ナミハンミョウその姿 | ぶなまつの昆虫的エッセイ

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昆虫の「生活史」をメインに、裏山にて「ソロ虫活」を楽しんでいるシニアです。
読書と哲学と自然が大好きです♡
イハレアカラ・ヒューレン博士を心の師としています。
平和(^^)/は私から始まる。
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これはある甲虫の後翅を電子顕微鏡(500倍)で見た様子
 
長い六角形が反射板のように規則正しく並んでいる
 
標本そのものが古いものなので、
 
六角形の中には小さな埃がたくさん付着していた
 
 
 
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これは複眼を600倍で見たもの
 
これも見事な六角形で規則正しく整列している
 
真ん中が裂傷しているが、
 
これは標本そのものが傷んでしまったため
 
 
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これは甲虫の横顔だが、
 
突き出た眼球にノコギリのような大アゴがすごい
 
ここまで見た方は
 
既にこの甲虫の正体がわかってきたのではないだろうか
 
 
 
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これは脚の部分を1,500倍に拡大してみた画像
 
右上から白い毛が生えている
 
 
この甲虫の正体は???
 
 
???
 
 
 
「ナミハンミョウ」
 
である
 
 
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残念ながらカラーで見ることはできなかったが、
 
電子顕微鏡で初めて見たその姿にとても驚いた
 
 
 
このような機会に恵まれたことはとても素晴らしいこと
 
この場をお借りして改めて感謝を伝えたい
 
 
 
 
 
 
 
ナミハンミョウの新成虫がそろそろ出てくる頃と思い、
 
フィールドに赴く
 
息子の記している記録を見ると
 
 
 
昨年の発生を確認した日が8月10日だった
 
その時は5頭を確認している
 
 
羽化した新成虫に出逢えることを楽しみにして、
 
新祝日となった山の日(11日)の昼、
 
ワクワクしながらフィールドに赴いてみた・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
天候もよく、
 
真夏日であるのだがナミハンミョウは発見できなかった
 
ハンミョウかなと思ったら小さなアブやバッタだったり・・
 
「今年の新成虫は例年よりも遅いのだろうか?」
 
 
あきらめて帰ろうとしたとき、
 
1頭のナミハンミョウが近づいてきた
 
それが下の画像である
 
 
 
 
 
 
 
 
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そっと近づいて採取してみた
 
 
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採取に成功!
 
新成虫ということで少し軽い感じがした
 
しかし・・
 
 
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指の力を緩めた瞬間、
 
あっという間に逃げられてしまった
 
 
約1時間の観察で確認できたのは
 
結局この1頭の♂のみ
 
今季も数が少ないのだろうか・・
 
 
 
 
 
彼らハンミョウ類は
 
アスファルトのある人間が作り上げた環境では生きていけない
 
 
 
岩場・砂漠・河原・砂浜等
 
植物の少ない裸地に生活するとても個性的な甲虫だ
 
 
 
彼らの生態を息子とともに観察しながら、
 
早くも3年目になろうとする
 
 
 
 
 
限られたナミハンミョウの生活空間が
 
いつまでも残ってくれることを願いたい・・
 
 
 
 
 
 
 
 
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ぼやーっとしながらもの思いにふける自分
 
 
 
 
 
 
翅を休めたオニヤンマが静かに
 
私の姿を見ていた
 
 
 
 
 
「(君と同じ肉食の)ナミハンミョウに
 
 
 
今季もたくさん出逢えますように・・」
 
 
 
と願いを込めて語りかけてみた
 
 
 
 
 
オニヤンマは
 
 
 
何事もなかったように
 
青い夏空に飛び去って行った
 
  
 
                                   
 
 
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今回も幼虫は発見できず、巣らしい巣も発見できなかった
 
 
 
 
  平成28年8月山の日に確認
 
 
 
 
 
 
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追記 
 
 終戦記念日の曇り空の午後、
 
1頭の♀を発見
 
鉛筆
 
しかしながら、
 
発見したのはこれ1頭のみ
 
 
どうやら地元産のナミハンミョウは、
 
昨年よりも羽化活動が遅れているようだ
 
 
台風の影響で悪天候がしばらく続くらしい
      
敏感なナミハンミョウの頭数が増えるのは、
 
まだ少し先なのかもしれない
 
 
 
 
平成28年 8月15日 月曜日 (71回目の終戦記念の日)