今日は午前中は大きな傘が必要なほど雨が降っていましたが、12時すぎると雨粒がまばらになりました。港の見える丘公園と山下公園にローズドロップを拾いにいきました。
この後レポートする「Lee」のイメージのバラ(葵)。
鑑賞した場所はみなとみらいにある
kinocinemaみなとみらいで鑑賞しました。
関連サイト
5/9(金)公開|映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』公式サイト
Lee Miller Archives | Conserving the legacy of Lee Miller, Roland Penrose and their contemporaries.
概要
ケイト・ウィンスレットが主演・製作を務め、トップモデルから20世紀を代表する報道写真家へと転身した実在の女性リー・ミラーの数奇な人生を映画化した作品。
(略)
リー・ミラーを演じたケイト・ウィンスレットはゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされた。リーの友人ソランジュ・ダヤン役でマリオン・コティヤール、恋人ローランド・ペンローズ役でアレクサンダー・スカルスガルド、編集者デイヴィッド・シャーマン役でアンディ・サムバーグが共演。「エターナル・サンシャイン」などの撮影監督エレン・クラスが長編映画初監督を務めた。
2023年製作/116分/G/イギリス
原題または英題:Lee
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2025年5月9日
出典:リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
感想
「おもしろかった」というよりも「見てよかった」映画です。若い人にも一度はみてほしいなと思います。
ここからネタバレです
時代背景について
映画では、1938年リーが後の伴侶となるローランドとの出会いから第二次世界大戦のころが描かれます。
ニュース映画でドイツでのヒトラーの様子を見る彼ら。
そのときは、ヒトラーの率いるナチスの台頭なんて「あんなの誰が信じるのかしら」と言っていたのにも関わらず、わずか3~4年でフランスのパリはナチスに占領され、リーの友人のソランジュ(マリオン・コディヤール)の夫、そして彼女もナチスに連れ去られます。
この映画で語られるこの雰囲気は、2014年から続くウクライナ危機、そして2022年のロシアによるウクライナ侵攻によって、各国の政情が不安になっている今の時代に酷似しているように思いました。
日本でも昨年から今年にかけて、お米がほぼ2倍。これは、ある場所に向かって集中しているように思います。ヨーロッパは政情不安になり、中国とアメリカは雇用環境が超悪化…。とにかく、今、各国は安全で衛生的な生産環境を維持できなくなってきているように思われます。先物取引とか仮想通貨とか、「ルールがあるようでないブラックホール」というか「胴元に利益が流れるようになっているしくみ」に個人の資産が吸い込まれているように思うのですよね。
リー・ミラーについて
もともとモデルで実績があったリーは、多くの美術関係者とのサロンをひらき、NYでカメラマンとして成功します。その後、イギリスでイギリス版VOUGUEで仕事を始めます。そして、アメリカの従軍記者として、1944年、仏 サン・マロの包囲戦を乗り越え、史上初めてのナパーム弾が使用された瞬間をスクープします。
フランスに行きたかったのは、おそらくパリの友人達を助けにいきたかったからではなかったのでしょうか。情が深い方だったように思うので、いてもたってもいられなかったのだと思います。
終戦の日、パリで友人の屋敷で会ったのは変わり果てたソランジュ。彼女の夫も彼女も「どこかに連れていかれた」と。
ソランジュをそこまで変えたのは何なのか。リーさんはこだわります。ローランドはロンドンに戻るように勧めますが、
「前線に行くわよ」
さすが、ケイト姐さん
、
いや、リー姐さん
。
そして、「連れ去られた場所」を探して、何百キロもジープを走らせた結果いきついたのはダッハウ収容所。異様な臭気に鼻と口をふさぎながら、米兵のあとに続いて入っていきます。列車で運び込まれたユダヤ人は全員死亡しています。汚猥と腐った血肉の匂いがないまぜになっている現場を演技で画面に映すことで、殺戮や戦いの悲惨さがずしりと心に残りました。
解放した英国、米国の兵士も「解放してやったんだからこれくらい」といってパリの娘を襲っています。フランス人でさえも「ドイツ兵に秘密をもらした」といって、ドイツ人の恋人だった同胞の少女の髪を切ってしまいます。
彼らはナチスでもドイツ人でもありませんが、【なんやかんやと理由をつけて】、暴力や殺すときの心理的ハードルを楽々とこえます。【ナチス】が滅んでも、暴力性や残虐なことで自己実現を達成したい人が、少なからずいます。ナチスが犯した罪の根源はなんだったのか、どうしたらこの事態を避けられたのか、80年すぎた今も残された課題です。
残虐性に国境はありません。
日本で問題を起こしている外国人を思い出しました
。
写真家としては戦禍にフォーカスをおいていますが、彼女は人間の危うさを一番目の当たりにしてきたのではないでしょうか。その中で何を考えたでしょうか。
ケイト・ウィンスレット姐御のガッツ
ケイト・ウィンスレットは映画のプロデューサーとして実践的に関与し、財務から脚本、キャスティング、カメラアングル、新しいロケーションの発見まで、すべてに責任を持っていました。ウィンスレットはキャスティングにも密接に関わり、多くの共演者に電話をかけて映画に出演するよう依頼していました。最初のプレでは彼女の私費で、スタッフの人件費を賄っていたようです。
また、Imdbによると、ケイトはこの撮影のリハーサルのとき、スリップして背中を痛めて一時入院したようです。でも、彼女はこのまま撮影を続行することにしました。彼女のガッツに頭が下がります。
彼女は、Rolleiflex medium format cameraのレプリカを使用し、そのアイコニックなフォーマットの正しい使用法を学ぶために相当な時間を費やしたそうです。典型的なRolleiflex の写真はカメラを腰の高さで構えて見える像をビューファインダーで確認しまするのですが、彼女は露光中に一瞬息を止めることで、ぼやけたショットになる可能性を減らしました。
でも、映画ではケイトの呼吸音が追加されてしまい、彼女はとても残念がったそうです。
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