監督
フェデ・アルバレス
ジャンル
ホラー SF スリラー
出演
ケイリー・スピーニー
デヴィッド・ジョンソン
アーチー・ルノー
イザベラ・メルセード
アイリーン・ウー
スパイク・ファーン
鑑賞方法
映画館(ドルビーシネマ)
はい、2回観ました。
メチャクチャ面白かったぁ。
映画館もしっかりお客さんが入っていて年齢層は広め。
出来栄えにうるさそうな古参のエイリアンファンも多く来ている様子で、映画が始まる前からあれこれ講釈が始まっていて、こういうのってあんまり途中から面白くなかったら、最後エンドロールが始まったら文句がヒソヒソ聞こえてくるヤツやな、ていう妙な緊張感がありましたが、終わったら全員無言。
そう、満場一致の大満足の出来栄え。みんな出口に向かう口々に「凄かった…」とつぶやくのがやっと。
監督がホラーが得意な人だからというのもあって、ちゃんと最後までぎっしり怖くて最高でした。
本作は実は元々独占配信作品として企画されていたそうで、それが急遽”これはイケると判断されたのか劇場公開作品として繰り上げられたらしく、壮大な『エイリアン2』とかに比べるとベースはこじんまりした印象が確かにあります。観終わってからエンドロールのキャストの表示のところで、「こんな少ない登場人物だったんだ」と再認識。小さく始めたところから大きく作りこめているのは低予算であることが多いホラー作品を撮っている監督の手腕でしょう。
キャストは若手中心で、新時代のエイリアンシリーズ作品ということを強く感じさせられます。
しかも割と丁寧に若い世代の主人公たちがもう人生が詰んでしまっている描写を描いていて、なぜ彼らが危険を冒してでも怪しい冒険に向かうことにしたのかについて、観ている側にちゃんと納得をさせてくれます。
いままでの作品はこの動機の部分の描写は少な目で、むしろエイリアンに出会うまでの道中でひとりひとりの個人の描写や関係性をサラッと見せた後は早々とエイリアンとのやりとりに移行する過去作とは違うつくり。
それでも”アンドロイドと人間”というエイリアンシリーズで絶対に触れられてきたテーマはストーリー上できちんと触れており、この作品がただのお化け屋敷映画ではなく、人間の弱さとそれゆえの愚かさやある種の残酷さについての寓話として本作が機能するようにできています。
ここはリドリー・スコットがアドバイスをしたのでしょうね。
絵作りも素晴らしく、エイリアンの造形描写はグロテスクだし、赤い照明でのエイリアンとの戦闘も今っぽくて痺れました。
さらにわざと入れたに違いない監督の代表作『ドント・ブリーズ』のような音を立ててはいけないシチュエーションでの演出も微笑ましいのにちゃんと怖い。
生粋のエイリアン好きの人の中には監督が2020年代の色に染めた本作を観て、”テセウスの船”よろしく、もはやエイリアンではない、と嘆く人もいるのかもしれません。
しかしそんな辛口のひとたちも、主人公を演じたケイリー・スピーニーとアンドロイドを演じたデヴィッド・ジョンソンの魅力にはそれだけを観るだけでも値打ちがあると感じたと思います。
私もこの主人公二人の物語はまだまだ先を見てみたいですね。
ちゃんと怖いエイリアン、お見事でした。


