とりす歯科矯正(大人のための矯正歯科専門医のブログ) -189ページ目

部分的な矯正治療について-氾濫するネット情報-

 矯正治療で前歯のガタガタだけを治したい、上の歯並びだけ治したい、また下だけ治したいなど、一部または局部的な治療を希望する質問がよく来ます。

こういった質問者の多くは、当然ながら自分の一番気になる部分だけしか目がいってないようで、それも他人が見て気付く場所を言っているようです。逆に他人から見えない奥歯などは、ガタガタであってもさほど気にならないようです。

人間の歯は数、大きさ、そして左右対称性がなければ自分の天然の歯ではきちんと咬めない解剖学的構造をしています。ですから上だけ、下だけといった矯正治療は余程特殊な例で無い限りあり得ないというのが矯正専門医では常識です。

矯正治療は単に並べて咬めるようにすれば良いというものではなく、折角並べて咬ませた歯並びが永く維持できる口腔内の環境にしなければ意味がありません。すなわち口の中の唾液が乾燥しないために口元の調和を考慮する必要があるということです。勿論抜歯が不要で口元の調和が取れればそれに越した事はありませんが、この口元の調和を考慮すると日本人の80%近くが抜歯しなければ対応できないと言われています(参考のために白人種は逆に80%が非抜歯で対応出来ると言われています)。

ということは日本人の80%の人は抜歯しなければ口元も調和は得られないわけですから、上だけ並べる場合に上だけ抜歯することになり、上下の対称性は亡くなりますので、自分の歯では咬めなくなってしまいます。下だけでも同じことが言えます。

基本的に一部分だけといった矯正治療は、歯が数本喪失してしまっているといった状況の場合に可能性がある程度で、上下左右の歯がきちんと数が揃っているケースではまず行なうことはありません。

こういった質問をされる方は、審美歯科、美容歯科といった言葉と混同されている面もあります。基本的に歯科において審美歯科、美容歯科といった科は法的に存在しませんで、勝手に作られ使われているというのが現状です。多くは歯を移動させるというよりも天然の歯を削って人工歯を被せるといった処置が主といえます。

矯正歯科と混同されている傾向がありますが、全く違うものです。矯正歯科は専門の科として法的にも認められて存在しています。そして、矯正歯科は歯を削るなどの処置を絶対に行ないませんで、天然の歯だけを動かし綺麗に並べ咬ませかつ口元の調和も考慮する治療なのです。

情報ネットの普及に伴い、情報が氾濫し、簡単に色々な情報が手に入るようになった反面、その情報が本当に正しいのかといった判断が非常に難しいというのが今の現実です。

何が正しい情報なのかを選択するときに、本当に情報を発信している矯正医が専門医制度の試験に合格し臨床能力を担保されているかいないのかは重要なポイントになることは間違いありません。しかし、その合格者は全国でも現在は200名強程度しかいません。全国に矯正歯科と標榜している歯科医院が都内だけでも1万軒以上ある事を考えるととんでもなく少数派と言えます。

その少数派の情報もネット上では、同様に非常に少数であるということです。情報を正しく判断する上でつい多数決の意見が正しいと勘違いしてしまうのが、民主主義なのかもしれませんが、それが今のネットの大きな落とし穴だとも言えます。

ネット上では上だけでも前歯だけでも綺麗に並べることはできますという情報は沢山溢れていますが、情報を発信している歯科医は矯正専門医ではなく、ましてや認定歯科矯正医ではないというのが現状です。

迷惑メール撃退のソフトがあれば


 本日は朝起きますと薄暗く、カーテンを開けますと案の定雨が降っていました。友人が言っていましたが、どんなに寒くても快晴なら得した気分になると、なるほど私も全く同感です。しかし、どんよりした冷たい雨の日は何とも気分が滅入ってしまいますね。

朝の準備を済ませ、普通晴れていればなるだけ歩いて通勤するようにはしていますが、さすがに本日は雨のため電車に乗り診療室へ出勤しました。診療室で早速PCを立ち上げその間に湯沸かし器にミスを入れ電源をONし、着替えてPCのメールをチェックするといういつものパターンです。

ここ数年はこのメールの迷惑メールが異常に増え、毎日千通近いメールが舞い込んできます。このチェックは正直苦痛ですね。迷惑メールを排除する設定にはしていますが、さすがに機械のやる事ですから、間違って迷惑ボックスに振り分けられる大切なメールがあったりして、簡単に一括してゴミ箱へとは行かないのが実情です。もっと迷惑メールを正確に判別できるソフトがあれば、できれば送信者へそのまま返信し、以後着信拒否ができればもっと良いのですがね。

この迷惑メールで困っている人は本当に沢山いると思います。その都度アド変をするのも私の場合は大変というより、HP上のアドレスだったり、相当数の知人友人業者関係とに知らせていますので、実際には変更すると問い合わせが出来なくなったりする事態は相当数発生する事が予測されます。

誰か迷惑メール撃退ソフトで良いものがあれば是非教えて欲しいものです。ちなみに私のPCはMacなので、Mac用のソフトをお願いできればと思います。誰か情報がありましたら、コメント下さい。

いつも間にか外は雨から雪に変わり、一層寒々しさを増しています。今日の患者さん大丈夫かなこの雪の中で大変だなぁ~と思いつつ、私はすでに準備OKで待っています。

矯正治療の時期について


 保護者は勿論本人もですが一番迷われるのが矯正治療の時期についてだと思います。他にも治療費や期間、装置の種類等気になることもありますが、おそらく時期的なことが一番気になることだと思います。

この時期が早過ぎたり、遅過ぎたりすることで、治療結果が大きく影響されるからです。例えば乳歯しか生えていないのに装置を付けて治しても、この乳歯の後に生えて来る永久歯には何も関係ありませんし、再び不正咬合になる可能性は非常に高いことを考えると乳歯列で矯正治療は意味がないばかりか、患者本人に非常にストレスとなります。

また、放置したために顎に骨格的な問題が生じ、非常に難症例になったり、外科治療が必要になったりする場合もあります。そのために必要な早期治療もあります。基本的に性差や個体差はありますが上下の前歯が4本づつ出てきた時期が早期治療に適した時期になります。この時期に初めて矯正専門医へ相談する時期と言えます。

そして本格的な治療の開始時期は永久歯が出揃う成長発育時のピーク時で、個人差はありますが、女の子だと小5~小6、男の子だと中1~中2くらいが、その時期にあたり、骨格的な問題がある場合の矯正治療だけでの改善の最後のチャンスと言えます。勿論大きな骨格的な問題が無ければこれ以降何才でも矯正治療は可能です。

また骨格的な問題があっても矯正だけでは無理でも外科との連携による治療であれば骨格的な問題も改善できます。

以上が矯正治療の目安となります。もし迷ったら必ず矯正歯科専門医に相談しましょう。

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八重歯がなぜ可愛いのか?


 一昔前は八重歯のタレントや歌手が結構いました。今はさすがに売れてるタレントや、歌手ではあまり八重歯は見かけなくなりましたが、デビュー仕立てとかタレント志望といった若い人にはまだまだ八重歯は健在といったようです。

八重歯は可愛いというイメージが昔はありました。確かに八重歯の人の多くは、口元の調和が取れている人なのです。いわゆる口ぽかんと開いてる人が少なく、横顔が美しく整っている人に八重歯が見られます。

すなわち口元の調和がとれ横顔が美しく整っているのですが、そんな人がたまたま笑うと八重歯が露出して美しい口元とのギャップが大きく、そのギャップが愛嬌となり、可愛いというイメージに結びついたようです。

昔の八重歯だった女優や歌手達のほとんどが、今では、八重歯を抜いて残った歯を削り差し歯と言われる人工歯に変えて綺麗に並べています。しかし、あくまでも人工物ですので天然歯と違い、一度入れれば大丈夫とはいきませんので、定期的な診査は当然必要ですし、再製も必要となってきます。当然医療費も定期的に相当な額になるのも仕方ないかもしれません。

しかし、今のしっかりした芸能プロダクションでは、若い頃にレッスンを受けさせるのと同時に矯正治療で歯並びも綺麗に整え、それからデビューさせるそうです。そうしたタレントや女優は自分の天然の歯ですから、手入れ(歯磨き)さえしっかりすれば一生自分の歯で食べたり、おしゃべりをすることが可能なわけです。ましてや治療費も専門医のところで約100万前後ですが、人工歯を綺麗に並べるには複数の歯を削る必要がありますので費用的にも矯正治療以上の費用が掛ることになります。

いずれにしても八重歯を治すのには二通りありまして、矯正治療による天然歯を並べるのと歯を削って治すという方法です。それぞれにメリットもデメリットもありますが、矯正治療のメリットは天然の歯ということです。デメリットは治療期間が約2年間と長い。削って並べ替えるのは短時間でできるということがメリットです。デメリットは人工歯だから定期的に再製することが必要でその都度矯正の治療費以上の治療費が掛かるということです。

最後に、八重歯のおじいちゃんやおばあちゃんを見た事ありますか?私は長い事歯科医をやっていますが、未だに一人も見た事無いのです。おじいちゃんやおばあちゃんも昔は若かったのです。そして今と同じで沢山の八重歯の人もいたのです。ですが、八重歯であることは当然歯並びが悪いわけですから、歯磨くがきちんと出来ないため虫歯を作ったり、歯周病になったりで歯を失い入れ歯になってしまった結果、八重歯のお年寄りがいなくなったのです。

行政で行なう最後の3歳児半検診


 神奈川県藤沢市では1才半、2才半、3才半と幼児の検診を行なっています。その中の市で診る最後の検診3才半児検診を先日南の保健所にて行ないました。午後1時20分より開始し、予定として100名強ということでしたが、急に雨が降り出したせいか結局78名の検診者となりました。これを3名の歯科医で検診しました。

3才半ということで先日検診した2才半児よりは少し静かに出来る子が多い中、大泣きする子も、やはりいますね。まっ!しかたないですね。子供はある意味泣くのが仕事みたいなものですからね。

先週歯科医師会でも健診時での注意点として舌小帯付着異常についてお話をさせて頂いたのですが、今回の検診でも私が診た30数名の範囲だけでも6名ほどいました。

市で行なう最後の検診ですので、確認のため保護者へ舌小帯付着異常について今迄注意されたことがあるかを聞いた所、残念ながら全員が初めて聞きましたということで、その全員に、特にタ行ラ行に発音障害がでること、重度の場合には下突咬合といった不正咬合になる旨を説明しました。そして永久前歯が上下4本づつ萌出した時点で発音に問題がある場合は掛かり付け歯科医に相談し、そこから専門医へ紹介してもらいなさいという情報を提供しました。

私は今迄こういった乳児検診のときには、特に気をつているのは、長期の指しゃぶり、おしゃぶり、授乳による歯並びへの影響そして、これら習癖を辞めた後の新たな習癖への移行について、そしてこの舌小帯付着異常と先天性の欠如歯(最初から歯の数が足りないこと)についてです。

この年齢では乳歯列ですから装置を入れて矯正治療をやることはまずあり得ないことですので、経過観察が非常に重要な意味を持つ時期となります。

この3才半児達はこの後、掛かり付け歯科医を見つけて定期的な管理下で過観察をしてもらえるようにすることをアドバイスして無事検診を終えました。

矯正装置について


 基本的に矯正装置と言えば200年前からブラケットとワイヤーを用いるマルチ装置という装置があります。今でもこの装置は材質等の改良は重ねられてきていますが、今も歯を動かす上で3次元的コントロールが確実にできる唯一の矯正装置です。

しかし、このマルチ装置で臨床技術を習得するには、大学を卒業し、臨床能力が保証された指導者の下で10年近くの研鑽が必要となります。こういった研鑽を続けて初めて習得出来る高等技術でもあります。現在、これ以上の優秀な矯正装置はこの世界ではありません。
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他にも矯正装置の一種(ほとんどが取り外し可能な装置か第二次大戦以前に使われていたような床矯正が主)と呼ばれるものが多々ありますが。全てが2次元的なコントロールのみで3次元的なコントロールは出来ません。その結果は、明らかに異なり、単の綺麗に並べ咬ませることも困難で、ましてや口元の調和を考慮するような治療は不可能です。

そんな装置を使っている歯科医が沢山いますが、そのほとんどは、認定矯正歯科専門医ではありません。基本的に簡単に取り外しが出来たり、夜間のみ使用したりといった装置で本当に治るのなら、矯正歯科専門医が真っ先にその装置を使っているはずです。

私の知っている200名以上の矯正歯科専門医で誰もこういった取り外しのできる装置を使って治す矯正医はいません。これが現実です。

残念ながら矯正の臨床技術を習得していない一般歯科医がこれら装置を安易に使用しているのは承知しています。患者さんもネットで検索して簡単、手軽、安価な装置を選択する気持ちは理解出来ないわけではありませんが、自分の口という大事な器官を安売りバーゲン同様に扱うのは、患者さんの口もその程度の物ということになります。

口は生命を維持し、人間関係構築に必要な会話を司る大事な器官です。バーゲン品では、健康やその予防ましてや美しさとは無縁な器官となってしまいます。

歯並びとスポーツの関係


 アメリカではプロのスポーツ選手といえば皆歯並びが綺麗ですよね。特に一流になればなるほどどんなスポーツ選手でも綺麗な歯並びをしています。それは噛み合わせとスポーツ能力には非常に関係が深いことを示唆しています。

野球では打者がバットを球に当てる瞬間のインパクト時にぐっと咬み込むことで力を球に伝えると言われています。また、投手も球を投げる瞬間に強く噛み込むことで球に力を伝えると言われています。ほとんどのスポーツもそうですが、特に球技はインパクトの一瞬に力を集中するスポーツであり、このインパクトが非常に重要な要素であることは誰もが知っている事です。

しかし、インパクトの一瞬に力を集中する場合、綺麗な歯並びで噛み締めるのと不正咬合で噛み締めるのは力に大きな差があります。そして一本一本の歯にかかる負担も異なります。

不正咬合者の噛み合わせは、当然のことながら上下できちんと咬んでいる歯は非常に少なく、その少ない歯に異常な圧を集中的に負担させることになります。綺麗な歯並びであれば全ての歯が咬んでいるので、咬合で加わる圧は全ての歯で分散し負担するので、一本一本の歯にも負担は少なく、効率的かつ長期間に渡り力を発揮できる訳です。

しかし、不正咬合者は、年齢が若く筋力があるときは咬合への負担も多少補ってくれますが、負担過重になった歯は破折したり折れたり、摩耗したりと歯とその歯周組織に大きなダメージを与え、ついにはインパクトの瞬間に力が充分に伝わらなくなります。

王選手の引退は、噛み締める奥歯を酷使し崩壊したために従来の飛距離を出せなくなったことが原因であることは有名な話です。その他にも歯並びが悪くて有名な選手は引退した清原選手、オリックスからメジャーのドジャースに行った中村選手、現在レッドソックスで頑張っている松坂投手などがいます。

清原選手は筋力アップで飛距離を伸ばす試みをしましたが、これは歯並びの悪い彼に取って野球を続ける期間を伸ばすことができましたが、若いときのような本来のバッティングは甦ることはありませんでした。中村選手に至っては歯並びを重視するアメリカにあの歯並びで行った訳ですが、マスコミの報道では最初からあの歯並びでは活躍は難しいという評価があり、あまり期待されていませんでした。にも関わらず、中村選手は随分ドジャースに対し、大物待遇を要求し、結果2軍でもあまり活躍出来なくて戦力外通告を受け日本へ帰国しました。

中村選手はイチローと同年齢ですが、あきらかにバランスや筋力は差があり、片や引退、片や11年連続200本安打という前人未到の大記録を狙う選手です。

松坂投手もそろそろ筋力の衰える年齢にきているようです、怪我が多くなるのはバランスが悪くなっていると言えます。

しかし、それにしても日本のスポーツ選手は歯並びの悪い人が多いですね。若いときにきちんとした咬合を確保することは、バランスの取れた体になり、力の衰えも少なくなるのですがなぜ、矯正して治さないのでしょうかね。

ちなみにヤクルトの青木選手は現役時に矯正治療をし、昨年も200本安打を打つなど大活躍をしています。

講演会


 昨晩は藤沢市歯科医師会で「校医の眼で診る児童・生徒の歯列不正」についてという演題の講演を行ないました。神奈川県では数年前より学校健診で、歯周病とともに不正咬合の項目が増え、歯並びに問題のある児童は保護者へ掛かり付け歯科医で相談するように連絡しています。

しかし、矯正という科目は歯科の中でも特殊性の高い科で。歯科医であってもその専門知識はあまりないと言った事情があります。その理由は大学のカリキュラムに問題があるのですが、他科に比べ矯正科の授業や実習は極端に少なくその内容も歴史的なことが主で実際の臨床に関する授業や実習はほとんど無いと言うのが現状です。

また、矯正治療は他科の治療と違い長期になるために一サイクルを経験するのに最低5年程度掛ります。ですから矯正科を習得するには大学を卒業し、臨床レベルを担保されている指導者に付き10年近く研修しなければならないのが実情です。

そんな中で歯科医師会が担当する学校歯科医の中に矯正を専門としている先生は数人しかいないというのも現状です。そのために、不正咬合を見分けることは出来ても、いつから治療を開始すれば良いのかという判定に迷う学校歯科医が沢山いるのが実情ではないかと考えていました。

そのことを踏まえて、学校歯科医担当者と学校の擁護の先生を対象として、現藤沢市歯科医師会執行部が今回の講演を企画して、一般歯科医の先生方に判定に関する情報を提供するために、矯正歯科の専門医である私を講師として招いてくれた訳です。

私も久々の講演で多少緊張しましたが、無事終える事が出来ホッとしました。質疑応答が少なからず多いだろうと予測して多少時間に余裕を持たせたのですが、それでも予定より5分早く終ってしまいました。久々の講演で緊張したせいか私の悪い癖の早口でしゃべってしまいました。きっと聞き取りづらい点があったのではと反省しています。

予想通り、講演後の質疑応答が結構ありまして仲間内ということもあり、本音の質問とそして答える側も本音で答えることができよかったのではと思っています。

講演後には、大学の後輩の2名の先生達と伴にイタメシ屋さんへ行き、ビールを飲みながら旨い肴を頂きました。最後に自家製生メンのカルボナーラで〆ました。このイタメシ屋さんはこれで3度目ですが本当に旨かったです。また是非出掛けたいお店です。

外に出ますと雨が降っていまして、後輩とここで別れ、私は近くのコンビニで傘を買い自宅迄歩いて帰りました。休みの日でしたが、私には久々に充実した日でもありました。そして多少お酒も過ぎたようです。

現代人のアゴ(その2)

 
堅い食べ物を食べれば顎は発達し、奇麗な歯並びになりますか?と聞かれる事がありますが、これは間違った見解です。

人類の適応による進化とは逆行する本当の退化を意味するものです。
人類は現時点でもさまざまな環境に適応するための進化の途中であり、今も未完成の状態であります。そういった進化の途中で現在は欠如(初めから歯の数が足りない)の進化的退化傾向があり、将来的には現代人よりも歯の数が減少して初めて顎顔面に適応すると言うのが私物学的な定説となっています。


ですから現代人の顎顔面部における成長発育において、適応できていない顎と歯の不調和を生まれながらに持っている現代人が多く存在しているのが、現時点での実情ということになります。

よく戦国時代の武将は筋骨隆々として顎も発達して歯並びも良かったと言われています。それに比べ徳川将軍は代を重ねるにつれ顎は小さく歯並びも悪く現代人に似ていると言われています。その理由として将軍は食事も贅沢で堅いものを食べないことからということが言われていますが、これは食べ物よりも遺伝的要素の方が強いと考えられます。

将軍ともなれば正室や側室と言っても、公家出身や地位の高い武士の娘が選ばれている訳で、すでに食生活の豊かな時代を何代も続けてきたことで、顎は小さく歯並びも悪い者達も多く居たと考えられます。そうしたDNDが徳川将軍家に入ることでより一層将軍も代を重ねるごとに顎の発達の悪いそして歯並びの悪い状態になっていったと思われます。

すなわち一代や二代で食事だけでここまで顎が退化するというよりも、遺伝的要素の方が大きな影響を与えていると考える方が自然だと思います。それから徳川将軍家の食事は今現在の食事に近いということも事実だと思われます。かたや、筋骨隆々の戦国武将の食事は、それこそ質素なもので堅い食べ物だったと思われます。しかし、現代においてこれら戦国武将が食べていたと思われる食事が現実として、今食べられるのか?この戦国武将も何代もこのような食事を続けてきた結果の顎の発達であり歯並びの良さと言えます。

これもまた退化同様に何代も続けることで変化してくるものであり、現代人が生まれた子供に戦国武将と同じ食べ物を与えたとしても一代では充分に顎の発達がなされ綺麗な歯並びになるとは考えづらいのです。ましてや戦国武将が食べていた食事を再現する事自体が不可能だろうと思います。
確かに堅い食べ物を摂取すれば顎は発達するのでしょうが、現代人の顎の小ささはそれこそ何代にも渡って作られてきたものです。戦国武将のような逞しい顎と歯並びを手に入れるには、気の遠くなるような時間が必要ということになります。