酒とホラの日々。 -52ページ目

幽霊伝説           (ホラーファイルNo.001) 


中学のとき、町のはずれに半裸の女の幽霊が出るという噂の場所があって、
そこはトンネル前になんとなく気味の悪い荒れた野原が広がっているのだった。
この旧道のトンネルは、近くに広い新道ができてからはあまり使われず、
ほとんど人が来ないために野原には建築資材などが投棄されて、
一層さびしさを増しているようなところだった。

そんな中学生の夏休みのある晩、私たち悪がき一味三人は
幽霊探索ツアーを決行したのだった。なにせ幽霊で女で裸である。
中学生男子の探究心をくすぐらないわけはない。

夕方から私たちは幽霊スポットといわれるトンネル前の草むらに身を潜めて
お出ましに備えたのだが、待てど暮らせどいっこうにその気配はなかった。
やぶ蚊にも刺されまくって血だらけになり、いい加減待つのにも飽きて
野原の中をぶらぶらしていると、いつの間にか一台の車が草陰に止まっていて、
サスペンションが浮き沈みし車体が上下に振動していた。

「な、なんだ、おい?」
「ばーか、どっかのアベック(死語?)だろ」
へんぴであるゆえに、人目を避けるカップルには格好の逢引の場所だったのだろう。
「どうする?」「行ってみるか?」
これでは幽霊探索隊出歯亀隊である。

そろり、そろりと車のほうに向ったところ、突然車のドアが開いて
若い男女が降りてきた。暗くてよく見えないが、なんだか怖そうな大人だった。
私らは茂みの前で直立不動で硬直したが、なんと抱き合ったカップルは私たちのほうに
やってくるではないか。

逃げ場も隠れ場もない。殴られるのだろうか、デバガメ未遂で補導されるだろうか?
直立したまま、とっさに私はあごの下に懐中電灯をあて二人が気づくのを待った。
顔の下から光をあててお化けのまねをするアレだが、
どうすることもできず、おどけてごまかそうと思ったのだ。
サトシもツトムもそれに習うと、カップルの足が止まった。
「・・・・へへっ」

「・・・・」
一瞬互いに見つめあった後、あたりに人間のものとは思えぬ絶叫が響き渡り
カップルは叫びながらしりもちをついてひっくり返った。

その直後に見た光景はお化けよりも怖いものだったかもしれない。

腰を抜かして這って逃げる男に必死ですがりつく女。はいずりながら女を振りほどこうと
足げにする男。掴み合いとののしりあい。。。
その隙に逃げ出したのだが、さらに驚いたのはあたりにカップルが他にも何組もいて
突然やぶ中に車のライトがついたり、茂みから尻を出して駆け出す者がいたことだ。

・・・その後、幽霊の噂は、トンネル前に血を流した男の子の兄弟が現れる、
という風に変わってしまったのだが、
それまでの裸の女幽霊がどうなってしまったのかは知らない。

***

なお、最近実家に帰ったときに、地元の友達とのみに行ったのだが、
細々ではあるが、今もまだトンネル前の幽霊兄弟の噂は健在らしい。


あの時、伝説が始まったのだろうかな。

予告 8月はホラー強化月間とします

8月は地球の軌道がもっともあの世に近づく時期であるので
ホラを控えてホラー記事を強化することにします。


つまり、しばし期間限定の『酒とホラーの日々。』というわけですね。
ホラでないのだから記事はホントウです。
あなたの知らない本当にあった怖い話、というところですね。

もちろん、読んだらがっかりすることうけおいの手抜き記事に
なること必至ですが

ユリの根にユリの花咲く、何の不思議なけれど

  黄色の百合

「これはオリエンタルイエローですね。立派ですね」

「いえ、オリエンタルイエローはもっと淡い黄色ではなかったかと思います。

これはそのような種類ではないでしょう。」

「いえいえ、私はユリはいろいろ見ておりますし、先日園芸店でも見てきました。

これはオリエンタルイエローです。大切にしてあげてくださいね」

「はあ。」



我が家を訪れた老婦人けっして自説を曲げようとはしなかった。


ユリの種類など、私にとってはどうでもよいのだが

このユリ、以前は家の外構というか外塀の外側の植え込みスペースに

植えられていたのだが、毎年花が咲きかけると決まって花泥棒

切ってもって行かれてしまうので、

あるときから庭の一角に移植したところ、とんでもなく増え過ぎてしまい

必要以上に増えてしまった分は根っこを掘り上げて食ってしまっている。


精進料理などでよく見られる「百合の根」である。

これは美味い。老婦人に言われるまでもなく、

大切にしておりますとも。


今年も一度咲いて、7月も終わりだというのに今頃また

大きな花がぽんぽんと咲いて、濃緑に深まった庭に鮮やかな黄色がまぶしい。

こういうのは忘れ咲きというのかな。





炎天の夏祭りに出かけた日



夏の空気の充満した朝、庭に出ると
金魚の一匹泳ぐ、水鉢に映る空の青
今日も夏色の濃い晴れた日だ。

朝食をとるとすぐに夏祭りの行列を目指して出かけたのだが
炎暑の中を歩いていくと、やがて熱波の中に溶けて
夏と自分とが一体となる夏の陶酔感に出会う。

やがて行き着いた会場近くの甘味店は、

古びた木造の垢抜けない店なのだけれど
コンクリートと日差しの洪水の街中にあって
美しい夏の日陰そのものとしてそこにある。

一年に一回しか行かないお気に入りのレトロな店。
氷あずき

氷あずきを二つたのみ、木の縁台に腰掛け、
汗をぬぐうと
軒の向こう、見上げる入道雲に
風鈴の音一つ。



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この後の昼酒の段についての記述は略。。。

文房具売り場で差別される

dymo

このテープライター、
『一定年齢以上の人なら取扱説明書不要ですね』
とのコピーがついておりました。


なんだい、この「一定年齢」ってのは!と思ったものの、
テープラベルは最近はプリント式のものが主流だし、PCで作るのも普通で、
『一定年齢に達しない人』はこんな凸凹文字ラベルなんて
きっと知らないのでしょうね。
懐かしい昭和チックなレトロ文具としての販売なのでありましょうか。

もちろん私は青年の部Bで『一定年齢以上』ですけど。
ここ見に来る人もほとんどは「わかる人」と存じますが・・・。(^^)


リモコンを操る魔法の笛

我が家にも多数のリモコンがあるが、どこにでもゴロゴロと邪魔なくせに
必要なときに決してすぐに見つからないのは実に不思議である。

だが、さすが世の中には便利(?)なものがあって私も愛用している。
リモコン探索機本体  リモコン探索笛
使い方は極めて簡単で、まずこの可愛らしい受信機(写真左)をリモコンに貼っておき、
さてリモコンがないとなったら、そのときはこの小さな笛(写真右)の出番だ。
受信機はこの笛による特殊な周波数帯の音に反応して電子音と光を発して
所在を知らせるというわけだ。

私 「ぴーひょろろろろ」 (笛を吹く)
受信機「ピピピピーピーピピピピ!」
私 「おおっ、ここにあったか、どれどれ」

・・・というような具合で、便利(?)この上ない。
また、受信機は反応する周波数帯によって4種類あるので
リモコンによって使い分けも可能だ。

ただ、問題はなぜか人の声にも反応するということである。
大人の男の声では問題ないが、女子供の笑い声などにはよく反応するようだ。
テレビなど見ていると・・・
   「キャハハハっ」 「ピピピピーピーピピピピ!」
   「あははっ」 「ピピピピーピーピピピピ!」
・・・うるさいことこの上ない。

さらには、私以外の家族がハナから全く相手にしないという上に
(当然予想されたことだが)この笛の所在がわからなくなるという事態に至り・・・

現在の状況はご想像におまかせいたします。



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リモコン探索機 : 東京駅の地下街で買ったような記憶が・・・

            5百数十円くらいだったかな・・・

夏、開店中

なかなか梅雨が明け切らず、列島の上をのたうち激しい雨を降らせる梅雨前線は、

南の高気圧に追い立てられる雨竜が、断末魔の抵抗を試みているようです。


七月も終わりだというのに今ひとつ夏気分も盛り上がらないのですが、

通りかかった商店街の入り口で、葉といい花といい夏そのものの色を放つ

カンナの花が盛りを迎えていたのを一人鑑賞してきました。


そして商店街の夏物バーゲンにも行ってみたのですけれど、あまり人はいなくて、

明けない梅雨の中知らないうちに咲いていた夏の花を眺めるような、どこか妙な気分でしたね。


カンナ (ここだけ夏?)

天使に出会う街

前にも書いたが、私はなぜか街頭・店頭セールスのたぐいによく声をかけられる。
中にはもちろん宗教勧誘なども多く、あまりの頻繁さに、これは私に何かあるのだろうか?と思い、最近は逆になぜ私なのか質問をするようにしてみた。

「・・・ところでどうして、私に声をかけたのですか?」
「え、いやあそれはまあ ゴニョゴニョゴニョ・・」

ところが何度か試みたが、なかなか明確な答えは得られない。こんなことが続くとだんだんイラついて応対もいい加減になる。

「・・わかった、わかった、神様はいいからさ、今日はどうして
私に声をかけたか聞かせてもらおうか」
「え?、・・・」
「人に声をかけておいて質問に答えないのは無礼じゃないのか?
オイ、もういいですじゃない!、ちょっとこら待たんかい!」
時々乱暴な応対を、一緒に歩いていたA君にたしなめられることもあったほどだ。

ひょっとしたら明確に言葉にできるような理由なんてないのかもしれないが、それならなおのことその理由を知りたいものだと思っていたところ、また駅前で宗教勧誘に声をかけられた。

ちょっと知的そうな妙齢の女性である。

「・・はいはい、ところで、今日私に声をかけたのは神様のお導きがあったから
なのかな?人はたくさん歩いているのにどうして私でなければならなかったか
聞きたいんだけど」
女性はちょっと困惑したような様子で、それでも消え入るような声で言った。
「・・・・ほんとはちょっと、私のタイプかなって思って。こんな彼氏がいたら
いいかな、なんて・・・」
「・・・・・・そうか・・・。君も人に声をかけるのは大変だろうけれど、
中にはいろんな人がいるから気をつけるようにね。
あ、これ私の名刺だけど、団体の寄付も募ってるんだっけ?たいした額じゃないけど
じゃあこれもって行きなさい。いいからいいから、じゃ、またね、うんうん・・」

「おい」後ろからA君が声をかけてきた。そういえば今日も一緒に歩いていたのだ。
「今日の対応はいつもとずいぶん違うじゃないか」

「何だよ、私はねえ、今とても清らかな気分なんだよ。
あんな若い女性がたった一人で雑踏の中でだよ、道行く人のとげとげしい視線に
さらされても、己の信ずる道をひたすら歩んでいるわけだよ。
なんてけなげな、純真な光景だとは思わないかい?
私はねえ、荒涼とした砂漠を彷徨った果てに、朝日に浮かぶオアシスを見たような
そんな気分なんだよ。」

こうして宗教は荒れた私の心を1時間ほど確かに救ったのだった!。

・・・その後、A君に連れられて訪れた歓楽系飲食店で
「きゃあ!、わたしcaptain-jackさんの彼女になりたいわあ!」という嬌声にまたまた法悦に包まれたのだが、そこは駅前で会ったあの彼女の念仏教会だったのだろうか。
ちょっと今日は二日酔いでよく思い出せないのだけれど。

                                   

                                (ホントクォーター)

当社はまじめな会社です

夜遅く、外訪先からほとんど人のいなくなったオフィスに戻り
PCを立ち上げて未読で一杯になったメールをチェックしたのだが、
対応を急ぐメールを拾い読んで、返信と新たな指示メールを出していったところ、
最後近く、留守中の取次ぎを頼んでいたF子さんの伝言メールに目が釘付けになった。

(F子さんの伝言メール)
  『電話1件
   裸婦多数、
 
   あた明日!』

これは何だろう、オフィスに女のヌーディスト集団が訪ねてきたのだろうか?
たぶん最後の「あた明日」「また明日」のタイプミスだろうから、
真面目で冷静なF子さんも相当あわてた様子がうかがえる。

まてよ、そういえば赤坂のE嬢が、あまりお店来てくれないと裸で会社に押しかけてやるわよ

と言ってた事があったような。。。すると最近疎遠にしている女たち
抗議に押し寄せてきたのだろうか、いやまさか。

 

人のいないオフィスを歩き回り、
おもむろに辞書などを引いてみる--【裸婦】裸の女性--。うむうむ、
そうだよな、裸婦ってことはやはり女だよな、美人かな若いのかな、
外人ってこともあるかな、おいおい、何考えてるんだよ。
ドッキリカメラ? 何かのお祝い? それとも新手の恐喝詐欺だろうか?

いずれにせよまた明日やってくるとしたら、これは大変だ・・・。


***


翌朝・・・

私が裸になるわけじゃないよなーと思いつつも、なぜか念入りにシャワーを浴び、

おろしたてのちゃんとしたパンツをはいて
いつになく早く出社をしたのだが、
やがてF子さんもやってきてしばらく自分のPCをいじっていた後、相談をしてきた。
実は昨日キーボードにお茶をこぼしたせいでPCの具合が悪く、
特に「M」と「I」と「O」の反応が悪いがどうしたらいいでしょう、というのだった。。

ん、どれどれ、ちょっと昨日のメールを見てもらう。

「え?何これ、やっだー!」

F子さんがもう一度打ってみる。パコパコパコ・・・
   「・・・、来訪多数、 また明日」
   (・・・RAIOU TASUU ATA ASU!

「電話が1件あった他に、訪ねてきた人がたくさんいたけど、詳しくはまた明日、

ってつもりだったのにー」


、、、あっそ、なるほど、
F子さん、メール出す前に文面の確認ぐらいはちゃんとしようよね(TT)。

何はともあれ一件落着。
え?ちょっとがっかりしたかって?
いいや、全然。  (ホント、本当ですとも!)




                                

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なお、この記事は熊野マキさんのコラボ企画「M I O」 に参加したものです。

内容はほぼホラであり、現実の登場人物、団体、事件等とはたぶんあまり

関係ありません。

真実一路

日々このブログを書くに当たって、苦に思っていることが実は一つだけある。
タイトルのことである。なにせ管理人は正直者のcaptain-jackだし、実際、身の回りに生じた
事実と考えた事象をありのままに記しているのに「ホラ」とあってはそれこそ
信義に反する。
心に生じた妄想ホラが生じたのは事実であり、事実をホラと称して公開したら
それはホラなのか。。。また、ホラを言いたくてホラの看板を掲げたら、それは
ウソつきが「私はウソつきだ」といったらそれはホントかウソかのような混乱を
与えてしまうのではないだろうかなどと考え出すとシクシクと正直者の良心が痛み出すのだ。

そうでなくとも世の中には色眼鏡つきの何かに都合の良い記述をいかにも独断と偏見を排した客観的な真実であるかのようにうたっている歪んだ報道や記述が多い。

当サイトはすべての事実を、独断と偏見をも排除せず心のプリズムを通過した事実を事実のまま記述することを宣言している。その意味で公平という嘘看板を掲げてよくわからない情報を提供するマスコミ以上に私のブログは正直で真実である。

そこでこのブログ、タイトルを「真実一路」にしようと思うのだがどうだろう。
とA君に相談したところ、
意外にも「素晴らしい。どっかの盗作臭いのも素晴らしいし、胡散臭いのもなおお主らしい」との弁。
「・・・・」
へ? なんだよ、ウケを狙ったのにつまらんコメントだ。。。

---こうして私は当面しばらく酒とホラの日々で行くことにしたのです。