暗い箱。


世界が突然真っ暗になった。

何のことはない。

電気が消えただけだった。

驚きはしたけれど、騒ぎ立てる程のことはない。


ちゃぷん。


暗がりを怖がることはなかったが、なんだか無性に哀しくなって、淋しくなって、一人ぽつんと宙を見上げた。

どうにもやる気が起きないし、
かといって今から動くのも面倒だ。

怠惰、とは少し違う?
億劫、でもないな。


ちゃぷ。

まっ、浴槽の中で何を思おうとも所詮はいつもの戯れ言、か。
いつかまた。


いつだったか、人を愛することを苦痛に感じ始めた。

信じることも疑うこともなく、ただただ億劫にしか感じず、何もやる気がおきなくなった。

人と触れあうことに畏れ、自分のテリトリーに入られることを、忌み嫌った。

どうせたいした興味もないくせに踏み込んで来て欲しくない。

どうせ単なる話の繋ぎでしかない不毛な会話に何の意味があるのか?


興味も関心も無いなら関わらないでくれ。

天の邪鬼心からそう言うのか、本心からそう言っているのか、

兎に角、僕の存在をそっとしておいてくれ。
導。


この目がいつか見えなくなったら、僕は何を目印に進めば良いのだろう。

この目が見えなくなる日が来るならば、僕は何処に向かって進めば良いのだろう。

何も見えない世界では、僕は無力で、無重力で、まるで宇宙をさ迷っている様で、

上も下も右も左も蒼空も大地も君も僕も誰も其も、


分からない。

何も分からないんだ。




やあ、これから何処に行くんだ?

何処に?
そうだな、取り敢えず



明日に。