特別休暇命令
少年クラウスの淡い初恋も見られます。「エロイカより愛をこめて」6巻 に収録
あらすじ
アラスカから戻った少佐一行。
しかし情報部長と経理部長と人事部長は少佐の過激な行動に
頭を悩ませていた。そこで3人で話し合った結果、少佐に
無理矢理休暇を取らせ、かつ「家庭を持てば行動も落ち着く
だろう」という事である陰謀を企てる。
強引に取らされた休暇も実は任務ではないかと少佐は疑い
素直に従うが・・・。
少佐の少年時代や父親、若き日の執事さんも見られる
お得な番外編であります。
舞台となる国
ドイツ
エロイカの収穫
・伯爵の出番はありません。
個人的に選んだ名セリフ
「さすが鉄のクラウス」(KGBエージェント「緑のたぬき」)
「ええいまだやっとんのか。早くやっちまえぐず!」(少佐)
「クラウスにいうぞ!」(少佐のギジナジウムの同級生)
「クラウスは揚げたジャガイモが大好きなのね。」
(シスター・テレサ)
「姿が見えなくなるまでしばらく禁煙だな
かわりにイモでも食いながら行くか
鉄のクラウスにしてはつまらん図だが
イモはあったかいうちがうまいんだ・・・・・・・」(少佐)
【ひとこと】
少佐の少年時代と少佐の父親が登場する唯一の作品です。
更には執事・コンラートさんの若き日の姿まで。
そして物語の殆どが少佐の少年時代を描いており、少佐
ファンにはたまらない1作だと思います。
クラウス坊やは子供の頃からヤンチャだったのですね。
そしてなんとびっくり!
少佐の初恋の相手も登場します。
その名は「シスター・エロイカ」・・じゃなく「シスター・テレサ」。
物腰の落ち着いた尼僧であり、ギジナジウムの先生でもあります。
彼女が揚げたジャガイモを初めて食べて以来少佐の一番の
好物となる上、彼のあだ名「イモ・クラウス」も生まれます。
もうファンの間ではフライドポテトといえば少佐なのでは?(私もだ)
この休暇中はKGBのエージェント「緑のたぬき」とその部下が
少佐を見張るのですが、緑のたぬきは実は少佐ファンでは?
さかんに「さすが鉄のクラウス」を連発し、しまいにはKGB本部から
「無能!」とシベリア送りにされて以降登場しません。
ソ連が消滅し、同士「アザラシ」(トルコの旅行代理店社長)など
多数のエージェントたちが転職したようですが、彼は一体
どうしているのでしょうか?
結構服装もおしゃれだし洋品店の店主やってたりして。
「エロイカより愛をこめて」の歴史に行ってみる?
YES
NO
砂漠の女王/星野之宣
文庫版 妖女伝説(1)
に収録
古代から人類・・特に権力者の夢とされてきた「不老不死」を
テーマに星野御大が壮大な物語を書き上げました。
タイトルは「砂漠の女王」。
文庫版だと「妖女伝説」の1巻の冒頭に収録されており
この「妖女伝説」シリーズの代表的存在でもあります。
始まりは紀元前のクレオパトラの時代。
ローマがエジプトを侵略しようと戦いを挑んできた事から
女王の自殺まではとても有名な話なのですが、星野氏は
ここで彼女を死なせたりなどしません。
女王・クレオパトラに永遠の命を授けてしまうのです。
エジプトがローマによって侵された時、女王は大神官ソロンの
元を訪ね、「バア(魂)転生」の秘法を自分にかけて欲しいと
頼みます。
彼女はコブラの毒薬を渡され、一度死ぬこと。死ぬことで
抜け出た魂が転生の秘法の祈祷が始まると言われます。
更に
「黄金の鎖で縛られローマに連れて行かれる運命」
だけはどうしても降りかかる事になる・・・と。
そして彼女は毒薬を飲みクレオパトラは自殺した事になり
「バアの転生の秘法」が始まりました。
次の舞台は西暦30年。
彼女はガリラヤ王女「サロメ」に生まれ変わっていました。
クレオパトラの落ち着いた物腰とは違い、サロメは天真爛漫で
男勝りのところもある美しい少女です。
その少女の心にクレオパトラはいるのです。
「サロメ」が前世を思い出したとき、彼女はクレオパトラと
なるのです。
その時彼女が誓ったローマへの復讐が始まります。
そんな彼女が出会ったのは演説をする預言者ヨハネ。
その彼を捕らえた後に出会うのがイエス・キリスト。
彼女はキリストと対抗しながら同時に彼を恐れます。
そしてその恐怖心を虚勢を張って隠すと共に
彼に引かれていくのです。恐怖を感じながら・・。
そんな彼女とキリストとの対話には戦慄を覚えます。
何に対して・・・かというと、キリストに対してです。
彼の正体とは・・・はっきりとは描かれていないのですが
推測すると身震いがしてきました。
彼女はイエスによって狂い、イエスを殺した後彼を
信仰する者により刺され倒れます。
この事件はエルサレムという国が消滅するきっかけにも
なりました。
クレオパトラは自分を裏切ったユダヤ人であるヘロデ王の
国を消滅させてしまったのです。
ひとつ復讐が果たされました。
しかしクレオパトラの魂はまだ転生します。
宿敵ローマ帝国が残っていますから。
次は3世紀。
彼女は残虐で美しいパルミラの女王・ゼノビアへと転生しました。
パルミラもローマ帝国によって進撃を受けている国でした。
彼女はローマ帝国壊滅に向けて戦います。
まずエジプトを取り戻します。
しかし「金の鎖に繋がれてローマへ連れて行かれる」
という宿命からは逃れる事が出来ませんでした。
更にゼノビアの代になって遂に大神官ソロンの正体も判明します。
ここ恐いです。御大の才能を見せ付けられた場面でもあります。
誰も想像出来ないと思う。これは流石に。
(山岸凉子ファンにはなじみが深いあの人です)
そして舞台は現代へと移ります。
クレオパトラは未だに「生きて」いるのです。
そしてこの呪いを引き継ぐ野望と男たちの血と永遠の命を
望む女を待っているのです。
感想はもう恐かった!
残虐な場面はそうは出てきません。
そういう直接的な恐さではないんです。
バア転生の秘法の恐さ、イエスの恐さ・・
歴史の背景などわからなくても大丈夫です。
歴史的背景や人物たちの関係などは作中で分かりやすく
かつ端的に説明されています。
私が星野作品と初めて出会ったのは実はこの
「砂漠の女王」でした。
あまりにも恐ろしくそして歴史の解釈などが面白く
その後夢中になって「妖女伝説」の2巻を購入。
更に盛り上がり代表作とも言われている「ヤマタイカ 」
をはじめ、他作品を読むようになりました。
特に今振り返ってみても「妖女伝説」から「ヤマタイカ 」の
頃はもう何かが憑いていたような気持ちでした。
カモン!恐怖/しりあがり寿
画像がないので代理で笹子登場
ここまで笑える恐怖モノってないんじゃないかい?
でもね、各話のタイトルだけ見るとそれはそれは怖い恐怖の
世界が待ち受けていると思ってしまうのがまたミソかも。
各話が全てショートショートというのも読みやすくて◎
とりあえず一部怖いタイトルとあらすじを紹介しましょう・・・・。
「予知夢」
まりこが4歳の時枕元におばあちゃんの霊が現れた。
その時から彼女は予知夢?を見てしまうようになった。
「ポルターガイスト」
旦那さんが亡くなった後、この家には不可思議な現象が・・。
「憑きもの」
恐怖の動物霊の話。
「深夜の学校」
亡くなった教授が自分の名前を呼ぶ・・返事をしてしまうと・・!
「呪いの太鼓」
呪いの太鼓を叩くと叩いた数人が死ぬ。恐怖の絵馬を叩くと・・・!
「お松人形」
人形の祟りに「フランス帰りの女心のわかる男」が挑む。・・アレ?
「死後の世界」
都合が悪くなると三途の川に行ってしまうサラリーマンの話・・アレレ?
とまあ、しりあがり寿作ですから(笑)
出てくる霊も笑えます。
まさか恐怖モノで「このあたりの宅急便屋」の霊が
配達予定時刻を言いに来るとか
英語の発音を熱心に学習してしまった霊なんて
作品は他には登場しないでしょうね。
なのである意味キング・オブなオリジナリティ溢れる恐怖作品
じゃあないでしょかね。
カモン!恐怖
おまけ 「しりあがり寿」の華麗なギャラリー
しりあがり寿氏は実に少女漫画な!?絵も描きます。
代表作としてはやはり「ヒゲのOL 薮内笹子」でしょうか。
他にも「白い学ラン」「女装社員薔薇のヴァネッサ 」などや
奥様の西家ヒバリさんとのそこぬけ競作「おらあロココだ」
(ロココには山岸凉子さんの「アラベスク」のパロディもある)
などがあります。
しりあがり氏といえば映画化された「やじきた」シリーズが
有名になってしまいましたが、少女漫画絵?シリーズも
とても濃くて良いですわよ。
ボルジア家の毒薬/星野之宣
「花冠~」読んでたら無性に読みたくなった
「妖女伝説」文庫版の2巻のラストに収録されています。
この「妖女伝説」は伝奇・SF物などで有名な星野之宣氏が
色々な歴史にまつわるエピソードや伝説を御大なりに解釈し
更に発展させた歴史・伝奇のオマージュ物です。
「ボルジア家の毒薬」は花冠と同じ、ボルジア家を題材にした
ミステリアスな歴史ロマンとなっています。
この話にはルクレツィアがかなり重要な位置にいるので
「花冠」での彼女の登場の仕方に物足りなさを感じてしまったん
だろうと思います。
16世紀のイタリア。
ボルジア家が繁栄を極めている時代、チューザレはイタリアを
統一しようという野望に燃えていました。
当時彼の父親は法王であり怖いものなしの状態。
そして彼の妹のルクレツィア。
彼女は傲慢で残虐な兄に翻弄されるか弱い女性。
チューザレに捕らえられ監禁され辱めを受けるが
決して屈さない強さを秘めた闘士・カテリーナ。
この3人を中心に恐ろしい歴史物語が展開されていきます。
登場人物としては同じ題材を扱っただけに、「花冠のマドンナ」と
かなり重複はしますが、こちらはあくまで冷酷に展開されて
いきます。なので対照的な存在です。
この話では毒薬「カンタレッラ」の正体も明かされますが
とてもとても怖い!
そして同時に明かされる淑女・ルクレツィアの正体とは!
たった80ページとは思えない程の濃さと悪女の魅力を
堪能出来るストーリーです。
妖女伝説(2)
余談ですが、山場の場面でのカテリーナの仮面が
福岡名物「にわかせんぺい」に見えてしまった・・
それだけが悲しい。
←これ花冠のマドンナ/さいとうちほ
流れるような可憐で優美なファンタジーでした。
読む前にあらすじの部分をざっと読むと「チューザレ」とか
「ボルジア」「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の文字があり
歴史漫画かなと思ったのですが、彼ら歴史の有名人たちは
あくまで脇役・背景にしてジャンヌ・ダルクをモデルにしたと
思わせられる男装の美少女と王子様というオリジナルの人物
たちが繰り広げる、冒険と宝剣と魔法と恋愛の壮大なファンタジー。
これらのキーワードにむずむず来たら「読むべし」かも。
絵柄はこれぞ少女漫画だぜ!な雰囲気いっぱいなので、
好き・苦手は多少あるかもしれませんが面白かったですよ。
ストーリーとしては16世紀イタリアのボルジア家が繁栄を
極めている時代、ダ・ヴィンチ作の「花冠のマドンナ」という
絵を中心に翻弄されていく人々の物語。
「花冠のマドンナ」のモデルになった少女がまるで
「ジャンヌ・ダルク」のように男装し剣を握って戦い、王子に恋をし
彼女が「選ばれし者」だと自覚して伝説の宝刀を求め旅をし
ボルジア家の妨害を受けても立ち上がり、チューザレをも
虜にし、奇跡を起こして民衆に指示され遂には女性法王にまで
上り詰め・・・・とこれでもかとファンタジー色が強くなってます。
歴史物と思って読むと多少ガッカリすると思うので、あくまでも
チューザレの時代のファンタジーとしてどうぞ。
と、ここであらすじでも。
16世紀のイタリア、郊外で暮らす没落貴族の娘・レオノーラは
半ば強引に領主の弟の元に嫁ぐ事になる。
結婚式の時、白馬にまたがる美男は彼女を見て
「花冠のマドンナ・・・本当に実在したなんて」
とつぶやく。
花冠のマドンナの謎は新居で解けるのだが、彼女が愛されて
求婚されたわけではなく、その絵のモデルの少女の体には
隠された宝剣を探し出す手がかりがあるとされ、その宝剣を
手にした者は王になるという伝説の為だった。
それを知った彼女は逃げ出し、途中長い髪を切り、美しい銀髪を
黒く染めて少年に変装し、この絵の作者であるダ・ヴィンチに
会いに行こうと旅に出る。
道中、結婚式で出会った白馬の青年と再会し、彼がナポリの
王子だと知る。彼は国を再建させる為に「花冠のマドンナ」を
探していた。
・・・という感じで物語が進んでいきます。
チューザレは勿論悪役。妹のルクレツィアもほんの少しだけど
出てきます。残念だったのはルクレツィアの存在が少し
尻切れトンボ気味になった事くらいでしょうか。
チューザレのわかりやすくそして複雑な悪役ぶりも素敵だったし
チューザレ・ボルジアといえばとても有名な毒薬「カンタレラ」も
重要な小道具として登場します。
彼らを素材とした星野氏の「妖女伝説」とはまた全然違う
「剣」と「白馬の王子」と「美少女」と「魔法」の世界を
秋の夜長に楽しむのもなかなかロマンですね。
ところでこれ読んでいて思ったのですが、篠原千絵さんの
絵柄はさいとうちほさんに少し影響されたのでしょうか?
心なしか少し似ていると思いました。(口元とか一部目の描き方とか)
「花冠のマドンナ」 文庫版全4巻 単行本版全7巻
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Last Update:October 14,2005
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