ふと思い出したエピソードなのです。
2012年1月10日とメモにはありましたので、断酒を始めてからちょうど2か月たった日の事です。
滋賀県の例会に連れて行ってもらいました。朝の例会で、その日に限って会場が休みということで支部長の自宅で例会をしました。琵琶湖の湖畔の旧家で、佃煮屋さんだったのです。例会が終わってその店でお土産でも買おうかと見ていますと、鮒寿司がありました。熟れ寿司ですから独特の発酵臭があり好き嫌いが別れる食べ物です。
私は好物だし、土産物屋で売っているのよりだいぶ安かったので、迷わず買いました。連れて行ってくれた先輩は珍しそうに「鮒寿司食べるのか」そう言いました。(その人は滋賀県出身なので他府県の人で鮒寿司を好むのを珍しく思ったのでしょう)それから、一度別れたのですが夜また出会った時、「鮒寿司で酒飲むなよ」そう言われました。
そこではたと気が付いたのですが、私が鮒寿司を好きなのは酒の肴として好きだったのでした。思わずどきまきとしました。実際おいしいと思っているものは酒を前提とした評価だったのです。食べ物の価値観が酒を基準にできていることに思い至ったわけです。
横線で区切った範囲は、その1年後にブログに書いた記事です。
断酒を始めて2か月目と言うのは本当にまだ断酒するためにはどうしたらいいかがわからない時期です。食べ物の好みと言ったごく日常的な物にも酒の影響が色濃く反映されているという事に気がついた、という事なのです。
食事の献立と言うごく日常的なことでも酒を前提として、組み立てられている生活を、酒なしを基本としたものに組み替えなければいけない、それをして行かないと、生活を楽しむこともできないし、また何気ない所で、飲酒欲求がいきなり表れて足をすくわれる、と言う危険を排除しておく必要があるという事ですね。
断酒継続の時間が長くなればなるほど、酒が遠ざかるのはその通りなのですが、その時間の間にこのような気付きなどの積み重ねがあるから酒が遠ざかっていくという事でしょう。