過日、地元でたまに寄る日本酒メインの飲食店さんで、今年最初の「のらぼう菜」をいただく。
のらぼう菜は、主に西多摩地域で栽培されるアブラナ科の江戸東京野菜で、この日は5種類が盛り込まれたお通しの一品として出汁で焚いたおひたしで供された。
これを滋賀の「道灌 純米 蔵出し一番酒」でやると、ひと足早く春の到来を感じる。
昨年末にこのブログで、春になったらのらぼう菜を味わいに五日市線沿線にでも出かけようかと書いたが、自宅近くで偶然いただけるとは思わなかった。 こちらの飲食店さんは昨年自宅近くを歩いている時にたまたま見つけて以来、月に1回程度のペースで寄らせていただいており、生酒燗のリクエストにも応えていただける貴重なお店。
女将のSさんは私と同世代で、八王子ネタなどを交えた会話を楽しみながら、さまざまな燗酒をやると地元で呑るのも悪くないと思えてくる。
うまい酒に加えて、美人の女将さんを目当てに来店しているらしき先輩方に色々教えていただくのも勉強になり、懐と肝機能に余裕があれば来店機会を増やしたいところだが、地元で呑みグセがつくとロクなことにならないので、月に1度ぐらいのゼイタクがちょうどいい。
にごり酒の種類も豊富で、女将さんがお好きなのだろうと思い、先日岐阜県大垣市で手に入れた「白川郷」の新酒を少し遅い年賀代わりに手渡しながら酒蔵さんを訪れたことを伝えると、三輪酒造の社長さんをご存知らしく、喰い気味に「K社長には会いましたか?」と尋ねられる。
お会いできなかったと答えると、残念そうな顔をしながら白川郷の詮を開け、私と隣の常連さんの分を注いでから、スマホで動画を回しながらクリア枡を満たしている。
開けたての白川郷新酒は、なめらかそのもので、Sさんは「クリーミー!」と動画にナレーションを加えている。
続いて、佐賀は矢野酒造さんの「肥前蔵心 特別純米おりがらみ」を。
矢野酒造さんの酒を吞むのは、1年前に月島の魚仁さんで「竹の園 ナチュラリィ」をいただいて以来。 蔵心とともにお通しの品々を食べ終わり、さてどうしようかと考えていると、女将さんが里芋と鮭ハラスの炊き合わせを出して下さったので、「これに合うお酒を」とお願いする。

選んで下さったのは、東京・福生は田村酒造場さんの「本まぐろ」。
この酒を知ったのは、「駅からハイキング」で田村酒造さんを訪ねた約4年前だが、いただくのは初めて。 「本まぐろ」は、ハラスの脂にも負けない濃醇な味わいで、程よく煮付けられた里芋にもよく合う。
ほっこりした心持ちでお店をあとにし、自宅でルイボスティーを吞みながら安らぎの入眠タイムを整えた。