新緑のブナの中で | ぶなまつの昆虫的人生エッセイ

ぶなまつの昆虫的人生エッセイ

昆虫の「生活史」をメインに、裏山にて「ソロ虫活」を楽しんでいるシニアです。
読書と哲学と自然が大好きです♡
イハレアカラ・ヒューレン博士を心の師としています。
平和(^^)/は私から始まる。
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 晴れ天気も良く、行楽日和の日曜日。
 家族を連れて隣県の高山へ向かう。
 
 前回のコルリクワガタ採集の再挑戦だ。
 
 「今日あたりがベストだと思うのだが。
 まただめだったら・・」
 
 不安が脳裏をかすめた。
 
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 標高を上げていくと、

 新緑のブナの葉がざわざわと揺れ、
 私たち家族を迎えているように感じた。
 現地は雪どけが進み地表が姿を見せている。
 
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 昼の駐車場にはすでに先行車が5~6台駐車していた。
 
 「すいません。何か採れましたか?」
 
 息子と私は焦りながら車から降りて、
 大きな補虫網を持参し歩いている中年男性に話しかけた。
 その方はギフチョウを中心に採集していた。
  4~5頭の採集に成功し、満足そうだった。
 他にも先行者がルッキングをしていた。
 
 「先行者たちにクワガタも採集されてしまっているのでは・・」
 
 息子と焦りながら急いでルッキングを始める。
 不安は的中してしまった。
 
 「コルリがいない・・・
 昨日の土曜日は午前中雨でも午後から好天になったので、
 今日の午前中にかけて採集者がたくさん来た確率が高いぞ。
 この日は確実にいると判断し、
 親子での採集を楽しみにしてきたのに、
 採集された直後ほど虚しいものはない」
 
 ブナの新芽を見ると9割ほどが開いていた。
 どうやらこの1週間でどんどん葉が開いたのがわかる。
 
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 先行者たちから離れ、
 諦めずにブナの新芽をじっくりとルッキングする。
 前回と異なり、
 新芽にはたくさんのアブラムシやアリの集団が固まっていた。
 コメツキムシやハムシなども活動している。
 虫の付き具合はいい感じだ。
 
 気持ちをリセットさせるために深く深呼吸をする。
 じっくり舐めるように見ていく。
 
 「いた!
 間違いない」
 
 1年ぶりに見るブナの新芽に潜り込んでいたコルリクワガタ♀。
 画像を撮るが、焦点が当たらず必ずピンボケしてしまう。
 
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 しばらくして息子もコバルトブルーの♂を採集する。
 しかし後が続かない。
 コルリがいないのだ。
 昨年は新芽にたくさん寄って来たのを覚えているが、
 今年はどうしたことか飛んでいる形跡もない。
 何度も同じ場所周辺を見落としていないか確認する。
 
 「どうやら今度はタイミングが遅かったようだ。
 基産地ということもあり、採集圧が強いようだ。
 何度もここに来れないので、今回はお父さんの判断ミスだ。
 ごめんな」
 
 『しょうがないよ。でもこんなにも採集者が多いのがわかっただ
 けでもよかったよ』
 
 「お父さんもびっくりした。運が悪かったな・・」
 
 ワンペアでは少し寂しく感じ、
 場所を変えようと雪の上を歩いた瞬間だった。
 
 「うわ、すべった!!!」
 
 前のめりにすべり、
 気が付いたら汚れた雪を食べてしまっていた。
 今度はそれを見ていた息子も同じように顔面から滑り込む。
 2人とも完全に泥だらけになってしまった。
 雪どけの道は本当に油断できない。
 
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  ハプニングにも負けず、
 2人あきらめないで時間をかけルッキングした結果、
 1頭ずつの♂♀を追加。
 合計♂2頭・♀2頭・合計4頭のコルリクワガタを採集。
 1頭のギフチョウの姿を見かけるも、
 残念ながら画像に写せずに終わった。
 もうすぐ新芽も完全に開いてしまう。
 おそらくここのコルリクワガタも今日までが限界だろう。
 ボウズでなくてよかったことを2人で話しながら、
 駐車場で私たちを待っていた妻たちに結果を報告する。
 今季は本当にタイミングがつかめなかった。
 先行者も多いという事実も知った。
 そのような中でも、
 何とか今季もコルリクワガタに出逢えてよかった。
 
 ありがとう自然よ。
 また来季にこの場所で逢いましょう。
 感謝(^◇^)
 
 平成25年5月17日(日) ユキグニコルリクワガタ基産地にて
 

     ★現在、自宅で飼育中のコルリクワガタは、

     温度管理が難しく♂1頭が×になってしまった。