すみません。
何となく、ちょっとインパクトのある題名にしたかっただけです。
ただ、
今回入庫のBMWは、オイル管理の悪さから諸々の症状に見舞われています。
多くのメーカーで、オイル交換のサイクルは長くなる一方で、
20,000km毎の交換で大丈夫という所が多くなっています。
中には、25,000km毎だったり、30,000km毎なんていうのもあります。
今、フリークに入庫しているBMW。
お客様が地元の中古車販売店にて購入されたBMW E91。
走行距離は47,900km。
メーカーの決めるオイル交換サイクルをもし守っているなら、2回目の交換をしたところって感じになりますが・・・
エンジンオイル、
漏れに漏れて、漏れまくっています。
エンジンもブルブル震えて調子が悪い。
診断機にて現在DTCを読むと、
・DME 2B63 カムシャフトセンサー、エキゾースト側
・DME 2E24 イグニッションコイル
・DME 2A70 バルブトロニック妥当性 散発的な電流変動
以上が記憶されています。
BMWのエンジンオイルが漏れる箇所って結構決まっていまして、
・エンジンヘッドカバーガスケット
・バキュームポンプ
・オイルフィルターハウジングガスケット
・オイルサンプパン（オイルパン）ガスケット
この4箇所に集中しています。
（※上記以外からも漏れますけどね）
そしてこのお預かりのE91は、その全ての場所からダラダラと漏れているのです。
オイル漏れの箇所に付いては毎度の事なので淡々と交換を進めて行くのですが、問題はエンジン不調。
DTCの内容から見ても、オイル管理の悪い車両に多く見られる「タイミングずれ」の可能性が非常に高いので、SST（特殊工具）を使ってタイミングを確認して行きます。
タイミングの確認方法はこちらのブログを参考に
→ BMW116(E87/N45)エンジンがかからない/チェーンテンショナー交換他
フライホイールは固定済み。
インテークカムシャフトは固定済み。
パルスセンサーホイール、エキゾースト側ずれています。
それにしても、物凄い汚れです！
メーカーの言われる事を信じて、きちんと守って来られた方のエンジンを何度も開いた事がありますが、全てこんな感じです。
当然SSTの装着が出来ません。
これだけずれていると、そりゃエンジンも調子が悪くなるでしょう！
全てを正しい位置に合わせて行きます。
チェーンテンショナーには、新車装着の物には色々不具合もありまして、対策品が出ています。
ただ今回のタイミングがずれた原因は、テンショナーというよりも、テンショナーの動きを悪くする事となったオイル管理の悪さによると思います。
私の書いているブログで似た年式の車両を見返してみました。
こちらは走行距離が65,700km。
エンジン内部、結構綺麗です！
こちらは走行距離115,200km。
距離が11万キロを超えていても、まだ金属の輝きが残っています。
オイル漏れはそれぞれに発生していますが、
見比べて頂くと、エンジンの美しさが全然違います。
オイル管理の悪さは、エンジン寿命を著しく短くします。
オイルが漏れるだけに留まらず、今回の様にタイミングずれを起こしたり、白煙が出だしたり、内部破損を起こしたりと、様々な症状を引き起こします。
使用するエンジンオイルも何でもよい訳ではありません。
激安オイルは、ベースオイルから添加剤まで一切ブレずに怒涛の粗悪品が使われていますし、再生オイルだって流通しています。
私、色んなオイルメーカーに電話をして、適合に関する話やベースオイルの話し等するのですが、みなさん口を揃えていうのが、
「オイルは、価格と性能が綺麗に比例しています」と言われます。
もちろん価格が高いだけが良い訳では無く、そのエンジンや使用状況に適したオイルをきちんとチョイス出来る人がそこに居て、その選べる中で最上のオイルが純に最高という事です。
オイルの世界は複雑で難しいものでもありますが、
だからこそ私達整備士は、オイルにもっともっと詳しくなる必要があります。
オイルの世界も日々新技術が生まれ、改革が施されています。
世界中の、凄い知識を持った方たちが必死になって作り上げた新しい技術を、完成したそばからその情報を得られるのです。
学び続けられる仕事でもあるという事を喜びと感じましょう。
ご用命、ありがとうございました<(_ _)>
＜参考データ：車両走行距離 47,900km＞
<2020年12月10日追記>
こちらのお車、オイルの警告灯が点灯したと連絡が入り入庫しました。
元々このお車は、中古車販売業者さんが業者オークションにて購入して来たものをお客様が購入して、すぐの弊社での整備でした。
オイルを抜いてみるとオイルはなんと2.2リットルしか抜けず。
本日までに走行された距離はたったの650km。
走行距離650kmで2リットル程度のオイルを消費しています。
もちろんオイル漏れはゼロ！！
さてさて、これからどうしたものか・・・
■作業メカニック － 丸山恵志郎
■写真撮影 － 野間雄司
■文 － 野間雄司
※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。
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