懐古:チューリッヒ湖の悲劇
チューリッヒ中央駅はヨーロッパ各地を電車で結ぶターミナル駅の一つ。ここでは屋内ではヨーロッパ最大級のクリスマスマーケットが開催されている。ターミナル駅ということも大勢の観光客で賑わう。
そして、マーケットのシンボルであるクリスマスツリーはスワロフスキーが散りばめてある超高級ツリーで、背の高さ以上にある透明のパネルでガードされていて、セキュリティーも厳重だ。
チューリッヒで思い出すのが何と言っても今から10年近く前だろうか。初めてチューリッヒの取引先の会社を訪問した日。
面談のあと会社の近くで早めの夕食を済ませた帰り道。
チューリッヒ湖に浮かぶ遊覧船を目にした自分は何気なしに船に乗船すべく列に並んだ。
夕暮れ時でやや風が強かったその日は廻りを見渡せば、カップルやビジネスマン風の男女が楽しそうに会話していた。今思えば、皆が正装していた。
乗船が始まり列が前と進んでいき、それぞれが
船内の一室に入っていく。
乗船時に人数を聞かれ、一人だと答えると、遊覧船だと確信している自分は一人、デッキの方向に向かい先頭を陣取る。
見渡しても誰一人いない。
単純に寒いからだろうか。
汽笛の合図とともに船が出港する。
寒さに凍えながら景色を眺めていると、一人の船員が声を掛けてきた。
船員 ”Hello,Gentle man!”
船員 ”What are you doing here?”
無賃乗車を疑われているのかと思った。確かにお金は払っていない。だけど、請求されてもいないからいつ払うんだろうとは思っていた。
そして、次にその船員が発した言葉にしばし絶句した。
船員”今、お金を払う必要はないよ。だって
今晩はチーズフォンデュディナークルーズだから”
自”いや、お腹一杯だから食事はいらない”
船員 ”でもあなたの席を用意しています”
“どうぞ、ご案内します”
ここでやっと皆がなぜ同じ部屋に吸い込まれていくのが分かった。その場所こそがディナー会場だった。一歩踏み入れたその会場はチーズとワインの香りで充満している。
そして、円卓にそれぞれのパートナーや友人と着席して、ワインとチーズフォンデュを食べながら会話が弾んでいる。
その大きな会場の中央の1卓に空席があり、そこが自分に用意された席だという。案内される中、周りの空気が一瞬止まり。
自分に注目が集まっているのがわかった![]()
それもそのはず、フォーマルウェアどころか、カジュアルウェア。頭にはニット帽。ディナークルーズに一人で参加。しかも時間に遅れて登場。
というか、あのアジア人どこに行った。確かに受付はしましたが、忽然と姿を消しました船長!的な。
しかもテーブルはド真ん中![]()
我ながらこの場違いぶりに恥ずかしさを通り越して、自分の置かれている立場に笑えてくる。
生まれてこの方、チーズフォンデュなど食べたことがない。用意されたパケットをフォークで刺し、グツグツに沸騰しているチーズにくぐらす。
1口、2口食べただけで、ワインに苦さに顔が歪む。
お酒を飲めない自分には酒が強すぎる。
おいしさが全くわからない。
すると、女性船員さんが優しく、まだ早いよ。もう少し待ってば、アルコールが飛ぶからより美味しくなるみたいな事を言われた気がする。
しばらくすると、強いアルコールの香りと味に顔がみるみる赤くなる。着席して15分ほどで気持ちも悪くなり、遅刻した上に早退![]()
まさに自分の周りの人たちの失笑を買う出来事だった。
その後、悪夢のクルーズは2時間も続いたのでした![]()
勇気がある人はぜひ
スイスのチューリッヒにやってきた。
ここの物価は世界一と言われるぐらい高い。北欧も高いけど、やはり特にポーランドやブルガリアなどの中欧から移動してきたときはその高さを感じる。
駅の売店では水500mlが400円ほど。マックでビックマックセットを頼むと1300円~1400円、平均時給は3000円などなど。夜にそこそこのレストランに行けば、1万円コース。街には高級宝飾店や時計店。走る車はベンツやポルシェ、BMWなどの高級車ばかり。
庶民派にはため息ばかりの町だ。
スーパーで値引きを待って買物をする自分が小さい人間だと痛感する。
極めつけはスイス人カップルが営んでいると思われる日本食の屋台。奥に見える肉まん一ついくらだと思いますか?
じゃーーーーーん。なんと
日本円で800円ほど
これはややぼったくり感が否めない。これが極端に高いと感じないほど物価が高いのです。
そんなセレブの町チューリッヒから電車で15分ほどの場所に温泉の町がある。その名もBarden。これはドイツ語で温泉を意味する文字通りの温泉駅。
セレブの町に疲れ果てた自分は心身を癒すためにここにやってきた。
そう温泉に浸かりたいと思った![]()
印象はさびれた温泉地と言った感じで人通りを宿泊客を除いてわずか。
少し湯気が上がっている場所もある。
そして、お目当ての場所に公共浴場があった。
大きな看板があるが、建物がどうしても見当たらない。![]()
なんとバスタブを一つ残し閉鎖していた。
かなりシュールな光景。
いや、まだ完全に潰れたわけではない。
確かに温泉は出ているし、温泉に入っている人もいる。
しかも無料。
ただ、ここで現地の人達に囲まれて全裸になる勇気がなかった![]()
しかもかなりのすし詰め状態。
疲れが取れるどころかさらにたまってチューリッヒへの帰路についたのでした。
きっと素敵な出会いがあるよ。
小さな駅からこの要塞都市は文句なしに世界遺産。
ある。
インドの首都ムンバイから来た笑顔が可愛いこの青年は、年齢は20歳半ば。
エンジニアとして働いているそう。
そして、写真を撮ってほしいとお願いされたのをきっかけに次のバスが来るまで
話し込むことになった。
ただ一つだけ違うのは彼は富豪の息子ということだ。
そんな彼が旅をしたきっかけ。
勇気を出して告白したが残念ながら振られてしまい、失意の中での旅だった。。。
まさに青春真っ只中。
と絡んでくる。彼らからしたら、日本人はみんなナガトモ。そして、十年前であれば
ナカタだった。興味深々色々と聞いてくる。渋谷のセンター街でおやじ狩りにあった感じで
散々絡まれ、フルマラソンを完走したくらい体力を消耗したところでバスに乗り込んだのでした。
その当時、流行っていたヤマンバメイクの日本人修学旅行生に遭遇したことがあった。
黒塗りメイクの学生たちが観光地で写真を撮っている姿を遠巻きで怪訝そうに見る
地元の人たち。
イタリアから来た彼らにとってアジア人のおじさんは少し珍しかったのかもしれない。











