試合が終わってからだいぶ時間が経ってしまった。結果は皆さん知っているよね。第一戦、ホームでの試合を0-3で落としてしまった一部16位のボーフムが、まさかさか、アウェイでドイツ二部3位のデュッセルドルフに0-3で勝利。2戦合計3-3として、PK戦の結果奇跡の残留!! 中継を解説していたミムラユウスケさんも言っていた。「この試合を観ている視聴者の方はラッキーだと」そうミムラさん、僕もそう思う。それぐらい、奇跡的な試合だった。
パワーとガッツでなりふり構わずゴールを狙う本来のボーフムの姿を取り戻したように思う。シンプルに長身のFWホフマンを狙ってロングボールを蹴りこみ、スピードのあるアタッカーがセカンドボールを拾う、というような。そしてセットプレーを最大限に生かして点をもぎ取る。
これがボーフムのサッカーだ!!
17分、ややゴールから遠い位置のフリーキック。このチームには抜群のキッカーがいる。。NO7レフティのシュテーガー。得意の左足でゴール前に堕とすようなボールを蹴りこむと、落下点にいちはやく走りこんだのはホフマン。落ちてくるボールにうまくヘディングであわせてゴールネットを揺らす。0-1。ボーフムが先制。これで2戦合計3-1。
前半は0-1で終了。デュッセルドルフは、試合開始早々に田中碧のシュートがあったももの、なんというかふわっとした感じで試合に入ってしまう。ボーフムはイエローカード覚悟で激しいタックルを繰り返し、デュッセルドルフをメンタルで圧倒していたようだ。
後半もボーフムはシンプルな攻撃。49分にはロングボールのセカンドボールをロジアとダシュナーが立て続けにシュート。57分には浅野拓磨を投入。3-5-2の右ウイングに配置された浅野に課せられた課題はシンプル。それは右サイドをスピードでぶっちぎってクロスを上げること。投入早々、浅野拓磨は自分に課されたタスクを忠実にこなす。右サイドでパスを受けるとファーストタッチでタテに大きく蹴りだし右サイドをかけあがり、クロス。
60分には右サイドで受けてシザースで相手をかわすと右足シュート。自分の間合いでプレーが出来ている。62分にも青ーリークロスでチャンスメイク。
後半途中から出場した浅野拓磨は間違いなく攻撃のアクセントとして大きく機能していた。
そして65分、右サイドからのスローイン。ベロがスロアー。ロングスローを狙ってゴール前に人を集める。デュッセルドルフもボーフムのロングスローを警戒する。そこでフリーになったのがシュテーガー。スロワーの近くでボールを受けると、ベロとのパス交換でフリーに。PA角付近から得意の左足で余裕をもってインスイングのクロスをゴール前へ。
これにヘッドであわせたのはまたもホフマン!!
シュテーガー→ホフマンのホットラインでまたもゴールが決まり0-2。2戦合計3-2と一点差に迫る。
直後の67分。右サイドの浅野拓磨がクロスをあげるとこのボールはファーへ流れる。これをMFシュテーガーが拾うと中央をうかがいクロス。これがDFツィマーマンの手にあたってハンド。判定はPK。スタジアムが騒然とする。
この難しいキック。蹴るのはシュテーガーしかいない。この攻撃の中心ともいえる「NO7」。このプレッシャーのかかる中でのPKを冷静に沈める。これで0-3。2戦合計3-3。ついに追いついたボーフム!!
試合はこのまま90分を終え、延長へ。試合終了が近づくにつれてデュッセルドルフもかなり攻め込んだ。攻撃の中心となるツォリスを中心にボーフムゴールに迫った。でもボーフムはシュロッターベック、オルデツという両CBを中心に守りぬいた。95分、ツォリスのシュートをオルデツがブロック!!119分にもシュロッターベックの体をはったブロック!ゴールを守る選手を味方が鼓舞する。守備こそがサッカー、といったら言い過ぎかもしれないけど、守備者の気持ちのこもったプレーが見るものを感動させるのは間違いない。
2戦合計3-3でPK戦に突入。
PKの事は詳しくは書くまい。ボールをセットしてから5秒以内に蹴ると失敗確率があがるとか、ミムラさんのおかげで面白い情報をGETできた。そして浅野拓磨は実はPKがかなり巧い。
デュッセルドルフは、試合終盤に登場した内野貴史がPKを外してしまい、この激闘に敗れた。しかし、PKを外すことができるのは蹴る勇気を持つ選手だけ。内野貴史とデュッセルドルフの24-25シーズンに幸あれと願う。
この試合で1ゴール2アシストの大活躍を見せたボーフムMFのシュテーガーが24-25シーズンからボルシアMGに移籍することが決定した。「gratis(フリー)」で!! ・・・とはいえ、このレフティのおかげで残留ができたボーフム。24-25シーズンは対戦相手としてこのオーストリア人名手と相まみえることになった。