現代人のアゴ(その2)
堅い食べ物を食べれば顎は発達し、奇麗な歯並びになりますか?と聞かれる事がありますが、これは間違った見解です。 人類の適応による進化とは逆行する本当の退化を意味するものです。
人類は現時点でもさまざまな環境に適応するための進化の途中であり、今も未完成の状態であります。そういった進化の途中で現在は欠如(初めから歯の数が足りない)の進化的退化傾向があり、将来的には現代人よりも歯の数が減少して初めて顎顔面に適応すると言うのが私物学的な定説となっています。
ですから現代人の顎顔面部における成長発育において、適応できていない顎と歯の不調和を生まれながらに持っている現代人が多く存在しているのが、現時点での実情ということになります。
よく戦国時代の武将は筋骨隆々として顎も発達して歯並びも良かったと言われています。それに比べ徳川将軍は代を重ねるにつれ顎は小さく歯並びも悪く現代人に似ていると言われています。その理由として将軍は食事も贅沢で堅いものを食べないことからということが言われていますが、これは食べ物よりも遺伝的要素の方が強いと考えられます。
将軍ともなれば正室や側室と言っても、公家出身や地位の高い武士の娘が選ばれている訳で、すでに食生活の豊かな時代を何代も続けてきたことで、顎は小さく歯並びも悪い者達も多く居たと考えられます。そうしたDNDが徳川将軍家に入ることでより一層将軍も代を重ねるごとに顎の発達の悪いそして歯並びの悪い状態になっていったと思われます。
すなわち一代や二代で食事だけでここまで顎が退化するというよりも、遺伝的要素の方が大きな影響を与えていると考える方が自然だと思います。それから徳川将軍家の食事は今現在の食事に近いということも事実だと思われます。かたや、筋骨隆々の戦国武将の食事は、それこそ質素なもので堅い食べ物だったと思われます。しかし、現代においてこれら戦国武将が食べていたと思われる食事が現実として、今食べられるのか?この戦国武将も何代もこのような食事を続けてきた結果の顎の発達であり歯並びの良さと言えます。
これもまた退化同様に何代も続けることで変化してくるものであり、現代人が生まれた子供に戦国武将と同じ食べ物を与えたとしても一代では充分に顎の発達がなされ綺麗な歯並びになるとは考えづらいのです。ましてや戦国武将が食べていた食事を再現する事自体が不可能だろうと思います。
確かに堅い食べ物を摂取すれば顎は発達するのでしょうが、現代人の顎の小ささはそれこそ何代にも渡って作られてきたものです。戦国武将のような逞しい顎と歯並びを手に入れるには、気の遠くなるような時間が必要ということになります。