夏が終わる
夏虫たちにとって夏が終わるということは、
連環され続けたひとつの世代が終わることを意味する
鳴いていた蝉の声も今は聞こえず
秋虫の鳴き声に代わった
短い夏のある夜に
古い身体を脱ぎながら完全変態するエゾゼミ♂
時を忘れ
幻想的なその美しさに心惹かれる
大人に変化したばかりのその姿は
少年から大人になりつつある自分の息子と重なり合う
長い年月をかけ
大地の中から這い出した一頭の若ゼミよ
照りつける輝く光の世界の中で
光輝くその世界を自分色に染めよ
エゾゼミ
仙台市近隣でも松林の多いところで見られる
今年の夏は
クワガタやカブトムシの数は極端に少なかったが
セミ類の多さは例年以上だった様な気がした
平成28年9月5日記