当時は十分に高い完成度だったエアライズ
コチラのテント、エアライズ3の購入は1996年だったか1997年です。
既にOGAWAオガワのオーナーロッジを大枚はたいて購入していたのですが、
姉夫婦の子どもたちがキャンプに行く時にあげてしまいまして、
2人で寝泊まりできそうなテントが欲しくて
エアライズ最大サイズの3人用を購入しました。
もともと僕の場合、途中からソロテントは
シングルウォールをメインに使っていたいと思っていたのですが、
1つくらいダブルウォールテントも所持しておきたいとも思っていました。
そのためエアライズが最有力候補に挙がっていたのですが、
あの当時はどこのテント場でもエアライズばかりで、
ヘソ曲がりの僕は「みんなと同じじゃつまらない!」と感じて、
(つまらないばかりではなく、テント場で同じテントばかりだと
自分のテントが判りずらくなるリスクもありまして)
ランドブリーズの“クルーズライト”の後継機種を入手しました。
( LAND BREAZE soloランドブリーズ ソロ /SNOW PEAK スノーピーク前編)
この当時は「エアライズ本体とノーマルフライシート」の組み合わせ販売だけで
現在のように
・「エアライズ本体とノーマルフライシート」
・「エアライズ本体とDXフライシート」
と好きな方を選択することはできませんでした。
DXフライシートを使いたい場合はまず「エアライズ本体とノーマルフライシート」
を購入した後に、
別売りオプションでDXフライシートを購入しなければなりませんでした。
僕の場合は最初からDXフライシートを使用したかったので、
気づかないうちにセットのノーマルフライシートの行方不明になったままです。
その代わりというか、なんだかなんですがエアライズ2用のノーマルフライが
ナゼだか物置部屋から発掘されました(汗)
エアライズ3はトータルで30泊くらい使用しました。
まあまあの回数を使った感があります。
先日物置部屋から20年ぶりに発掘された状態は、
他のテントのようにPU(ポリウレタン)加工部分の劣化や加水分解は
ほとんど起こしてなくて、シームテープの劣化や剥がれも起きていませんでした。
( LAND BREAZE soloランドブリーズ ソロ /SNOW PEAK スノーピーク後編)
他に布地にカビなども発生していませんでした。
ノーメンテナンスで即戦力として活躍してくれるコンディションでした。
劣化箇所のチェック&日干し&撮影を兼ねて試し張りしてみました。
細かい部分の確認をしましたが、布地に虫喰いによる被害もありませんでした。
いつでも出撃OKです。
思えばこのエアライズ3で出撃する山行やキャンプでは、
必ずと言って良いくらい異常な降水率でした。
単なる偶然が重なっただけかも知れませんが、
雨ヲトコならぬ雨テントでした。
おかげで降ってくる雨にノーマルフライシートよりも大きめの前室を
持つDXフライシートが有効に活用できたワケなんですが…。
ともあれ、かつては愛用のテントのうちの1つでした。
前述しましたが、エアライズは1993年1994年に軽量・コンパクト化を
一気に進化させたモデルチェンジしました。
それから以降は山岳テントのカテゴリでは
10年近くずっとトップを独走していました。
その後、他のメーカーもエアライズに匹敵するようなULなテントを出し始め
シェアが均等に近づいていきました。
2000年代(2006年頃!?)に入ると、
エアライズも#7001ジェラルミンのフレームから
スカンジウムを配合した“エアハーキュリー”に変更。
東レの新素材・中空糸繊維“ファリーロ”に変更したことによって
さらなる軽量化をはたしました。
(エアライズ1は1500g→1360g)
さらに最近ではフレームもDAC社のものに変更されています。
AIR RAIZ エアライズ3 2023年製(最新型)
●メーカー:RIPENライペン(アライテント)
●適応時季:4シーズン●適応人数:3人用(最大4人)
●サイズ:185×220×115cm
●収納サイズ:39×16φcm フレーム38cm
●重量:2070g(付属品除く)
約180gの軽量化
●タイプ:ダブルウォール・ドーム型
●組立方式:一方向袋綴じ状フレームスリーブ方式
●素材
本 体:28Dnナイロンリップストップ
ボトム:40DnナイロンタフタPU加工
フライ:30DnナイロンリップスタフタPU加工
フレーム:9.6φ NSLフェザーライト(DAC社製)
●出入口:短辺前方逆U字ファスナー式
●換気:長辺側面と短辺後方と円筒型の計2ケ所
●価格:¥71,500(税別)2023年現在
●オプション:
・DXフライ:40DnナイロンリップスタフタPU加工
・冬用外張り吹流し部:110DnナイロンリップスタフタPU加工
・アンダーシート
AIR RAIZ エアライズ3 1997年製(旧型)
●メーカー:RIPENライペン(アライテント)
●適応時季:4シーズン
●適応人数:3人用(最大4人)
●サイズ:185×220×115cm
●収納サイズ:30×15φ フレーム48cm
●重量:2250g(付属品除く)
●タイプ:ダブルウォール・ドーム型
●組立方式:一方向袋綴じ状フレームスリーブ方式
●素材
本 体:30Dnナイロンリップストップ
ボトム:40DnナイロンタフタPU加工
フライ:30DnナイロンリップスタフタPU加工
フレーム:9.5φ #7001超ジェラルミン(韓国ユナン社製)
●出入口:短辺前方逆U字ファスナー式
●換気:長辺側面と短辺後方と円筒型の計2ケ所
●価格:¥53,000(税別)1998年当時
●オプション:
・DXフライ:40DnナイロンリップスタフタPU加工
・冬用外張り吹流し部:110DnナイロンリップスタフタPU加工
たらく亭のレビュー
相変わらずアライテントの縫製は丁寧です。
もともと日本の縫製製品は高いクオリティーで当たり前だったのですが、
どこかの国から安価な製品がどんどん増えてきている現在は
アライテントの慎重な縫製工程がますます光って感じられます
↑ドアパネル付近の縫製は黄色い糸。縫製の端や布地の端は
万一ほつれてしまっても「ほつれ」最小限で止まるように
返し縫いがされています。〇の部分爆安のテントにはない工程。
↑テントのパネル部分、生地と生地の縫製は直接縫い合わせるのではなく、
布のテープを介して縫製している。
縫製部分の強化にもなるし、風などで千変万化にかかるテンションも布テープが
緩和の役割も果たしている
●良いなぁと感じているポイント
・オールシーズ対応
・オプション製品が豊富(フライシート、DXフライシート、冬用外張り、アンダーシート)
・フライシートの裾がかなり地面に近い位置まで伸びているので雨天でも安心
(夏場は暑いけれど…)
・設営がラク
・室内にモノを掛けられるループが5ヶ所ある
(モノを置くためのハンモックを自作すればかなりベンリ)
・軽量
・布地にコーティングされているポリウレタン層が薄いので
長期的には加水分解の被害が軽微。
・収納サイズがコンパクト
(写真右がテント本体とフレーム、写真左は冬用外張り。ただしコンパクトな収納サイズは
かなりハードに圧縮しなければならない小さめな収納袋のためです)
・優れた耐風性(並みの台風であれば十分耐え抜いてくれる)
・テントは必要最低限度の装備(ムダな装飾・備品は削られている)
▲個人的な不満点
・出入口(間口)が短辺に設置されている
(出入りしずらい。室内に入ってからも動きずらい。荻窪にある登山店「マウントフレンド」も
一時期OEMで側面長辺に出入口を設けたテントを販売していたくらい)
・ドアパネルをもっと大きくしてもらいたい
・3人用にもかかわらず出入口が1ケ所しかないこと
(2ケ所は欲しい)
・通風性が悪い(短辺にドアがあるためにドアパネルが小さい)
・アライテントの特徴でもある潰れてるベンチレーション
(ベンチレーターに芯を入れるなりして改善するか
そろそろ庇型のベンチレーションを検討して欲しい)
・完成度が高すぎてヒマな感じがする(個人的趣向なのでテントの性能とは無関係)
・ボトム部分のナイロンタフタ地の布地がキラいだ
(必要な耐水圧を持っているPU防水加工なのだろうが
ポリウレタン層がすぐに白濁してしまう。色もキラいだ)