日本でも有名なロマンチック街道。
どうも、夫の暮らすストットガルトからそんなに遠くないようなので行ってみることにしました。
500キロに渡る全行程を行くのではなくて、その中から興味を惹かれるところを2、3箇所選んだ一泊旅行です。サンクスギビングの後の金・土の休みを利用しました。
最初に向かったのは、バート・メルゲントハイム。
なぜここに惹かれたのかというと、ここにはドイツ騎士団城があるからです。
十字軍を起源とする修道騎士団。その城が築かれて街が栄えたのは1525年から1809年だそう。
そして羊飼いが偶然発見した温泉(1826年)によって温泉保養地として有名になったそうです。
私は昨年、フランスから北スペインの聖ヤコブの墓へと続く巡礼路を歩いたのですが、その巡礼路をゆく旅人を守った十字軍に親しみと興味を抱くようになり、この城もぜひ訪れてみたいと思ったのです。
家から車で走っていると、なだらかな丘は遥かかなたまで畑になっていて、よく見るとそれは葡萄畑でした。
この地域はフランケンワインという美味しいワインが有名なのだそう。
鼠色の空に、冷たい雨がパラパラと降る天気の中、家から1時間半ほどで到着。
可愛らしい木組の建物が並び、店の看板がどれもとても素敵。
旧市街の真ん中にはマルクト広場があって、野菜や花などを売っていたようなのですが、雨のせいか店じまいしているところでした。
城を囲む堀にかかる橋を渡ると騎士団の城の周りは広い公園になっていました。
見覚えのある十字軍のマークが端にはついています。
雨が降っているのと、平日なのと、シーズンオフなのとで、観光客はあまり見当たりません。
公園を歩いていくと、温泉施設のあるクアパークにつながっているとガイドブックで読んだので地図を見ながら散策したのですが、ホテルと病院は見かけたのですが、温泉プールのあるところが見つけられませんでした。
雨も冷たいし、街の中心に戻ることにします。
騎士団城の目の前のこぢんまりした家にはベートーベンに関するプレートがついていました。
後から知ったところによると、あまり有名出なかった頃のベートーベンが住んでいた家だとのことでした。
クリスマスの飾り付けのされている街は12月に入れば、クリスマスマーケットも始まりもっと賑やかでキラキラした様子になるのでしょう。
ただ、これといって惹かれるお店もなく、お腹も空いていなかったので
騎士団の雰囲気だけ堪能して、次の街に移動することにしました。
ヒーターの効いた車でホッとしてドライブを進めると、青空が広がってきました。
緑の丘に、オレンジ色の屋根の村のある風景はまるでパステルで描かれたメルヘン画のようでした。
車でドライブをする他にもサイクリングやハイキングでロマンチック街道を旅する方法もあるそうです。
爽やかな夏の日に、どこまでも続く緑の丘の連なりを眺めながら、時々現れる中世の頃から変わっていない村に入ってゆき、ビールや食事を楽しむ旅はきっと素敵だろうなあと思いました。
この次はローテンブルグという街に向かいます。