チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる -24ページ目

チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる

この世に生まれて間もなく、人は「ものがたり」と出会い、そこで広い世界とのつながりを作ります。このblogでは、「ものがたり」と共にある人の可能性を探求していきます。

今朝の朝日新聞の記事「養老孟司さんと訪ねる理研」を読んで、昨年騒がれた

小保方さんの問題が大分解けた気がしました。 日本人に合わない制度を輸入した

ことが、どうやら根底の問題です。



“再生医療“という全世界が注目する分野で成功者になるには、大量のデータ、

最新鋭の検査機器、有能なサポートスタッフ等が不可欠なはずです。 理研に

限らずどんなところでも、「予算を取れる」テーマを持った人材を取りに行った

のは自然な話です。



小保方さんの研究はたまたま理研の目に止まって、国から予算を確保する上でも

有難いタマだったはずです。 しかしそれは同時に結果を出すことが至上命題に

なってくる。 内容は世界中で激しい競争を繰り広げているテーマ。

こうして彼女もグローバルな開発競争に巻き込まれていったとことが想像出来ます。 



多額の予算を得た以上成果を求められるのは当然だし、元々信念のある彼女は、

必ず証明できる、との確信を持ってフライングしていったのでしょう。



記事で養老さんが、“生物科学とは歩留まりの世界”と言っていました。 

うまくいくときはいく、ダメな時はダメ。 科学でも客観でもない。 だから

何かちょっとしたきっかけで、出来る時は必ず出来る、そう考えるのは理解可能です。

現場でやっている人たちには、その意識は当たり前のものなのだと思いました。



31歳の小保方さんは重すぎる予算を背負いながら「科学者の道義的責任」と、

本来ならば戦わなければいけなかったはずです。 しかし、真理を巡っての

誠実さを自らに問うような訓練は、私たち日本人は受けたこともないし、

現実の社会も本気で求めてはいません。 



普通なら上司が出てきてストップをかけるのでしょうが、リーダーになって

いる彼女をストップできる人もいなかったのでしょう。 

共通の“夢”がチラついている状況下で、小保方さんも“場”の雰囲気の中に、

自らの「重すぎる」立場を“厳しく“見ることは出来なかったんだと思います。



養老さんも指摘している如く、昨今この国でも流行りだしてきた“一部の優秀な“

リーダーに大きな権限を委ねる仕組みは、日本人には向いていないと私も思います。

組織の仕組みや人間のつながり方を考慮せずに、欧米の方式を輸入することは、

社会を疲弊させ様々な代償を強いることになると、今朝のこの記事を読んで改めて

思いました。 



小保方さんが研究者として一度出直し、また活躍される事を願っています。

2015年が始まりました。 みなさま、あけましておめでとうございます。




昨年は会社としてより個人として、挑戦の多い1年でした。 “協働で生み出すプレゼンテーション”の下に取り組んだプレゼン研修の商品化を纏め、通信系大手に納入しました。 これまで関わりが薄かったキャリア開発領域に取り組みました。 外国人留学生に向けたビジネス研修、大手電機メーカーの横断実施型マネージャー研修など、多様な依頼をこなす中で領域を広げていくことができました。




従来から力を入れてきた「伝承力」の研修は、これまでの技術系人材対象から、営業やスタッフの領域に守備範囲を広げました。その一方で「伝承」する側と対局にある20-30代の若手人材を対象とした実践知“つかみとり”という、反対方向からの研修も漸く形が整い、昨秋研修実施も適いました。


 


大学院のコマをひとつ受け持つこととなり、思いがけずアカデミックな世界の体験もさせてもらいました。従来から学ばせて頂いてきた“ファシリテーション塾”でも、秋から講師の列に加えて頂き、世の中に向けたファシリテーションの普及という、新しいミッションも担い始めたところです。




慌ただしい年だった訳ですが、気がついてみると受身的な挑戦に追われ、自らの発信がすっかり疎かになっておりました。 年末には信頼する友人からこれを“怠慢”と一喝されました。実際このブログも1年前の12月以降アップが止まったままで、”怠慢“の指摘は認めざるを得ません。 世の中に価値を提供出来ているか。何のために独立したのか。 自分は世の中で何を発信することで存在を認めてもらおうとしているのか。 原点が見えなくなっていました。




2015年は、そこのところを“ちゃんと”やっていこうと思っています。 エイシアという会社は、私が海外で仕事をする中で気づいた“仕事人”としてのスキルや在り方の練達を目的とした会社です。グローバルに人や組織が繋がり合う中で、人間としてどう自分を成長させていくのか。 自己をどうとらえ、他者とどう関わっていくのか。 この原点を外さず、人が見てくれてまた研修やセミナーに参加して頂いて“これで分かったぞ”と何かを掴んで帰って頂ける様な、そんな発信と活動を心がけていこうと思っています。




従来からHP上にアップしている「広がる地平」(ほぼ毎月掲載)の連載は、今年も引き続き行っていきます。http://www.asia-corp.jp/report_tihei/report_tihei.html  また、若手の方々を主な対象とした新領域は「つかみとる実践力」という別立てのブログhttp://ameblo.jp/tsukamitoru/ で、今後定期的にアップしていきます。 このブログもエイシア・真門の発信ツールとして、企業人として、また私個人の思いをお伝えすべく、活用頻度を高めていこうと思っています。


 


グローバルに人や組織が繋がり合う中で、人間としてどう自分を成長させていくのか。 自己をどうとらえ、他者とどう関わっていくのか。皆さんと一緒に今年も考えていきたいと思っています。 どうぞ、よろしくお願い致します。















皆さま、こんばんは、


『越境コラボ塾』 塾長の 真門 です。 


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産業能率大学でのセミナー、昨日無事終了しました。


やり始めて2年が経つこの研修が、漸く“メジャー”な場で

披露させて頂けるという事で、誠に有難い機会でした。


実はこのテーマでどれだけ集まるか、関係者は少し心配して

いたと後で聞きましたが、結果的には20社を超える申し込みを

頂き、意外に盛況だったとほっとされていました。 


皆“伝承問題”に困っている事を、改めて実感された様です。


伝承力では“暗黙知”の理解がキーになる為、毎回体感ワークを

入れて説明させて頂くのですが、昨日の参加者は元からこの

方面の関心が高かった模様で、終了後のアンケートでも“とても

為になった“と沢山の嬉しいコメントを頂く事が出来ました。


特に皆一様に壁に当たっているOJTの問題に、ひとつ
回答を提示できていたところが、評価のポイントになっていた

様でした。


人材開発のプロが沢山集まる場で、一応○(マル)の評価には

なった様で、ほっと一息です。


セミナーの本題からは少し逸れたものの、
昨日の話で、私は“伝承”の問題を始めて“グローバル協働”と
絡めて話しました。 年初からずっと自分の中に置いていた
テーマを、持論として始めて人前で話したのです。


その要旨は、


・グローバル人材教育はプロフェッショナル育成プロセスと

 切り離せない
・誇りを保ちつつ自己解体、自己刷新を常時出来る耐性が

 無ければ本物の多文化協働も創造的協働もできない
・熟達者は常に自己刷新を心がけるべし
・伝承者は自ら“脱構築的に”自己刷新する姿を伝承すべし


プロフェッショナルとしての自己の確立は自らの信念体系の

強化、職業人アイデンティティーの確立など、「メンタルモデル」

の構築と重なります。


一方でグローバルな協働やイノベーションに最も厄介な代物も
「メンタルモデル」です。 


つまりこれを解体する用意とスキルが無ければ、見えない

偏見の修正や、まして“多様性の融合“などに対応できない。


自分流を押しつける頑固オヤジになるだけです。


熟達(=「メンタルモデル」構築)の為に全エネルギーを注いで

修練を繰り返し、それが適ったと思った途端に、折角育てた

「メンタルモデル」にメスを入れ、自らの解体を迫られるかも

しれない。 


この何とも酷な運命を受け入れるスキルが必要だと、そんな

話をしました。


参加者の皆さんに、この意味をどれほどちゃんとお伝え出来た

のか、甚だ不安ではありましたが、反応は結構しっかり

いただけました。


自分の中の“グローバル人材育成”というものを、漸く人前で

話せるレベルに来たのかな、と少しですが自信を持てた

時間でした。


このテーマはこれから、少しずつ形にしていこうと思っている

ものです。


昨日のセミナーは云わば、「伝承力」のメジャーデビューであり、
一方で私が今構築中のグローバル協働論のキックオフの場

でもありました。


ドキドキの時間でしたが、結果的に勇気を頂けた場となりました。 


有難い機会に、心から感謝です。


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最後までお読み頂き、有難うございました。
『越境コラボ塾』 塾長 
真門

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皆さま、こんばんは、


『越境コラボ塾』 塾長の 真門 です。 


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仕事のスキマに、
映画「HAFU」 http://www.uplink.co.jp/movie/2013/12408
を観てきました。

   

ガーナ人の母親と日本人の父親を持つデヴィッド矢野さん、

ミックスルーツジャパン代表のエドワード須本さんら5組の

“ミックスルーツ”の日本での生活を追ったドキュメンタリーです。


グローバル化という現象が進んでいくにつれて、彼(女)らの

様に国籍・人種の異なる父親・母親から生まれた“ミックスルーツ”

の人達は急速に増えています。


昨年日本で結婚(入籍)したカップルの7%が、少なくても一方が

外国籍の人だったそうで、日本の社会の多国籍化、マルチカルチャー

化が進んでいることは、もう疑うべくもありません。


ですがこの映画で見えてくる現実は、
日本人の血が半分入っているHAFUの彼(女)らが、
ほぼ共通して“カベ”を感じる“日本社会“という

まだまだ”閉じた“文化です。


理由のひとつは、明らかに言語だと感じました。 

ですが、日本語が出来るHAFUがその壁を感じないか

といえば、そう単純ではありません。 


肌の色や文化の違い、また(出演者の一人でもあった)

韓国の人に対しては(多分)先入観から来る有形無形の

差別が、様々な形で太い線を引いてしまっている事を、

再認識させられます。


ガーナ人の母と日本人の父親のHAFUとして生まれ、

母から離れ一人日本の施設で育ったデヴィッド氏は、

自らのルーツを求めてガーナを訪れます。


 

彼が母の故郷で見たものは、教育施設の不足でした。
そこで土地の子供たちの為に、幼稚園や学校を建て

ようと、彼は志を建てます。


日本に帰国して募金を集めたり、色々な支援を取る為に
様々なイベントなどを進めますが、中々思う様にいかない。 
“無関心”という大きな壁とぶつかります。 

 

でもそんな中で、大勢ではないけれど彼を支援する

日本人の存在に、彼は強く力づけられます。


映画を観ていて救いだったのは、
登場するHAFUの人達が、この社会の排他的な圧力を

感じながらも、一様に『日本が好き』と語ってくれる事でした。


この社会の中には、心で繋がっていける人が少なからず

いる、と、彼(女)らは、自らの直接の経験を通じて確信して

いる様でした。


だからそこに望みがあります。 我々が無意識のうちに作って

いる壁に、もっともっと自覚的になることで、変化は作れると

感じます。



それは私自身がもっと強く自覚して、行動しなければ

いけない話です。映画を観て強烈に感じられたのは、

苦しい境遇を共にする中に繋がりながら生きている

”Mix Roots”の皆さんの笑顔の素敵な事。 



あんな顔が多い社会は、絶対に悪い社会じゃないと確信

出来ます。


これから
“異質性”が交わる接点を少しでも多く作り、先入観や偏見を

僅かづつでも減らしていくことが、益々重要になっていると

改めて思いました。


HAFUの上映は今月15日までです。 残り僅かですが

まだ観られます。


渋谷の UPLINK http://www.uplink.co.jp/  です。

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『越境コラボ塾』 塾長 
真門

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読売巨人軍がONを擁して9連覇を達成した時代の監督だった
川上哲治氏の訃報が入ってきました。 


あの時代、田舎の小学生だった私は、当たり前の様に巨人ファンで、
専ら巨人の選手に偏った知識しか持っていませんでした。


テレビの野球放送は、巨人戦しかやっていなかったのです。


当時はドラフトも無く、財力と名声、読売グループの発信力に
支えられ、高校、大学でトップの選手の大部分を巨人が獲得できた
時代でした。 思えばかなりの程度にやりたい放題でした。


その流れのまま、割合最近まで私は巨人ファンでした。
このパターンの人は、私の年代では結構多いのではないかと思います。
(ちなみに現在は楽天ファン、そしてアンチ巨人です。)


その時代は、東京オリンピックから大阪万博の時代とも重なります。

日本全部が女子バレーボールや男子体操の金メダルに熱狂し、
万博開催に誇りを感じていました。 この燃え方は最近の女子サッカー
より熱いものだったんじゃないかと思います。


大リーグを制したカージナルスとの親善試合に、オールジャパンが
1勝を挙げたと、大騒ぎで報じられていたのを思い出します。


今、改めて当時を振り返って思うに、あの頃の日本は三角形でした。
人口ピラミッドもそうだし、権力構造もそうでした。


野球も司令塔はベンチに集中していて、選手は指示通りにプレーする事が
当たり前でした。 コミュニケーションは基本的に一方向でした。 


川上監督は、そういうレベルでの管理技術に優れていた印象があります。

そしてそれは会社も学校も家も、かなりの程度に共通していたと思います。 
ジャイアンツの一極集中は、象徴的です。 


自主性という言葉は無論有ったでしょうが、今の状況と比べれば、
大分限定されたものだったのではないかと思います。


そして今、あの三角はほぼ無くなってしまいました。 


これはよい意味もあり、困った意味もあると思います。 
いずれにせよ、三角時代とそうでない時代は人の関わりも随分変わって
くるので、そこは意識してこれからの社会を作っていかなければいけません。



川上哲治氏の御冥福を、心よりお祈りします。


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『越境コラボ塾』 塾長 
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