ブログでお話ししていた東南アジアの飲食業界のカントリーリポートのプレゼンテーションが完成しました。

当初は普通にワードで書いていたのですが、あまりにも長くなったのでパワポで簡単な概要版を作成。その後、ブログに張り付けるのに苦労して、やっと完成ですビックリマーク

今回では簡単な市場情報のみとなりました。コミュニケーション文化について、従業員とのやり取りに関する事等も入れたかったのですが、そうするすごいページ数になってしまうので、また別の機会にします。

今更新中のウェブサイトにも近々アップしますのでお楽しみに!!

少し長いプレゼンテーションですが、お役に立てば光栄です




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