春4月
新しい季節がまた巡ってきた
この時期は暖かくなってきたと思ったら
寒くなったりで体調が崩れがち
ヤナギの木枝からもたくさんの花が出てきた
何かと忙しく
自分の中では新しい季節をまだ確認できていない
周辺の山にはカタクリの花が咲き始め
ヒメと名のつく蝶たちが蜜を吸いに来ているらしい
(土日の天気がよくないので今年は逢えるかな・・)
今年の冬は昆虫観察から完全に離れていた
本格的な活動開始の前に
「もっと観察を深めたい」
と感じている虫たちを不定期で紹介したい
今回は 日本一の美しさを持つ
「ヤマトタマムシ」だ
多くの人たちにとっても憧れの甲虫だ
約8年前に羽化したばかりの♀1頭を
実家の裏山にある1本の老木で初採集した※
その標本は年月が経っても未だに色あせないが
虫に食われたのか頭部が少し欠けてしまっている
夏に裏山を覗いてみると竹藪が深過ぎて侵入ができない
まるで「天然の要塞」になっていた
8年前とはずいぶん変わってしまった
あの夏は奇跡のようなタイミングで採集できたのかもしれない
もしあの時
タマムシとの出逢いがなかったら
昆虫ブログを書こうとはしなかっただろう
時は過ぎて昨年の夏
幸運にも某県の「ヤマトタマムシ」♀1頭を購入できた
この「ヤマトタマムシ」の輝きを見てほしい
自然界にはこんなに美しい昆虫がいることに改めて驚き感動する
観察して改めて感じたことは同じ甲虫のクワガタ等と異なり
分からないことがとても多く飼育がとても難しかったことだ
羽や腹部はゴキブリのように柔らかく
指に力を入れて摘まむと潰れてしまいそうだった
何故か上へ上へと登っていく習性がある
カミキリムシのように小さく丸い糞もする
成虫が主食としているエノキの葉が手に入らず
近所の桜(ソメイヨシノ)の枝葉やリンゴを与えてみたが
まったく口にしなかった
ネットでも調べては見たが分からないことが多すぎて
貴重な生態が4日ほどで×になってしまった
♀を飼育したら♂も飼育したくなるのだが
♂は夏の暑い日にエノキの高い部分を飛び回り続けるため
竹竿のような超長い捕虫網が必要らしい
フィールドを探す時間も余裕もないゆえ未だに♂は幻のまま
フィールド採集は夢のまた夢だ
運がよければ今年の夏もぜひ購入したいものである
この貴重な「ヤマトタマムシ」を飼育して増やそうとしている
先生をブログで知った
『千年の輝き~ヤマトタマムシ生育の秘密~』知玄舎発行
など数少ないタマムシの書物も書いている芦澤七郎先生だ
先生は中学生の時に初めて「ヤマトタマムシ」に出逢った
そのことが忘れられず
50代半ばに本格的に飼育・観察を始めたと著書に記している
著書には生きたタマムシを手に入れ
飼育・ブリード等に成功するまでを簡潔にまとめているが
その苦労は並大抵ではなかっただろう
そのようなヤマトタマムシではあるが
宮城県では絶滅危惧種I類に指定されている
生息数そのものが少ないので採集・飼育は大変難しく
保護しなければならない甲虫でもある
採集しようとして採集できる甲虫でもないのだ
私も50代半ばになる
ライフワークとしての昆虫観察
芦澤七郎先生のヤマトタマムシに限らず
昆虫とのめぐりあいを家族同様に
「めぐり愛」
にまで高めていきたいと感じている
平成29年4月3日(月)
平和は私から始まる 感謝
※ 現在(4月23日)の裏山の画像
手前の老木がタマムシが羽化した老木である
画像には写っていないが竹藪におおわれ周辺には
ヤマザクラが咲いている