先週は、仮想通貨を扱う国内最大手の民間取引所、コインチェックにおいて、仮想通貨NEMがハッキングされ、不正に流出する事件がありました。日本円換算で580億円相当、約26万人が被害にあったとことをコインチェックは公表しました。
その後、コインチェックは、被害者に対して、約460億円を自己資金で補償すると発表しましたが、支払時期・方法等は未定としています。
私は、コインチェクが経営破綻し、支払われない可能性も十分にあると考えています。
仮想通貨が、世間一般に脚光を浴びだしたのは一昨年くらいからですが、現在では世界中で700種類以上の仮想通貨が発行され、それを投資の対象にするコインチェックのような業者がたくさん登場しました。昨年末にかけて大幅な値上がりもあり、それまで株やFX投資を行っていた人が仮想通貨に参入して急拡大しました。世界の仮想通貨取引のうち、なんと4割が日本で行われているそうです。
その結果、昨年末には1年間で投資資金が数十倍になった投資家も続出し、一攫千金を目指す人々が続々参入し、投資から投機に変わっていました。取引業者の中でも、芸能人をCMに起用し、積極的に仮想通貨投資を煽っていたのが問題を引き起こしたコインチェックだったのです。
しかし、今年に入って、多くの仮想通貨の取引価格は暴落を始め、先週末には、たった一カ月で多くの仮想通貨が、直近の高値の半分以下になり、経済ニュースとなっていました。
そもそも、仮想通貨とは何なのでしょうか?
現在取引されている仮想通貨の中では、ビットコインが先駆けで、2009年頃に暗号理論によって開発され、世界的に広がりだしたのは2014年頃からのようです。
各国が保証し、発行している通常の通貨は、国際間で輸出入や取引を行う場合、それぞれの国の通貨との間で外国為替、つまり予め決められた交換比率に基づく交換が必要になります。今日のようにネット決済が発達していくと、輸出入の資金決済に、外国為替を取り扱う銀行が介在していては、手間とコストがかかり過ぎるように感じてしまいます。
そこで、全世界で使える、統一通貨があれば資金決済もより便利になるのですが、通貨ユーロでさえ、参加国の経済状態の違いによって、経済的に弱い国・地域は、一層経済が弱体化するという問題点が噴出しているくらいですから、全世界での統一通貨の誕生は現実的には難しいです。
従って、ネット技術の発達とともに、銀行を通さない仮想通貨(暗号通貨)によって、資金決済を行おうという流れが出来てきたようです。
ところが、仮想通貨には大きな問題があります。通貨自体の信用力です。国が保証した仮想通貨が発行・流通されれば信用力は高いですが、国が仮想通貨を保証してしまうと、実物通貨と二重の通貨が発行されることになるので管理が大変です。世界で共通の各国が保証した統一仮想通貨が発行されることが理想なのですが、現時点では夢のまた夢。
そのような中、ここ数年で、民間で仮想通貨の発行が競争化し、700種類の仮想通貨であふれているのが現状なのです。
これら仮想通貨の信用力は、あくまで仮想通貨を保有している人、または保有したいと思っている人の希望価格です。公的な信用力がある訳ではありません。
ところが、昨年後半から、前述のように投機対象となったことで、種々の仮想通貨が大暴騰し、昨年末には仮想通貨長者がたくさん誕生したと推測されています。ネット資金決済の手段として誕生した仮想通貨が、実際には個人資産形成のための手段として扱われだしたのです。特に昨年末からは、ゴールドラッシュのように一攫千金を狙う投機家がこぞって集まってしまったのです。その中心がまさしく日本です。
実体のないバブルは必ず破裂します。それは歴史が証明してきたことです。バブル崩壊の経験がない若い世代は、バブルに気が付かず、金欲に心を奪われ、目が節穴になります。今回の仮想通貨の暴落は、バブルの崩壊に違いありません。
ただし、これはまだまだ序章です。この先、仮想通貨はさらに乱高下するかもしれません。
しかし、今のような投機対象となった仮想通貨の行きつく先は、無価値となり、普及しないと思います。
日月神示に、「金では治まらんぞ。悪の総大将もそれを知っていて金で世をつぶす計画ぞ」(梅の巻第26帖)という一文があります。
悪の総大将とは、邪神を操る天のトップのことでもあります。この意味が分かりますか?
前回記事に書きましたが、「金で世をつぶす計画」とは、天が人間を更正させるための手段・方法なのです。
人間が堕落して来た最大の原因は、金(マネー)にあります。富の獲得ばかりが最終目的になり、人間として転生して来た本来の目的を忘れてしまうのです。
この先、数年後、金(マネー)の在り方に対して、大きな動きがあるでしょう。その時に、多くの人間が、いままでの社会を反省させられるのだと思います。
今回の仮想通貨の問題は、その始りです。まだまだ序章に過ぎません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。