ご存知、1981年の同名映画『Endless Love』の主題歌。映画は当時15歳だったブルック・シールズが主演。この曲はダイアナ・ロスとライオネル・リッチーがデュエットし、全米1位をはじめ、世界中で大ヒットした。作詞・作曲もライオネル・リッチー。

 

 

 同年のリサイタルで、宏美さんがタイム・ファイブの田井康夫さんとデュエットしている。この年のリサイタルは、ひとり芝居のミュージカル『雪物語』に第1部の全てを費やす、という宏美さんサイドの大いなる挑戦があった。その分、第2部に例年のような洋楽カバーやヒットメドレーが凝縮されて詰め込まれている。「すみれ色の涙」の大ヒットもあり、大いに盛り上がったリサイタル後半であった。

 

 その第2部の幕開けがこの「エンドレス・ラブ」である。この曲のテーマが高らかに奏でられるオープニングから、静かなピアノのイントロへと。田井さん独特の高音で、「♪ My love/きれいな朝だね〜」と始まる。そして宏美さんが「♪ My first love/このままおねがい〜」と応じる。訳詞は岡田冨美子さん、編曲は前田憲男さんだ。

 

 『雪物語』は、いっさい宏美さんの挨拶もなく、完全にミュージカル仕立てになっていた。なので、この曲をワンコーラス歌い終えた後に、ようやくこのコンサートの宏美さんの舞台挨拶が挿入されているのだ。ツーコーラス終わり、スキャットに後の「♪ ウォーーーー今〜」からは、宏美さんの歌い上げも出てお二人のハーモニーが盛り上がる。

 

 

 しっとりとしたこのラブバラードの後、コンサートはアップテンポの「トワイライト」や、歌い上げ系の「ナイアガラ」等を経てヒットメドレーに突入、佳境に入っていく。

 

 このリサイタルから数ヶ月後の1982年初頭、NHKのレッツゴーヤングで宏美さんが野口五郎さんとこの「エンドレス・ラブ」をデュエット*した動画が上がっていたので、ご紹介したい。キーも日本語詞も、リサイタルと同じである。

 

 

 実は私個人も、この曲はステージで歌った思い出がある。現在も続けているバンドのまだ草創期、1988年のこと。バンドのレパートリーもまだ少なく、プログラムの穴埋め的に、メンバーの女性と歌わせられた(?)のだ。私がピアノを弾きながらのデュエットだったが、各コーラス最後の「♪ My endless love」の「My」の時に、二人が見つめ合う、と散々からかわれた。まぁ私も彼女もバリバリ20代の独身だったから無理もない。

 

 だが、音楽的によくできていて、「My」の前でバックの伴奏が止まり、そこでアイコンタクトを取らないと、タイミングを合わせての歌唱が難しいのだ。なので、われわれ二人に限らず、どのくらいの数のペアがこの曲をデュエットしたかは知らないが、恐らくほぼ例外なく皆見つめ合って、「♪ My endless love」と歌っていたことであろう。

 

 あ、五郎さんと宏美さん、あまり見つめ合ってませんね。😅💦

 

(1981.12.20 アルバム『岩崎宏美リサイタル'81』収録)

 

【2022.8.21 追記】*40年の時を隔て、宏美さんと五郎さんのまさかのデュエット復活でコンサート、アルバムの双方で聴ける日が来るとは。夢のようです。💕