今回、2010年に投稿した記事
「ドーベルマン ヘッドボビング シンドローム」についての
更新記事をアップします。
まずは、オリジナル投稿を知らないという方のために、
再度オリジナル記事を載せておきますね。
 
それが、こちらになります。
下矢印
 
    はじめに・・・
今からご紹介します記事内容は、私自身がひとりのドーベルマン・オーナーとしての体験を元に書き綴ります。病気の診断、治療のアドバイスを促すものではありませんので、あくまでも情報交換の場とご理解いただいた上でお読みください!
 
 
 
ある日・・・ 突然、それは始まった!
 
(゚∇゚ ;)エッ!?  ・・・(゚ロ゚;)エェーーーーーッ!?
 
{{{{(▽・w・▽)}}}} ブルブルブル・・・   (((▽・w・▽))) カタカタカタ・・・
イヌの頭がふるえている...。
 
ギャ━━━━━━Σ(Д)ノ━━━━━━ !!!!
 
 
ドベ飼いの方の中には、こんな経験をされたことがありますよ・・・ね?  ぇっ、ない?
そんなラッキーな方には「そんなこと」もあるんだ・・っという程度にお読みください。
 
まず、結論から言いますと・・・
この症状は 「ドーベルマンのヘッド・ボビング・シンドローム」 と
アメリカでは呼ばれています。
 
専門的な名称は Idiopathic Head Tremor ですが、一般的にドベ・オーナーの間ではこう呼ばれています。日本語では「頭部振戦(トウブシンセン)」になるのかな。
「ドーベルマンの・・・」っと呼ばれていることでもわかるように、ドーベルマンで起きることが非常に多いシンドロームです。(あの、毛布チュウチュウと同じように・・・あせる
しかし、他の犬種でもこのシンドロームは起こります。とくにボクサー、ラブラドール、そしてイングリッシュ・ブルドッグでの発症が近年多く報告されています。
 
はいっ、我が家でも例外にもれず・・マーキュリーがこの症状を時々みせます。ガーン
初めてこの症状を確認したのが、ちょうど1歳を迎えた頃だったかな。
この数日前にボス犬が虹の橋を渡ったばかりの時だったので、精神的なストレスが引き金になってしまったのかもしれません。マーの場合は・・・。
(この時、実際に免疫力が下がり、ハゲが数か所できましたので・・・。マーちゃん、意外と繊細なのよ。)ここ1~1年半ぐらいは発作を確認していませんが、この先もでないとは限りませんからね~。
 
では、そもそも、頭をふるわせるって・・・どういうことよ?
・・と思われる方もいらっしゃるので少し症状の特徴を説明しますね。
それぞれの個体によって、激しい振えの犬もいれば軽度の犬もいますが、
だいたい共通して・・・
 
🔹    頭部のみがけいれんのような振えをみせます。
  (個体によって左右に揺れる犬と上下に揺れる犬がいます。)
🔹    意識はしっかりあります。歩行にも問題ありません。
🔹   ウトウト状態で静かに横になっている時に起きることが多い。
(興奮した出来事があった後の睡眠時に多発傾向)
🔹    数秒~数分でおさまります。
🔹    自身で振えをコントロールすることができません。
🔹    食べ物で気を紛らわすと止まることが多い。(食欲に変化はなし)
🔹    痛みなどは感じていない様子。

・・・それって「部分てんかん」では??
などのご意見もあるかと思いますが・・。CTスキャン、MRIの検査をしても、てんかんのように脳の一部に異常がみられないことも、このシンドロームの特徴です。
遺伝を疑う声が多いのですが、いまだ原因が特定されていないのがこのシンドロームの現状みたいです。
 
ここに「ドーベルマン・クラブ・オブ・アメリカ」が
ヘルス情報として公開していた記事の抜粋を載せておきますね。
 
Doberman Head bobbing Syndrome
In Dobermans, clinical features consist of a sudden onset of the tremor restricted to
the head. In most cases the movement is up and down, but there are reports of side
to side as well. The dogs appear to be conscious, responsive, and otherwise normal
during an episode. Tremors typically stop spontaneously after several minutes and in
some cases can be stopped temporarily by distracting the dog (for example,
with food).
 Diagnostic evaluation is typically normal, including neurological examination,
blood studies, cerebral spinal fluid analysis and rain CTs and MRIs.
There is no known effective treatment.
Anti-seizure drugs such as Phenobarbital and bromide do not appear to help.
Affected dogs do not develop other neurological deficits and in most cases
 the syndrome does not severely compromise the dog’s quality of life.
 In some cases the episodes eventually resolve.
C. David McLaughlin, DVM

内容はほぼ同じような感じです。検査結果でもとくに異常がみられないこと。
効果的な治療法が見つかっていないこと。抗てんかん薬でも改善がみられないことが多いということ。そして、ほとんどの犬が生活に支障がでることなく暮らしていることを挙げています。
 
※ 決して、病院に行かなくても良いっということではありませんのでお間違えのないように・・・。
 
多くの方は、振えが始まったら犬の気を紛らわせるようにしているようです。
やはり、食べ物が1番効果が高いようですね。うちの場合も、そうしていました。
呼んでクッキー1~2枚を与えることで止まります。
 
そして、大切なことは 
私たちがあわてないことっ!!
・・これが1番ですね。
 
 
うちのコではありませんが、動画をつけます。
初めて見る方は、びっくりするかもしれません・・・。
 
 
ウトウトしている時に起こりやすいのよね・・・。--;
発作が起きた日にどんなことがあったのか・・・
記録しておく事をお勧めします。
 
 

 
 
上矢印
はい、ここまでが以前に投稿した記事になります。
 
この記事から5年...
とくに特効薬が開発されたってこともなく、相変わらず飼い主のみなさんは
このシンドロームとうまく付き合いながら暮らしておられるのが現実だと思います。
ただ、各方面でこのシンドロームに関する研究も行われ始めているので、
近い将来にはなんらかの解決策が見つかるといいですね。
 
2015年9月現在、ドーベルマン・クラブ・オブ・アメリカのHPでは5年前より
このシンドロームに関する更新はありません。
 
 
 
1999年~2013年の間に、このシンドロームと診断された犬の飼い主さんを対象に
調査した結果が最近になって公表されています。
合計291頭
イメージ 1
 
Breed distribution in 291 dogs with Idiopathic Head Tremors. Copyright © 2015 Linda G. Shell et al.
 
この調査結果からもわかるように、最近はブルドックでの発症例が多くなっています。
 
1位 ブルドッグ
2位 ミックス犬
3位 ボクサー
4位 ラブラドール
5位 ドーベルマン
 
 
 
 
頭の振り方もいろいろですね。
Horizontal 左右
Vertical 上下
Rotary 回転
イメージ 2
 
The direction of head tremors by breed in dogs with Idiopathic Head Tremors.
Copyright © 2015 Linda G. Shell et al.
 
 
 
症状のでる頻度
イメージ 3
 
Frequency of head tremors in dogs with Idiopathic Head Tremors.
Copyright © 2015 Linda G. Shell et al.
 
一番多いのが26%の一日に数回
2位が25%の数日おき。
 
うちの場合は数か月に1回程度でした。
 
 
もう少し詳しいオリジナル調査結果はこちらからご覧いただけます。(英語)
Clinical and Breed Characteristics of Idiopathic Head Tremor Syndrome in 291 Dogs: A Retrospective Study
 
 
ドーベルマンの場合は遺伝が関係しているとのことなので
同じ血統で症状がでる犬がいる場合は、出る可能性があるので気をつけておきましょう。
 
※ドイツの獣医師の話として、この症状を発症した系統を辿っていくと
1頭のオスのドーベルマンにたどり着くという説があります。
そのオスは1991年に12歳で亡くなっています。 (2018年更新)
 
 
そして、いろいろと調べたり試した結果、我が家で気をつけてきたことは、
フィラリア予防薬のハー〇ガードはやめました。
イベルメクチン系の薬を服用後に症状が出ることが多かった(偶然かもしれませんが)ので、
調べたら、同じようなケースを体験されてるドベオーナーさんが多かったので、念のため。
心当たりのある方は、獣医さんに相談してしてみてください。
それから、甲状腺ホルモンの数値が下がっていないか定期的に検査していました。
このホルモンが下がってくると、ドベの場合はとくに行動がおかしくなったり、
病気が発症しやすくなることが多いので定期的な検査は重要です。
 
 
ドベズは見た目よりず~っと繊細な子が多いので
え~~!?そんなことで?っていう状況でもストレスが
引き金になりますのでお気をつけください。
 
 
ヘッドボビングは、緊急ではないケースがほとんどですが
万一、こんな症状がある場合は緊急を要します
 
 
イメージ 4
 
ヘッドプレッシング(Head pressing)
理由もなく壁に頭を押し付ける行動 ポーン
 
これは、前脳疾患や神経系疾患、もしくは中毒症の可能性があるので
すぐにかかりつけの獣医師にご相談ください。
 
 
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