子犬の頃はもの怖じしないとても良い子だったのに、ある時期から急に見知らぬものに吠えるようになり困っています。

 

子犬が過敏反応期に入った証拠であり、

脳の発達過程で起こるごく自然な現象です。

 

生後6か月頃までは

知覚がまだ十分発達していないため

外部のことに対して比較的鈍感でいます。

これが「物怖じしない子」に

見えたわけですね。

 

なのに、

突然、吠えたり、怖がったり

という行動がみられるようになります。

 

では、この「過敏反応期に入る」とは

一体どういうことなのでしょうか?


 

丸レッド危険信号が点滅しやすく、ブレーキがかかりづらい時期

この時期になると子犬は思春期になり

ホルモンの影響を強く受けることに

なります。

同時に脳の「扁桃体(へんとうたい)」と

呼ばれる恐怖を感じる部位が

急速に発達し始めます。

動物が生きていくうえで

身を守るための

大切な危険信号の働きをします。

 

それに対して

恐怖心や不安感にブレーキをかける

「前頭葉(ぜんとうよう)」は

この時期まだ未発達な状態なのです。

 

こういった脳の部位による

発達スピードの違いが

子犬の行動に大きく影響します。

知覚が発達してきたために

今まで反応しなかった物やことに不安を感じ

過敏に反応するようになるんですね。

 

見知らぬ犬や人、

音に対しても同様に敏感に反応することは

この時期によくあります。

心身ともに不安定になりやすいこの時期は

犬自身で情動をコントロールすることが

非常に難しいのですが...

前頭葉が発達するにつれて少しづつ

落ち着いて行動できるようになっていきます。

 

決して、犬が悪い子になってしまった

わけではありません!

 

 

注意 ​​​​​​注意!扁桃体が活発な時期=トラウマをつくりやすい時期でもある

 

不安や恐怖、緊張などは

扁桃体に記憶されます。

この時期に体験した不快な出来事は

トラウマを作りやすいので十分注意します。

 

過剰反応する対象や状況が

あらかじめわかっている場合は

なるべくその状況を回避するのが

この時期は得策です。

 

なぜなら、

この時期に起こりがちな「鋭敏化」といって

馴れさせようとすればするほど

逆に刺激に反応しやすくなってしまう

おそれがあるからです。

 

愛犬が何かに過剰に反応しても

大げさに対応したり

面白半分に恐怖心を煽ったりせず

落ち着いて対応してください。

 

反応しているものが

危険なものではないならば

犬に自ら確認させるもの良いと思います。

その場合は、

必ず犬のペースで対象物に近づかせることが

重要で、無理にリードを引っ張って

近づけさせてはいけません。

逆効果になります。

 

過剰反応している対象物が

近づくと危険なものであったり

見知らぬ人や犬の場合は

なるべく犬に声をかけず「そ知らぬ顔」で

通り過ぎるか対象物との間に距離をとるようにします。

 

このような刺激に過敏に反応する時期は

正常な成長過程であれば

程度の差さえあれどんな犬にも訪れます。

 

この不安定な時期を上手に乗り越えるには

思春期前の子犬の社会化が

とても重要になります。

まだ子犬が外部の刺激に鈍感なうちに

できるだけ多くの良い(量より質)体験を

させ、いろいろなことに免疫をつけておくことが大切になります。

 

そして、この敏感反応時期が訪れたら

刺激に馴らすことに一生懸命になるよりも

なるべく危険信号を作動させないような

生活環境のマネージメントに配慮してみてください。

 

嵐が去るのを気長に待つ...

くらいの心構えと余裕が、案外一番の特効薬だったりします。

私はこの時期(6ヶ月前後の1ヶ月半ほど)は子犬の社会化を一旦おやすみしています。

屋外よりも屋内で行うトレーニングを

中心に、なるべく新しい外的な刺激は

避けるように気をつけています。
苦手なものへの克服トレーニングなども

この時期は避けたほうが賢明です。
 

 

右差し日増しに反応が激しさを増したり

すぐに対処しないと危険な状況であったり

もしくは、

飼い主さんが自分で対処しきれないと

判断された場合は、すぐに科学的根拠に基づく行動療法に詳しいプロのトレーナーにご相談されることをオススメします。

 

 

 

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