カッサフォルテ犬猫コラム -194ページ目

肛門嚢炎

ワンちゃんやネコちゃんの肛門には肛門嚢と呼ばれる一対の袋があり、よく「魚が腐ったような」と表現される独特の匂いのある分泌物を分泌します。
肛門を時計に見立てて尻尾を12時とすると、だいたい4~5時と7~8時の位置にあり、細い管を介して肛門のところに開口しています。
この分泌物は驚いたときや排便の時に出ます。
ワンちゃんやネコちゃんがびっくりした後で臭かった、なんていう経験はありませんか?
これはびっくしりした時に出たこの分泌物のにおいなんです。
スカンクやイタチではこの肛門嚢が発達していて、かなり遠くまで飛ばすことができます。

中に貯まっている分泌物の性状は様々で、さらっとした液体状の子もいれば、練り歯磨きみたいなものが貯まる子、中に顆粒状のものが混じる子など様々です。
通常は排便の時に一緒に出たり、驚いたときに出てしまったりするのですが、肛門の筋肉が弱い子、内容物が堅めな子、顆粒状のものが混じる子は詰まってしまうことがあります。
内容物がさらっとしている子でも、炎症などで管が狭くなって出なくなってしまうこともあります。
詰まったままで放置しておくと、肛門嚢炎を起こしてしまいます。

肛門嚢炎を起こすと肛門横の部分が腫れて真っ赤になったり、ひどい場合は肛門嚢が破裂して、大きな穴が開いてしまうこともあります。
痛みで元気や食欲がなくなったり、排便しなくなることもあります。

軽い場合は内容物を絞り出して消毒し、抗生物質を投与します。
化膿して中に膿が貯まっている場合、絞っても出ない場合は、切開することもあります。
破裂して大きな穴が開いている場合は化膿や炎症が治まった時点で縫合する場合もあります。
再発を繰り返す場合は手術をして肛門嚢自体を取ってしまうこともあります。

今年は

今年はノミ・ダニが多いようです。
例年だとダニを見ることはそれほどないのですが、今年は既に何件かダニがついた子が来院されています。
去年は海や山に遊びに行った後にダニを見つけたというパターンがほとんどでしたが、今年はいつものお散歩コースやお庭で遊ばせただけなのにダニがいたという例が多いです。

体をかゆがるということで来院され、調べてみたらノミがいたという子も例年よりやや多いように感じます。
いつでも予防は大事ですが、今年は特にしっかり予防していただいた方がいいでしょう。

外耳炎の原因と治療

外耳炎の原因として、耳ダニマラセチア細菌などがあり、原因によって使用する薬がちがうので、原因を突き止めるために耳垢の検査をします。

耳ダニが原因である場合、耳垢を顕微鏡で見るとダニの成虫や卵が見られます。
寄生している数が少ないとなかなか見つからないことがあり、繰り返し検査が必要な場合や試験的に耳ダニに対する治療をすることもあります。
耳ダニはミミヒゼンダニという種類のダニで、耳の中で血液やリンパ液をエサとしてます。
耳ダニによる外耳炎では乾いた黒っぽい耳垢がたくさん出ますが、他の原因の外耳炎も併発していることも多く、耳垢の外観だけでは判断できません。
中には全然かゆがらない子もいますが、激しくかゆがることが多いです。
子犬や子猫に見られることが多く、おそらくはお母さんからうつるのではないかと思われます。外に出るばあいは成猫でも見られることがあります。
治療は、耳の中をきれいにして、ダニを殺すお薬を点耳したり注射したりします。
これらは卵には効果がないので、1週間から10日おきに数回使います。
最近、背中にたらすタイプの薬で耳ダニにも効果のあるレボリューションという薬も出ました。

マラセチアとはカビの一種で、染色して顕微鏡で見るとひょうたん型をしたものが見つかります。
茶~黒色の油っぽい耳垢で、ちょっと酸っぱいにおいがするのが特徴です。
治療は、耳をきれいにしてカビに対して効果のある薬を点耳します。症状がひどい子の場合は飲み薬も併用することがあります
マラセチアは耳だけでなく、皮膚炎の原因となることもあります。
また、マラセチアに対してアレルギーを持っている子がおり、そういう場合は汚れ方の割に炎症がかなりひどいことがあります。

細菌による外耳炎の場合、耳垢を検査すると、マラセチアよりも小さい球状や棒状の粒が見えます。形や大きさは細菌の種類によって様々です。
治療は、耳をきれいにして抗生物質を点耳したり投与します。
耳垢を採ってどんな抗生物質が効くか検査することもあります