食品残渣を利用した堆肥について、これまでご紹介してきました。
今回は、この堆肥を使った簡単なコンポスト作りをご紹介したいと思います。
コンポストとは、堆肥を作る、という意味です。
家庭での食品残渣を利用して、堆肥化に有効な菌を使って堆肥化します。
昔は、家庭の畑等で普通にされていたことですが、都会化して土させ簡単に入手出来ない現代では、20年程前からコンポストキットが世の中に出始めました。
ただし、国内ではそれ程普及しているというイメージは薄く、継続的にコンポストを利用している人は少ないのではないでしょうか。
10年以上前、読者の人からいただいたEM菌によるコンポストキットを私自身も試してみましたが、臭いがきつく、簡単に堆肥にならないので継続しませんでした。
その後、私は会社の新規事業で堆肥化に携わることになりました。
これまでご紹介してきた放線菌による食品残渣の堆肥化です。
放線菌は、特別な菌ではなく、地球上にうようよいるのですが、堆肥化に利用して成功するのは一筋縄ではありませんでした。
放線菌は微生物という生き物ゆえ、気象条件や環境条件、使用する食品残渣の種類等、いろいろな条件が変わると簡単には活動してくれないのです。
実証実験に10年以上の時間がかかり、本格的に堆肥化処理施設を稼働させてからも何度も失敗し、安定するまでに3年以上の時間がかかりました。
その結果完成したのが、永遠土(とわーど)です。
植物性たい肥「永遠土」|オンラインショップ「おむすび」 (calseed.co.jp)
放線菌による食品残渣の堆肥化の成功例は、国内では数少ないのですが、大変メリットがあるので今後普及して行くものと考えています。
放線菌による堆肥化の最大のメリットは、出来た堆肥の質が善いということです。
放線菌自体が、拮抗菌という病原菌を駆逐する性質を持っているので、堆肥自体、とても清潔感があります。家畜糞尿系とは全く異なります。
そして、出来た堆肥を使用すると、病気のない作物に育ち、味も良くなります。2年間、私自身が実験した結果です。
栄養成分の含有量は、牛糞堆肥や鶏糞堆肥等の家畜糞尿堆肥の方が高いのですが、実際の使用感では放線菌堆肥の方が善い作物になりやすいです。
これは、家畜糞尿堆肥には何らかの病原菌が含まれているからです。
逆に放線菌は、この病原菌を食べていくので強い作物となります。
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この放線菌による堆肥を利用してコンポストを作れば、家庭でも排出される食品残渣から簡単に堆肥が出来ます。
まず、中サイズのダンボールを用意し、ガムテープで上ふた以外の四隅、真下の真中を堆肥が漏れないように止めます。
永遠土1袋(約8㎏)を空け、中身の堆肥をダンボール内に入れます。
6、7分目まで入ります。
この状態で、家庭内の食品残渣を入れます。2キログラム程度は可能です。
水を500ml~1ℓほどかけ、全体をスコップでかき混ぜます。
水分と食品残渣を加えることで休眠していた放線菌が活動しだします。
放線菌が活動しだすと堆肥の温度が上昇します。20℃程度だった温度が40℃を超えることもあります。
魚・肉類等のタンパク質を加える程温度が上がりやすくなります。逆に野菜は温度が上がるのに時間がかかります。
1日1度はスコップ等で堆肥を攪拌した方がいいです。放線菌は酸素を必要とするためかき混ぜて酸素を供給します。
肉類であれば3日もすれば、食品残渣の形が分からなくなります。
野菜系は分解するのに一週間以上かかることもあります。
1㎏程度の食品残渣であれば毎日入れても大丈夫です。
このようにして手軽にコンポストが出来ます。
ダンボールが傷めば、新しいダンボールに変えてあげれば問題ありません。
堆肥の量が多くなれば、畑やプランターに堆肥としてかけてあげれば肥料になります。家庭内での簡単なリサイクルが実現します。
因みに白っぽいグレーの状態に見えるのが放線菌です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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脳の栄養分にはPS(ホスファチジルセリン)です。
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食品由来の堆肥『永遠土(とわーど)』
放線菌が土中の病原菌を駆逐します。善玉微生物がたくさんいる土に変えます。
植物性たい肥「永遠土」|オンラインショップ「おむすび」 (calseed.co.jp)