宏美さんとの吉田美奈子さんの親しいご関係は、いつ頃から始まったのだろう。1996〜7年に「BELIEVIN’」愛がいっぱいそっと愛して」と美奈子作品のシングルが続く。そしてその3曲は、アルバム『Shower of Love』に収められて(「BELIEVIN’」は美奈子さん編曲のオリジナル・バージョン)いる。

 

 そしてこの宏美さんが参加しているという「HEART TO HEART」が収録されている美奈子さんのアルバム『KEY』も1996年のリリースなので、90年代半ばには既に親しく交流されていたものと推測される。

 

 『Shower of Love』再発の折りのライナーノーツには、美奈子さんとのレコーディングのことが出てくる。「(美奈子さんが)一緒にスタジオにいるというだけで、心臓がバクバクしていました」と書かれているので、きっと憧れの方だったのであろう。その後美奈子さんのスタジオに遊びに行った際、「一緒に歌わない?」と言われてコーラスで参加したのがこの曲だそうだ。

 

 この『KEY』というアルバムには、宏美さんのアルバムでもお馴染みのドラマー沼澤尚さんや、サックスの渕野繁雄さんの名もクレジットされている。沼澤さんが参加している13CATSはもちろんのこと、塩谷哲さんや佐藤竹善さんなども含め、お互いのアルバムやライブなどに相互乗り入れをしており、この90年代後半は最もそれが盛んに行われていた時期だ。このような音楽を通じて繋がった仲間が、お互いに刺激し合って音楽を高めていったのであろう。

 

 この「HEART TO HEART」であるが、なかなか歌詞もふるっている。少しだけ引用してみよう。

 

♪ 一生に一度の劇的な人生を!なんて 

 大袈裟には思わないけど 

 どうせそれなりの暮らしだから 

 こりゃ面白い!と 言えなきゃヤだもん

 

♪ 手と手.眼と眼.顔と顔を合わす 

 時間の狭間に擦れ違う人々の内には 

 こいつだけはどうしても好きじゃ無い! 

 なんて奴も居たりするよね 

 

 曲も16ビートで、渕野さんのサックスがブリブリ唸る。思わず一緒に手拍子して踊りたくなるような、ファンキーなゴスペル・ソングといったノリである。美奈子さんのナンバーはコーラスが重厚なものが多く、この「HEART TO HEART」も、なかなか正確に「これが宏美さんの声だ!」と言い当てるのは難しいかも知れない。Youtubeにも上がっていたので、皆さんも是非お聴きになって宏美さんの声を当ててみませんか?😉「HEART TO HEART」は29:56辺りからです。

 

 

 宏美さんと美奈子さんとは、今でもお付き合いがあるようだ。2年ほど前に、宏美さんが新宿PIT INNで行われた美奈子さんのライブに行かれたという投稿があった。そこに美奈子さんらと撮った記念写真があったので、お借りしてご紹介しておこう。

 

宏美さんのインスタより

 

 そして是非また、美奈子さんと宏美さんのコラボレーションも復活させていただきたい。😍

 

(1996.10.23 吉田美奈子 アルバム『KEY』収録)