チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる -25ページ目

チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる

この世に生まれて間もなく、人は「ものがたり」と出会い、そこで広い世界とのつながりを作ります。このblogでは、「ものがたり」と共にある人の可能性を探求していきます。

皆さま、こんにちは、

『越境コラボ塾』 塾長の 真門 です。 


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多文化・多国籍・多世代がコラボレーション
する時代の、人と組織を考えるブログです。
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ある勉強会で“伝承力”の話をしていたら、


“時代が変わり、以前の成功体験に固執する事が逆に
 自分の足を引っ張るかもしれないのに、先輩の体験を“伝承”
 するのは、流れに逆行しているのではないか“


という質問を受けました。 


このご指摘は一理あります。 


過去を断ち切って、新しい方向に進まなければならない時に、
余計な成功体験を“伝承”され、
その結果間違った方向に舵をとって失敗した、
なんて話では洒落にもならないでしょう。


そのリスクを、否定する気はありません。 

ですが私は、2つの話で質問に答えました。


一つ目は、“破壊と創造”と呼ばれるケースでも、創造の基盤には
必ず質の高い「知識」が必要であり、
それらは組織の中で伝えられていなければならない、ということ。


コアコンピタンスは、外から簡単に持ってこれるものではないからです。


以前、カンブリア宮殿というテレビ番組で富士フィルムが取り上げられて
いました。


社名にある“フィルム”という中核事業の比率を積極的に引き下げ、
思い切って医療分野や化粧品分野に資源を集めて、
会社の危機的状況を乗り切ったという話です。


表面的には全く違う衣(事業内容)に変えた訳ですが、この原動力に
なっていたのは、フィルム技術で磨いた“ナノテクノロジー”分野の
基礎技術を社内でしっかり育てていた事だったと、語られていました。 


「知識」が内部で伝承されていなければ、この様な展開は不可能です。


二つ目は、“伝承”という行為が元来「創造」を含んでいる、という話です。 


“時々の初心”とは室町期の能の大家、世阿弥の言葉ですが、
時代が変わり社会が変われば、芸も変わっていかなければならない。
それは今も昔も同じです。 


先達のワザがどれほど素晴らしいものであっても、それを引き継ぐ者は、
自分を取り囲む環境に自らのワザを適応させ、
直接自分と関わる人々から評価をもらえなければいけないのです。


世阿弥は一度覚えた芸に慢心せず、常に見直し磨けと、
その“伝承”の書である「花伝書」で繰り返しています。


彼はこれを“初心”と表現しましたが、
現代に当てるなら、それは“創造”と対応しています。


変化が大きい時代とは、“適う”為に大きな創造性が求められるからです。


変化が大きく従来型では立ち行かない時代には、
既存の「知識」の伝承を否定的に見る見方も出てきてしまいますが、
それは本質を外していると、私は思います。



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最後までお読み頂き、有難うございました。
『越境コラボ塾』 塾長 
真門

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NPO法人 はたらく場研究所 の分科会であるファシリテーション塾
(塾長中島崇学)のメンバーが企画したワークショップ 「Let’s 企み」に
先週参加しました。


人生に現れる様々なイベントを“企み”に溢れたものにしていこう、
という主催者のメッセージに惹かれるところがあったので、どんな
智慧を頂けるのかと期待して参加しました。 


が、結果は思いもよらないものでした。


私は昨今停滞気味の中国ビジネスを再活性化しようと、
自分なりの企みを持ちこんだのですが、


他の参加者と話しているうちに、
自分がビジネスを始めた頃に抱いていた想いを、
いつの間にか忘れていた事に気づきました。


9年前の夏、私は社会人大学院生として論文を認むべく、
フィールド調査を、南京で行っていました。 


自分自身が商社員として海外赴任で感じていた事を、
フィールドで再確認しようとしていたのです。


調査の時に感じた日本人・中国人の働く意識のズレを、
何とか“見える化“出来ないものかと商品化したのが、
今私が扱っているDOCという
組織コミュニケーションの診断ツールです。


「日常の業務フレームに捉われない互いの正直な声を
“見える化”することで、
互いが抱きがちな不信感が取り除けるだろう」と、考えたのです。


大学院の組織コミュニケーションのテキストを見ながら


原案を作り、別の大学から来ていた量的調査の先生の研究室に
押しかけ無理やり教えを請い、
難解な組織論の本を読み漁って必死になって作り上げました。 


今思うとすごい馬力でしたが、その時の自分には、
日系企業の中で苦悩する駐在員に、自信と安心の礎を作りたい、
との強い想いがありました。

 

相手(従業員)の本当の心が見えないままに、
大きな意思決定をする際の恐怖感を、
私はアフリカ駐在経験中に味わっていたからです。


ところが、今回「よし、企むぞ」とビジネスの復興を目指した自分は、
かつてあったそんな想いを、完全に置き忘れていました。


ハッと思った後のワークショップでは、周囲の”ノリ”は壊さない様に
注意しながらも、「企む」は横に置いて“自分の見つめ直し”に
途中から焦点が移っていました。 


私の場合は、それこそが必要な作業だったのだと納得しています。
だから今回の学びを綴るなら、
“企む前に自らの動機を問うこと” でしょうか。


それにしても予想していなかった、貴重な気づきを頂きました。
ワークショップが持つ不思議な威力を実感出来た体験でした。


「チーム企み」のメンバー、
そして共に参加されていた皆さまのおかげです。


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『越境コラボ塾』 塾長 
真門


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JR北海道が、レールの幅の拡大など異常を放置してきた事が
次々と明らかになり、大きなニュースになっています。


調査が入り、実態が明らかになってくるにつれて、
30年も前から問題箇所が放置されていたことが判明しました。


地元の人は、この事実にぞっ としたことでしょう。


不思議に感じられる事は、そんなずさんな状況を続けていた割に、
問題はここ2-3年頻発し始め、それ以前は
印象に残る様な事故が、起きていなかった点です。


専門家によると、’87年の民営化以降暫く同社は新規採用を
抑えていた為、人材的にその辺りが薄いのだそうです。


今40代くらいで現場のリーダーとして指揮を取るべき人が、
頭数としてそもそも少なく、
下の層への現場の教育が、手薄になったという事かもしれません。 


もしそうだとしたら、上に大量におられるベテランの知が、若手に
伝承されないまま消えてしまったり、
どんどん錆びついて陳腐化している可能性があります。


保線担当者への聞き取り結果では、レール幅の基準などについて、
「引き継ぎが無かった」、「教えられたが、覚えていない」
など、耳を疑いたくなる様な話が出てきていました。


あくまで推測の話ですが、ここに来て事故が急激に出てきた背景は
いわゆる“熟達者”達が、現場から大量に離れて行った事に
よるのではないかと感じます。


常識的に保線の様な大変な仕事は、常時全てを完璧に保つ事は
出来ないでしょう。 これはJR北海道に限らず、どの様な世界でも
似たりよったりです。 


ですがいわゆる熟達者と呼ばれる人達とは、完璧に出来ない中で
事故に繋がりそうな部分を察知する感性を持っていて、
ヤバいところに警鐘を発する事で、問題を回避するものです。


“やるべき”仕事が大量にある中から、“どうしても今やらなければいけない”
仕事を選りわけることの出来る人達な訳です。


数年前までのJR北海道は、こうした方々の“感性”に助けられながら、
何とかボロを出さずに済んでいたのではないか。 


そしてそこが抜けた途端に、
今の様な無様な形に転落していったのではないかと、そう感じられるのです。


2007年問題と騒がれた状況が、2013年になって
(つまり5年間の定年延長も期限が過ぎて)噴き出し始めたのか、


何かの事情から、ベテラン達が現場から排除されたのか、あるいは
何かの原因で彼らの士気が下がってしまったのか、本当のところは
分かりません。


ともあれ事が人材育成に関わるので、問題は根が深く、対策もかなりの
長期戦になるはずです。  報道から感じられる本質的な問題は、
鉄道マンの『気概』の様なものが喪失している様に見えることで、


もしそうであるなら、本当に寂しいことです。



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『越境コラボ塾』 塾長 


真門



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豊田英二 トヨタ自動車最高顧問逝去の、報道がありました。 
100歳だったというのですから、天寿全うというべきでしょう。 

学生時代に同氏の話を読んで、すごく感動したのを覚えています。 
戦後間もなく、渡米してフォードの工場を視察した話です。

当時トヨタは1日40台の車を生産していたそうですが、
彼が見たフォードの工場は1日8,000台生産していたそうです。 

さぞかし驚いたと思いきや、豊田英二はその時、

1. 規模は全然違うが技術はそれほど変わらない
2. 課題は 鋼材の材質 と 工作機械の精度

と、得るべき情報を冷徹に確認し、本国に伝えていたそうです。 

事実帰国後に早速、必要な工作機械を欧米企業に発注し、
国内の鋼材の品質改善にも取り組んだと言います。

さらに加えてこの人は、フォードの工場のあちこちに“仕掛品”、
つまり作りかけの中間製品が山のように積んであるのをみて、

工程に“無駄が多い“ と感じ、

そうしない為にどうしたらいいのかを、考え始めたのだそうです。

結局この経験から、ジャストインタイムのトヨタ生産方式が生まれ、
それから60年経って、フォードを凌ぎトヨタは世界一の
自動車メーカーになっていった訳です。

トヨタという会社の持つDNAが、こういう所にも現れていたのでしょうが、

自分達にとって本当に重要な情報を、
外見に惑わされることなく、
しっかり切り取る力の大切さを教えてくれる話です。

本質(=何が自分達にとって本当に大事なのか、をブレさせないこと)を
しっかり捉える力。

豊田英二のエピソードと共に、是非覚えておきたいものです。


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5月にアマゾンから電子ブック化で出版した拙著、



『仕事の伝承力』 - プロ人材を育てる4つのプロセスと4つの役割
http://ss.st/jUxR



は、今多くの組織で難しくなっている、組織内の“知”の継承を進めていく
方法と考え方を示したものです。



意外に幅広い方々にお読み頂いており、企業の現場の方々から、大学の
先生、学生などからも反応を頂けて、とても有難い刺激になっています。



尚、正式発表前で具体名が出せないのですが、某大学の研究所で、
本テーマを企業向け公開セミナーとして取り上げて頂く事にもなりました! 
有難いお話です。 (また、ご報告いたします)



本の中でキーになっているテーマは、仕事の中で求められる、
かなり応用度の高い、しかも説明困難な“知”を、どうやって伝えていくか、
という問題です。



新人にOJTを施し仕事の実践を繰り返させていくと、
あるレベルまでは殆どの人が到達します。 



ですがホワイトカラーでは、3-5年目辺りから、皆ぼちぼち壁にぶつかり始め、
極く一部の“卓越者グループ”を除くと、結構停滞組が増えてきます。 



そしてそれが、8年経っても10年経っても中々上がって来ない、
という困った事態も起きています。



先輩方も、自分達はいつの間にか出来るようになったけれど、
今出来ないで苦しむ彼(女)らに、どう教えれば出来るようになるのか、
となると、中々説明に窮してしまうわけです。



例えば“営業”という職種を考えてみても、
相手によって話し方を変えるとか、強めに押すとか引くとか、
自分でやる時は何とかやっていても、説明するとなるとこれは中々難しい訳です。



こうした説明が苦しい事柄は、“暗黙知”と言って、
自分が普段意識していない領域にある“知”が主役的にはたらいている為に、
本人も客観的に語る事が難しい部分なのですね。



そして何より、こうした部分は確かに“伝承“という側面は持ちつつも、
継承者(後輩)の側が、自らの内側に独自のものを形成していく為の
契機が決定的に必要です。



‘90年代(つまり20世紀)までは、後進育成に先輩が無頓着でも、
仕事(組織)の複雑度が今ほどでは無かったし、職場のコミュニティーが色々機能して
いた為に、継承者(=後輩)側も何とかかんとか、自立していく事が出来ました。



ですが、’00年辺りを境に、職場の環境も仕事の構造も劇的に変わってきていて、
従来の形で“知”を継承する事が、非常に難しくなってきたのです。



学ぶ側に“やる気”があっても、学ぶ材料とかものごとを理解する契機が
決定的に少なくなっており、自分流の型を作る手前のところで、
行き詰ってしまうパターンが増えてしまったのです。



その詳細まではここで語りきれませんが、この本ではこうした状況への
対処法として、「伝承者」(多くは先輩方です)の伝える力、支援する力を
強化することを提案し、具体的な方法を示しています。



アマゾンなのでKindle で読むのが一番楽なのですが、 iPad等タブレットや
スマホ(ちょっと細かくて読みづらい)でも読む事が出来ます。 (残念ながら
PCには対応していません。)



全体で130ページ程です。 それほどに負担では無いので、
ご興味がありましたら是非、ご一読ください。



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