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cb650r-eのブログ

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CB650R e-clutch を買う夢を見ました。

 

いざ、東京へ

 

 3月29日、月曜日の朝。和歌山を出発し、東京へ向かう。距離は約500km。今回は、高速道路をフルに活用して、途中で一泊する予定だ。

 「K75、しっかりたのむよ」とつぶやきながら、バイクの準備を整えた。母が見送りに家の外へ出てきてくれた。私はヘルメットをかぶる前に、ふと思いついて尋ねた。

 「ねえ、母さん。俺が大阪貿易に入社したとき、ひょっとして林専務にお願いとか何かの連絡をしてくれた?」

 母は少し考え込むようにして、軽く首を傾げた後、「それ、逆だよ」と微笑んだ。

 「林さんから電話をいただいたのよ。あんたの履歴書か何かを見たんだろうけど、そこに私の名前と家の電話番号が書いてあったんじゃないかしら。それで、『ご子息には、当社をお選びいただきありがとうございます。大切に育てますのでご安心ください』って、すごく丁寧な電話をいただいたのよ。」

 「そうだったんだ…」私は最終面接の時のことを思い出していた。

 私はヘルメットをかぶり、顎ひもを、いつもよりしっかり締めた。「じゃあ、行ってきます。」

 「気をつけてね。」

 バイクのエンジンをかけ、出発する。バックミラーに映る母は、いつまでも手を振り続けていた。

 このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

 

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大阪、国際業務部勤務 最終日

 

 さて、今日は私の国際業務部での最終出勤日である。

 私は、意を決して取手に最後の挨拶をした。「あなたから本当に多くのことを学ばせていただきました。ただ、すべて反面教師としてでしたが。」

 夕方、部長室に呼ばれた。「山本、ご苦労さんだったな。お前にとっては、赤子の手をひねるより簡単な事案だったな。」と、田村部長は穏やかな口調で続けた。「さて、取手だが、あの貿易実務経験と知識、そしてお客の懐に入るその能力。このままつぶしてしまうのは忍びない。そこで、西日本トップクラスの実績を誇る山口県の門司港支店の課長代理として、君と同じ4月1日付けの人事異動にかけることにしたよ。山本、それでいいな?」 

 「もちろん、異議はございません。」と私は答えた。

 「そうか、これで君もいよいよ東京支店への異動だな。君の業務は全て、同期の吉富に引き継ぐ。あいつは、こっちでしっかり鍛えるから安心しろ。」

 「わかりました。よろしくお願いします。」と私は言った。

 「ところで、壮行会はどうする?伊丹空港か?大阪駅か?」

  国際業務部には転勤者を駅や空港で見送る(そこで胴上げされる)慣例がある。

 「いえ、東京にはバイクで行くことにしますので、壮行会はなしでお願いします。」
 「バイク?東京まで?」 「ははは、いかにもお前らしいな。」
 「わかった。独身寮にはバイクぐらい停めるスペースはあると思うが、寮長の小笹に私からもよろしく言っておく。小笹は若いが、東京支店をすべて把握している。きっと君の力になってくれる。」
 「山本。改めて言わせてもらう。3年間よく頑張ったな。」田沼部長が言った。

 「ありがとうございます。東京支店では必ず成果を上げて見せます。」

 花束や餞別の品のネクタイなどを両手いっぱいに抱え、国際業務部の全員が見送る中、エレベーターに乗り込んだ。今福課長が、「では、山本君の前途を祝して『バンザーイ!』『バンザーイ!』『バンザーイ!』」と声を上げた。最後のフレーズは、エレベーターのドアが閉まると同時に音が途切れた。

 大阪市西区にある独身寮の部屋はすでに片付けを終え、部屋の鍵は寮母さんに返却済みである。3年間、おいしい朝飯や夕飯を作っていただき、感謝の気持ちでいっぱいだ。

 今日は、和歌山市関戸の、実家に帰る。1週間後の4月1日木曜日が東京支店の初出勤日である。

 

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善か悪か

 

 ワールドシーフードの原塚社長は言った。「関西貿易から営業攻勢があってな、為替相場を50銭優遇するから、大阪貿易から取引を移してほしいって頼まれたんだ。でも、大阪貿易さんとは長い付き合いだから、簡単に関西貿易に取引を移せないって返事したんだよ。」

 その話を聞いた取手は、感激した様子で「社長、ありがとうございます。このご恩は必ずお返しします」と言って、「私の力で、輸出者の輸出タイミングをできるだけ早めます」と約束したんだよ。私は、そんなことが本当にできるのか半信半疑だったけど、驚いたことに、L/Cが発行されるやいなや、すぐに船積みが行われ、書類もすぐに日本に届くんだ。取手さんが一体どんな裏技を使っているのか、こっちが聞きたいくらいだったよ。

 

 一つだけ、取手の悪知恵が冴えていた点をあげるとすれば、信用状番号(L/C)番号を正規に取得していたことである。これは、貿易実務者間の便宜扱いを悪用したもので、具体的には、元住銀行の国際部に電話して、発行予定である信用状について、あらかじめ、L/C番号だけを先行して採番してもらう行為である。

 こうして、取手の不正の動機と手法が明らかになった。私はここ最近の当社のL/Cの発行日、船積期限、実際の船荷証券の日付、そして輸入代金決済日などの不自然さを表にまとめ、下谷次長と田沼部長に報告した。

 

 田沼部長は椅子を180度回転させ、窓を見つめながらつぶやいた。「完全に黒だが、厳罰には処せぬ…か。」

 

 私は部長室を出て、取手に声をかけた。「取手さん、部長と次長が呼んでますよ。」

 

 「お、今期も俺様の人事評価がまたまた「S」で、人類未踏の記録達成って内示かな~。ウピピ~。」

 小一時間して部長室から出てきた取手は別人のように、正気を失っていたが、誰も声をかけられずにいた。

 

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犯人はやっぱり…。

 

 9月中旬のある夜、私は国際業務部の営業室で残業をしているふりをしながら、急ぎではない輸入案件の依頼書をタイプライターで打っていた。
 時計はすでに午後8時。営業室内に残っているのは、私と取手の二人だけだ。

 「お~い、山ちゃん。残業なんてしちゃって、まさか、社長の座を狙ってるんじゃないか?ウピピ!」
 「取手さんこそ、毎日遅くまで残ってるみたいですね」
 「そうよ、俺様クラスになると、期末に向けて個人目標を達成するために万全の準備が必要なわけよ」そう言って取手はFAXに向かい、発信ボタンを押すと、「さて、小便だ、小便」とつぶやきながら部室を出て行った。

 私はすぐに席を立ち、FAXの前に駆け寄った。そこにはワールドシーフード社の輸入信用状発行依頼書の顧客控えが残っていた。しかし、発行日や船積期限、元住銀行の受付印はすべて偽造されていた。ワープロで作られた日付の紙が上から貼られ、その境目は白色の修正インキでごまかされている。

 取手が戻ってきたところで、「取手さん、お先に失礼します」と言って、私は部室を後にした。

 翌日、私は下谷次長に昨日の出来事を簡潔に報告したうえで、本店営業部のワールドシーフード社担当者に連絡し、原塚社長とのアポイントを取ってもらった。

 その後の展開は、意外にもあっさりとしたものだった。

 

 

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大阪最後のミッション
 

 しばらくの沈黙のあと、田沼部長が口を開いた。

 「話は変わるが、東京支店への異動までの間に、君にお願いしたい事案がある。少し機微なミッションだが、ここにいる4人限りの事案として扱ってほしい。」
 そう言うと、下谷次長がA4サイズの書類を数枚、私の前に広げた。それは、元住銀行が受信した国際通信機器SWIFT(スイフト)の電文だった。

Applicant: The World Seafood co.ltd.(through The Osaka Trading co.ltd.)
Beneficiary: The Eastan Asia Seafood Trading Company

We exporters are arranging shipments based on the L/C issued by the applicant. Interestingly, while the L/C number received via fax from the importer matches, the issue date and latest shipment date differ from those on the actual issued L/C. As a result, the settlement is significantly delayed beyond expectations. We request an investigation into this matter.
 

<要約>
輸入者:ワールドシーフード
輸出者:東国海鮮貿易公司

私たち輸出者は、輸入者が発行依頼したL/Cに基づき船積みを行っています。しかし、輸入者からFAXで送られてくるL/Cの番号は一致しているものの、発行日と船積期限が、実際に発行されたL/Cのものとは異なっています。そのため、決済が想定以上に遅れています。調査をお願いします。

 「ワールドシーフード社ですか。確か、ウニやナマコ、サザエなど、付加価値の高い水産物を輸入している会社で、取扱高も収益面でも、当社に大きく貢献している企業ですよね。」私はそう言った。
 「その通りだ。」下谷次長が続けた。「だからこそ、当社への海外からの疑義は見過ごすわけにはいかない。」
 「山本、しっかりと真実を確認してくれ。これが、ここでの君の最後のミッションだ。」田沼部長は、強い口調で私に告げた。

 

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内示

 

 「それでな、4月1日付けでお前には東京支店に異動してもらう。」上釜副部長が話を続けた。

 「東京支店…ですか?」思わず私は聞き返した。
 大阪貿易の東京支店。東京都中央区京橋の東京生命ビルの7階にある。

 

 

 東京支店は「エリート集団」として社内の評価も高く、実際、東京支店経験者の多くは、その後、国際業務のスペシャリストとして、社内各所で活躍している。

 東京支店は、取締役店舗で、今の支店長は創業家系の松岡支店長だ。この人の評判は、一言でいえば、「石橋をたたき割って、わたらないタイプの人間」で、極めて保守的との噂だ。

 
 田沼部長が重々しい声で言う。「今、東京支店はかなり厳しい状況だ。バブル崩壊の影響もあって、ほぼ瀕死の状態にある。それだけに、お前に大きな期待をしているんだ。」
 一瞬の沈黙の後、上釜副部長がニヤリと笑って、「やる気のあるバカは使えないが、やる気のないバカは使いようがある、ってな。」と軽く冗談吹いた。
 

 「安心しろ。すでに社内のエース、小川を次長として送り込んでいる。お前は小川とタッグを組んで、特命班として徹底的に東京支店の外為取引を立て直してこい。期限は4年だ。」

 

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まさか…、母が…。

 

 平成2年度の入社希望者の中で、不合格の話が出たのは君だけだったよ。ただ、林専務が「一人ぐらいなら、全員合格でもいいだろう」と言ってくれたおかげで、君は最終面接に進めたんだ。上釜副部長がまじめな顔で言った。

 ああ、だから最終面接のときに林専務は私に、「君が山本 直太郎か…。」と呟いたのか。専務はその後、「うちには上海支店や香港支店もあるから、将来行ってみるといい。きっと勉強になるよ。」と続け、やさしく私を諭してくれた。

 同時に、大学4年の春のある光景が突然鮮明に蘇った。

 「あんた、就職どうするつもり?」母が心配そうに問いかけてきた。
 「大阪貿易を受けてみようかと思う。今は超売り手市場だから、大丈夫だと思うけど。」
 「大阪貿易ねぇ…。そういえば、この間の高校の同窓会に来てた林さんって人、あそこの会社の役員だとか言ってたわね。確か、名刺をもらったと思うけど…。」




 まさか、母が林専務に「息子の就職、よろしくお願いします」なんて電話でもかけたのか…? 私の頭は、一瞬混乱に陥った。

 

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【続・悲報】「お時間」長すぎ

 

この会社にガバナンスは、無い。ように思う。
CB650R。いい季節に乗りたかったなぁ。

 さて、2024年
6月6日の公式発表にさかのぼる。
 6月6日時点「依然、
生産に遅れが生じております。現在、早期の生産遅れ解消に向け鋭意対策を講じており、生産再開の時期についても精査しております。」
 

 これは、本当だったのか。クローズドサーキット用の試乗車をパラパラ作っていただけではないのか。「鋭意」って、正気か

 「この生産遅れに伴い、2024年
6月13日(木)に発売を予定しているCBR650R E-ClutchならびにCB650R E-Clutchにおきまして、発売日までの製品のお届けが出来ない見込みとなっております。」「うーん、1か月、2か月遅れ?いつになるのかな?」

 

 次に2024年の7月1日の公式発表である。
 「
生産能力を上回るご注文をいただいている」

 本当に、ご注文に対する生産を行っていたのだろうか? 
 「一日も早くお客様に製品をお届けできるよう。
引き続き最大限の努力をしてまいります」
 そんな出来もしない、現場にも指示しない、美辞麗句を
しゃぁしゃぁと公式に宣える、あなたは本当にすごいよ。

 お待ちいただいているお客様におかれましては、お届けまでに
お時間がかかり多大なご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
 「お時間」て、半年間のことを言ってるのか。お店で「少々お時間をいただきますね」て、半年待たされるんか?

 一日も早く製品をお届けできるよう
引き続き最大限の努力をしてまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 はい、いただきました、この会社の常套句。全然いいんです。半年遅れようが、1年遅れようが。でも、「
、同然」はダメです。やるやる詐欺と一緒ですよ。これを止められない組織もホントにダメ。勇気をもって「それはダメです」といえる人間がいないのが、この組織の最大の問題。

 結局、某車メーカーの、
いたましい事故が起きたのと構図は一緒。自動車やバイクなど人の命に係わる商品を売っている会社は、情報を隠蔽してはダメ。できるだけ、正確で、誠実な情報を伝えないと。

 結局、2024年9月19日。「
ご愛用の皆様には、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。」本音駄々洩れ。愛用していない注文だけ野郎なんぞ、知るかボケ。だよね。そりゃ、そうか。

 2025年。夢がかないますように。現場や開発の人は絶対に悪くない。どうしようもないのは一部の上の人間。どこもそう。 

 

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林専務

 

 「ところで山本、お前、林専務のこと、覚えているか?」と、副部長が問いかけた。
 「はい。入社の際、最終面接をしていただきました。」
 「そうだ。その林専務が、今度の株主総会で勇退されることになった。実はな、なぜかお前のことを気にかけていたんだよ。今回の異動についても、心配されていた。」
 そう言って、副部長は手元の資料を取り出しながら、
 「お前、二次面接での筆記試験、覚えているか?」と、さらりと尋ねた。
 「ええ…確か、時事問題と貿易関連の英単語の試験でしたよね。」
 「その通り。そして、小論文もな。ちなみにお前、時事問題も英単語も、……見事に0点だ。」
 副部長はクリアファイルから一枚のコピーを取り出し、私の前にそっと置いた。

<小論文>制限時間20分


(テーマ)あなたが大学で最も力を入れたことや、他人より優れていることについて述べなさい。

 そこに書かれていた文章は「ポエム」よろしく。しかし、その字の汚さは、読む者の気力を一瞬で削ぐほどのひどいものであった。

 『私は大学の4年間、ほとんど学校に行きませんでした。徳意なことはオートバイのそうじゅうです。高野山の峠あたりでは“最速の男”と呼ばれていました。また、大型二輪免許(限定解除といいます)に合格しました。この試験は非常に難しく、司法試験に次ぐ合格率の低さと言われています。社会人になったら、安全運転を心がけます。よろしくお願いします。』

 下谷次長は、横から私の小論文を覗きこむ、苦笑を浮かべてこう言った。「これ…中学生の作文か?」
 目の前に座っている田沼部長は笑いをこらえきれず、「いやいや、中学生に失礼だろう」と言いながら、タバコに火を着けた。

 

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私の CB650R e-clutch は、納車遅延中です。

 

3年経過。「ぼちぼちでんなぁ」

 

 1993年3月初旬。夕暮れの会議室で、私は個人営業成績のグラフを眺めていた。入社して3年が経とうとしているが、この2年半の上下期5期間、100%の目標達成は一度もない。今期も、おそらく達成率は70%にも届かないだろう。そして、6期連続の人事評価「B」がほぼ確定的だ。

 そのころ、大阪もバブル崩壊の余波を色濃く受け始めていた。1980年代後半に膨らんだバブルは、1990年初頭の日銀の金融引き締めによって、不動産や株式市場が急落し、ついに崩壊。影響は大都市だけでなく、地方にも広がっていた。

 「お、ここにいたのか。」下谷次長が会議室のドアを開け、声をかけてきた。「山本、ちょっといいか?」 私は次長と共に部長室へ向かった。田沼部長は応接セットのソファに座り、その隣には人事部の上釜副部長がいた。私と次長は、長椅子に腰を下ろした。

 上釜副部長が、ちらりとこちらを見ながら口を開いた。「どうだい、仮面ライダー。楽しくやってるか?」 私は少しムッとして、「ええ、ぼちぼちでんなぁ~すか。」 「相変わらずバカ丸出しだな、お前は。」副部長はため息をついた。

 

 

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