射程圏内。



人は対外にしてある種の敵対心を持つ。
縄張り意識と言っても何ら差し支えない。

自分と他者の間に壁を作り、自分の領内に入り込めば撃退する。

そう言った作業を繰り返し、いつしか他人と相容れない者に変貌する。

距離を置くことが悪いとは言わない。

踏み込んで欲しくないところ、
触られたくない傷は誰しも持っているものだ。

そんな中でも誰かと関わりたいと願い、請い、焦がれ、無碍に扱われようと気にしない、そんな精神を持つことで遥かな孤独から解放される。

まぁ、僕は気にしないが関わろうともしない。

無関心を貫くだけだが。
追憶の中。



みんなに愛されなくて良い。
たった一人が愛してくれれば、
みんなに騙されたって良い。
たった一人が信じてくれれば、

そんなささやかな願いも叶わない。
僕の祈りは届かない。

だから僕は愛さない。
愛されないから愛さないんじゃない。
騙されるから愛さないんじゃない。

僕はもう絶望しきってしまったから、
何も要らないと決意してしまったから、
孤独を受け入れてしまったから、


炎は消えゆく最後が美しいのだと、知ってしまったから。

戻る路も帰る場所も遥かな夢も拙い存在も狂おしい祈りも哀しい出逢いも変わらぬ想いも潰えた未来も狭い宇宙も手離した貴方も、そうした何もかもが、



悲しいかな、僕はまだ縋っている。
秋。



もうすぐ10月だというのにまだ夏の陽気が続く中、僕の心はここにある。

ここにあり、個々にある。

熱気に魘されながらうだうだと、のろのろと、とぼとぼと布団から這い出る。

夏好きの僕にはなんて事はない。


それでも夜は少し肌寒くて、寝苦しいなんて事はまぁ、なくなった。

こんな日々が続くことが幸せと思える時がくるのかな。

いつになるかは分からないが。