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cb650r-eのブログ

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Nakanoshima Qrossに行く前に

 

料理が運ばれたとたん、井村さんが口早にしゃべりだした。

「じゃ、Nakanoshima Qrossに行く前に、日本の創薬ベンチャーがなぜ苦戦してるか、5つだけ覚えといてね。」
指を折りながら、テンポよく語りはじめた。

1.資金調達の壁
創薬って、ざっくり言うと10年・数十億円コース。しかもリスク高め。そんなものに喜んで投資したがる人、日本にはあんまりいない。
 

2.経験値の乏しさ
臨床とか薬事とか、ガチ勢が少ない。外資系で鍛えられたタフな人材も、なかなかベンチャーには来てくれない。


3.「出口」が見えない
M&AやIPOっていう"出口戦略"が見えないと、投資家は怖くて入れない。でも日本はM&A文化がまだまだ薄味。
 

4.制度が……うーん
規制多い。支援制度は悪くないけど、欧米に比べたらエコシステムが未発展。
 

5.研究とビジネスの断絶
研究はすごい。でもビジネスになるとからっきし。大学発ベンチャーほど、この橋渡しが苦手。

「なるほど、超わかりやすいです!」
彩が目を輝かせた。

 
このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

森君が指差す先には…。

 

森君はにこにこと笑って、言った。
 

「ほら。山ちゃん、見てごらんよ」

指差す先には…。




「高山植物。確か、『ミヤマキリシマ』とか言ってたな。」と森君。

 

「あぁ。」

 

「きれいだろう。」と森君

 

「そうだね。」

 

森君は、ちょっと真顔になって言った。

「べつに、速くなくてもいいじゃん。自分が楽しければ。」

「まさに、そうだね。」

 

「俺は今から、K-1に行ってくるよ。山ちゃんはどうする?」

 

「俺は、床屋に行って、白髪染めでもするよ」

 

そういって、森君とは別れた。

 

「相変わらず森君は、きれいなライディングフォームだなぁ」そう言いながら、俺はCBと帰路に就いた。

 

 

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久々の再会

 

「わ〜、彩ちゃん、久しぶり! すっかり立派になって!」
店に入るなり、井村さんが笑顔で声をかける。

「いえいえ、まだ国試前のひよっこ学生です(笑)」
「でももう臨床研修始まってるんでしょ?」
「はい、今日は大阪北病院で手術の見学をしてきました!」

「キャ〜、こわ〜い!」
井村さんが大げさに肩をすくめ、テーブルが和んだ。

「彩、大阪北病院は、この井村さんが建てたんだぞ」と、俺は真顔で言った。

 

「いやいや、ちょっとコンサルしただけですって。」

井村さんが、照れ笑いしながら手を振った。

 

「でもなぁ、あの案件は大変だったよなぁ……。」

俺は、しみじみと言葉を継いだ。

 

テーブルに、ほんの少し静かな間が落ちた。

 

そして井村さんが、ぱっと空気を切り替えるように言った。

「さ、料理頼みましょ。えっと……田舎風パテに、岩ガキ、ボルシチ、フィッシャーマンズ・サンド、あと桜エビとアスパラのパスタ、どう?」「全部、いきましょう!」

 

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K-3(上り編)。

 

天気は上場、だったのだが。
ただ、昨日の雨の名残が木陰の路面にまだ残っていて、一部が濡れている。
しかも、さっきから薄霧が湧いてきて、前がちょっと白んで見える。いかにも「無理すれば事故るぞ」って雰囲気だ。

CB650R e-clutch は、優れたマシンだ。特にコーナリング性能は抜群で、思い通りにしなやかに曲がる。
ただし——それは“上手い人”が乗った場合の話だ。
俺みたいなリターンライダーが、力任せに操ろうとすると、CBは「知らんがな!」とでも言いたげに挙動を乱す。

上りのヘアピンカーブ。立ち上がりでアクセルを開けた瞬間、リアがほんのわずかにスライドした。
ますます、アクセルワークが委縮する。

 


頂上の展望台で、森君が腕を組んで俺の方を見下ろしている。
相変わらず背筋がまっすぐで、あいつの乗る姿勢そのものだ。

ようやく辿り着いた俺に、森君が近づいてきて声をかけた。

「山ちゃん、俺、安心したよ」

「何が?」

「山ちゃん、普通のおじさんツーリングライダーになったんだね」

一瞬、返す言葉が見つからなかった。
“攻めた”つもりだった。俺の中では、あれでも今できる精いっぱいのライディングだった。
でも、森君の目には、ただののんびり峠を流す“おじさん”に映ったらしい。

「……」
俺は黙ったまま、メットを脱ぎ、顔に当たる風を感じた。ゴールデンウィーク明けにもかかわらず、ここに吹く風は冷たい。

森君はにこにこと笑って、言った。

「ほら。山ちゃん、見てごらんよ」

指差す先には…。

 

 

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Nakanoshima QrossへGO!


5月下旬、日曜日。
初夏の陽光が、街をやわらかく包み込んでいた。
「ねえお父さん、『Nakanoshima Qross』って知ってる?」
娘の彩(医学部5年)が、唐突に話しかけてきた。
 

「中之島の? ああ、医療介護コンサルタントグループにいた頃、名前だけはよく耳にしたな。たしか担当は井村さんだったような……。何かあったのか?」
「実地研修の一環で、見学に行くことになったの。施設の中をざっと見るだけだけどね。」
「ああ、そうか。たしか『未来医療推進機構』が運営してるんだよな。理事長は、阪大の名誉教授の澤先生だったっけ。」
「だからさ、行く前にちゃんと話を聞いておきたくて。井村さんにお願いできない?」
 

即、連絡。
かつての戦友・井村さんとは、翌日の月曜、会社近くの多国籍料理店「HARBIN」で落ち合うことになった。

 

 

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K-3(下り編)。

 

頂上の展望台に森君を残し、俺はひとり、K-3を下っていく。
強いて言えば、俺にとって CB650R e-clutch は、「下り」のほうが神経を使う。

この道を走るのは今回が初めてだ。上っては来たものの、下りとなると話は別。
CB650R e-clutch のメーターに目をやると、ちょうど「3,000km」を超えたところ。
新しい相棒にも、ようやく“慣れてきた”と言っていいかもしれない。

このバイクのコーナリング性能が優れているのは間違いない。
しかし、下りの連続ヘアピン……そんな場面は、俺には記憶がない。

同じようなカーブが、左右交互に飽きもせず襲ってくる。
「コースを覚える」という感覚もない。ただ、目の前に現れるカーブを一つずつ、なんとかこなすのみ。

 


「ちょっと楽しくなってきたかも」
そう思い始めた頃には、もう麓の神社前の駐車場に着いていた。

老眼鏡なしで新聞を読む——そんな、ラストトライに向かう。
俺は CB を K-3 の頂上に向けて、再び走り出した。

 

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今回はセーフ?

 

週明けの月曜日、昼近くになり、いつものごとく千﨑部長の席に報告に向かった。

「黒豚は旨かったですか?」部長はいつものように書類に目を落としたまま言った。
「はい、とても旨かったです。」
「正直ですねぇ、副部長は。」千﨑部長が答える。
 

それから俺は、法人クレジットカードの利用明細を自信をもって庶務の樫本さんに提出した。内容は、いつものようにJRのチケット代やホテルの清算などだ。その最後の一枚が、あの「あぢもり」の明細だったわけだが。

樫本さんが最後の一枚の金額を見て、微笑みながら言った。

 


 

 

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世界一の味、再現なるか。

 

自宅に戻るや否や、俺は手土産の「元祖 吉田屋の軽羹(かるかん)」を妻・華に手渡し、
「それでさ、黒豚のしゃぶしゃぶがさ! 出汁がさ! 卵がさ!」
と、鹿児島での興奮をそのままぶつけた。

華はというと、軽く受け流しつつも、俺の話に「ふーん」と相槌を打ちながらスマホで何かを検索している。

「はい、あった。“あぢもり風しゃぶしゃぶ”のレシピ。作ってみようか」そう言って、夕食の食材の買い出しに出て行った。


【我が家の“あぢもり風”黒豚しゃぶしゃぶスープ】※2~3人前目安

水 1000cc
日本酒 200cc
みりん 100cc
醤油 20cc
塩 大さじ1
だしの素 大さじ1
昆布だしの顆粒 大さじ1

これを鍋に入れて火にかけ、和風ベースのスープが完成。
スープにくぐらせた豚肉を、生卵に絡めて食べるのが“あぢもり流”。

【具材たち】
豚肉(黒豚じゃなくても全然OK。財布と相談)
焼き豆腐
シイタケ
ごぼうのささがき(我が家のオリジナルアレンジ。ピーラーでスライスすれば楽チン)
生卵(人数分)
〆はやっぱり、うどんでキメる。

 

で、肝心の味だが──
「うん、けっこう美味い! けど……あの味かと言われると……うーん?」
旅の記憶は美化される。
鹿児島で食べた“あの感動”は、きっと黒豚の魔力だけでなく、雰囲気とか、森伊蔵とか、全部込みだったのだろう。

とはいえ、家庭でつくる「それっぽいしゃぶしゃぶ」は、これはこれで充分うまい。
※あくまで“オマージュ”です。バカ舌の俺には、オリジナルの味が再現できてるのか、さっぱり分かりません。
あなたの家だけの“しゃぶしゃぶストーリー”を作ってみてください。

 

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ここにも世界一が。

 

そうこうしているうちに、話もお酒も進み、テーブルの空気はすっかり和やかに。
難しい話はひとまず横に置いて、ただ美味いものを一緒に食べて、笑い合う。これぞ大人の懇親会の真骨頂だ。

少し開けた窓からは、鹿児島の夜風がふわりと入り込む。冷たすぎず、心地よい。水流さんが口を開いた。

「いやあ、いい時間になってきましたね。今夜はこのへんでお開きにしましょうか」

黒豚に森伊蔵、語らいに笑い。すべてが絶妙なバランスで混ざり合った、鹿児島の夜。
こうして、初日の「鹿児島ナイト」は、満腹と満足で幕を閉じた。

店を出る際、水流さんと宮原さんがそろって言った。
「ごちそうさまでした。いやあ、本当に有意義な一日でした」

「いえいえ、あの知見あふれるセッションの謝礼だと思えば、安いもんです」と俺。

タクシーに乗り込み、目指すは今夜の宿「城山観光ホテル」。
シートに沈みながら、スーツの内ポケットから法人カードの利用明細を取り出して確認する。

うむ、これなら大丈夫。
これなら樫本さんも、「今回はセーフですね」と、うなずいてくれるに違いない。
俺はひとり満足気に、夜の車内で悦に浸った。

ホテルのエントランスでは、フロントスタッフが丁寧に迎えてくれた。
チェックインの手続きをしていると、ひとりの男性が近づいてくる。名札には「支配人 田島」とある。

「山本様、ようこそお越しくださいました。千崎部長には、以前たいへんお世話になりまして」

「そうなんですか。それはそれは……」
話しながら、田島さんの案内で同じフロアのエレベーター前に移動した。

「突然ですが……2023年のメジャーリーグ、大谷翔平選手の“兜セレブレーション”って、ご存じですか?」

「もちろん知ってますとも!」と、つい語気を強める俺。

「実はこちらに展示している兜、あれを製作したメーカーさんの作品なんですよ」


 

目の前に置かれた立派な兜。重厚な存在感が漂い、間近で見ると、まさに芸術品だ。

「……こりゃ、すごいな。見事な造形だ」

旅先で思わぬ“大谷グッズ”に出会った気分だった。

翌朝、ホテルをチェックアウトし、鹿児島中央駅から新幹線「さくら」に乗って、再び大阪へ。

座席に落ち着いたタイミングでスマホに通知が入る。

《お土産はカルカンよろしく。絶対に》

……妻・華からのLINEだ。
はいはい、分かってますよ。「元祖 明石家」の軽羹ですよね。

そんな鹿児島の二日間を胸に、俺は新幹線の窓の外を見ながら、次の視察地に思いを馳せていた。

 

 

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豚しゃぶ世界一決定!

もちろん個人の感想です

 

予約の時間ぴったりに、「元祖 黒しゃぶ 黒豚料理 あぢもり本店」に到着。外観は落ち着いた佇まいで、暖簾の先から味への自信が漂っている。

「ここが、黒豚しゃぶしゃぶの元祖ですよ」と宮原さんが笑顔で案内してくれる。

「水流(つる)さん、この卵は……雑炊用ですか?」
テーブルに並べられた卵を見て、俺はおずおずと聞く。



 

「いえいえ」と水流さんがニヤリ。
「これが“あぢもり流”なんです。特製の和出汁スープにくぐらせた黒豚を、生卵にからめて食べるんですよ。いわば “すき焼き風 ゃぶしゃぶ”っていったら店に失礼かな」

なんという贅沢な発明だ……! それ、絶対うまいに決まってる。

しかも今日は特別に、あの幻の芋焼酎「森伊蔵」を持ち込みでご用意とのこと。

「大阪の方って、芋焼酎は飲まれますか?」と宮原さん。

「もちろん飲みますとも。いや、飲ませていただきます」




「ちなみに鹿児島では、“お酒”って言ったら基本“焼酎”のことを指すんです。日本酒が飲みたい時は“清酒ください”って言わないと、焼酎が出てきちゃいますよ〜」と水流さん。

なるほど。文化の違いって、こういうところに出るんだなあ。

そんな話をしつつ、早速しゃぶしゃぶ開始。和出汁のスープに、サッとくぐらせた黒豚を生卵にトロリ……。

……うまい。なんだこれは。
脂が甘い、でもしつこくない。すき焼きよりも軽やかで、しゃぶしゃぶよりもコクがある。

そこへ森伊蔵のロック。これがまた、舌にじわっと広がって、黒豚をまるっと受け止めてくれる。この組み合わせ絶妙だなぁ。


「これは……いくらでも食べられますね……」とつぶやくと、
「それが危険なんですよ」と宮原さんが笑う。

 

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