真夏の忘れ物 | ぶなまつの昆虫的エッセイ

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昆虫の「生活史」をメインに、裏山にて「ソロ虫活」を楽しんでいるシニアです。
読書と哲学と自然が大好きです♡
イハレアカラ・ヒューレン博士を心の師としています。
平和(^^)/は私から始まる。
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晴れ  7月29日に梅雨明けをした仙台市南部
 
 本格的にクワカブの季節がやって来たのは嬉しいが、
 
 フィールドに赴いても活動しているのはセミや小さなチョウぐらいだ
 
 夏の大型甲虫の代表といえば
 
 ミヤマクワガタ・ノコギリクワガタ・カブトムシ・シロスジカミキリ・・
 
 しかし今季はそのどれも数が少ない
 
 このまま終わってしまうのだろうか・・・
 
 このまま夏が終われば
 
 【大きな忘れもの】
 
 をしたまま終わってしまう
 
 【大きな忘れもの】
 
 それは大型のミヤマクワガタ♂を自分の力で採ること
 
 
 仕事帰りの先月に、
 
 1頭の大型♂を採ったにもかかわらず逃げられてしまったことが
 
 今も心のどこかに引っかかっているのだろうか・・
 
 その後も何度かフィールドに出向いたがミヤマクワガタは全然採れず
 
 
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 土日に仕事も重なり、
 
 いつの間にかフィールドにも足が遠のいてしまっていた
 
 
 
 
 8月に入り久しぶりに山道を歩く
 
 真夏日になるとセミがぶつかってきたり、
 
 ウシアブ・ハチ・ブユ等に襲われるのも珍しくない
 
 重い脚を動かしながらゆっくりと杉林の斜面を登る
 
 発生木を舐めるように確認しても何も発見できず・・
 
 今季はこの場所も樹液が少なく、
 
 虫付きも悪いようだ
 
 クワガタもカナブンも全く活動している姿が見られず・・
 
 こんな光景を今季は何度も見てきたからだろうか
 
 つぶやいた言葉が
 
 「ここもやっぱりだめだったな」
 
 の一言
 
 
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 あきらめて車に戻ろうともしたが、
 
 せっかくここまで歩いたんだから山道の脇道をたどりながら、
 
 奥にあるよさそうな樹木も見てみようと思った
 
 太いコナラを蹴るとミドリ輝くアオカナブン2頭がおちてきた
 
 どうやら子づくりの真っ最中のようなのでそっと葉の上に戻した
 
 
 
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  ( アオカナブンの色彩と木の葉の色彩が同じですね   アオカナブンも大好きです)
 
 
 
 
 クマに出逢わないように
 
 ホイッスルを吹きながら寂しい道を少しずつ歩く
 
 右に左に道が細く分かれているため
 
 通った道を忘れないように歩む
 
 少ないながら
 
 太く長いクヌギもコナラやミズナラと混合していた
 
 植林したものだろうか?   
 
 それとも自然のものなのか?
 
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 何もいないのを確認し、
 
 蹴りやすい手前のクヌギめがけて右足キックをしてみた
 
 何か落ちた音がした
 
 もう一度蹴ってみた
 
 すると木の下に1頭の大型ミヤマ♂が横たわっていた
 
 上翅の右側に小さな挟まれ跡があり、
 
 右顎の先も少し欠けていた
 
 しかしながらそれは闘いの中で生じた勲章にも見えた
 
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 山の神は私を見捨てていなかった
 
 大切に持ち帰り自宅で測ると71mm
 
 【大きな忘れもの】
 
 をやっと発見できた
 
 
 真夏のこの日、
 
 ミヤマクワガタ♂が採れたのは1頭であっても、
 
 この1頭は自分にとってかけがえのない
 
 涙が出る程の嬉しい1頭になった
 
 
 
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     平成28年8月5日(金)仙台市南部近隣にて