長らく行方不明になっていたテント
かれこれ25年以上も前に、なんでなんだか購入してしまったテントです。
なんでなんだか購入してしまったくらいだから、
実際のフィールドでは一度も使う機会もありませんでした。
しばらくは自宅で眠っていました。
購入してから、アライテントのお約束になっている
四隅の縫製部分にシームグリップで目止め処理をしていて、
「このテントはなんだか使いそうもないなぁ…」
と思いました。
2011年の東日本大震災を機に非常時の備えとして
実家の両親が使えるようにと渡していたのをすっかり忘れて
そのまま文字通りお蔵入りしたままになっており、
つい先月2023/5に発掘したばかり。
発掘時、布団圧縮袋で保管してありまして、
湿気や酸素に触れることなく本当に良い保管状態で
化繊の酸化やポリウレタンの加水分解から守られていました。
2020年にこのテントは生産終了になってしまい、
市販では入手できなくなりました。
また、ワークマンがキャンプ用品に進出して同名の格安テントを発売し、
大きな話題となったために、2023年の現在では“ベーシックドーム”とググると
ワークマンの格安テントしか表示されなくなってしまっています。
かつては雪山登山のパーティーではヘリテイジの“ジャンボエスパース”と並んで
複数人用のテントの花形だったのに、今では検索結果でも表示されなくなってしまいました。
もう時代はすっかり様変わりしてしまいました。
たらく亭のレビュー
このメーカーのカタログには
「厳冬期からファミリーキャンプまで」
と表記してありますが、どう贔屓目に見ても
このテントはファミリーキャンプには向きません。
もちろん、言葉の通り家族で使えばファミリーキャンプと言えなくもないのですが、
どうしたって「そりゃムリだろーっ❗」って思えます。
キャンプ場や低山のテント場で、このテントを使ってる家族連れなど一度も見たことはありません。
だいたい家族でキャンプ!というシーンで、このテントを使いたいなんて絶対に思わないでしょう。
やはり、複数人での登山や縦走で使うのが妥当だと感じます。
オプションになってしまいますが、インナーフレームをセットすると
テント全体の耐風性や積雪による加重にも耐性が増します。
そして、ちょっとだけテント内の空間が広がります。
ベーシックドームを購入したら、是非とも一緒にインナーフレームも購入したいところです。
これだけヘビーなテントなので、φ8.5mmのフレーム1本増えたところで
重さの実感値は判らないくらいです。
(とは言え、もう3年前に生産は終了しているので、買うことはできないのですが…)
冬に真価を発揮するテント
このテントの後部出入口は吹流し式で、
これにはメッシュ(モスキートネット)が付いていないので
虫やホコリはどんどんはいってきてしまいます。
かと言って前部ドアパネルを開けたくらいではテント内の熱を排出するには足りず、
また複数人の人体の熱が加わると夏場はかなり暑苦しい思いを強いられます。
しかし、肌寒い季節から厳冬期は一転してベーシックドームは多くの強みを発揮します。
自分で購入する前に、独りで行った冬の立山(だった思うけど)で、
このテントで夕食を御馳走になったことがあって。
その際、このテントは暖かい!と感じたことがありました。(もちろん、テント内に3人、私を含めたら4人いたので、それだけでも室温はまったく変わってくるんだけど)
まず、このテントにはナイロン40Dnの内張り(オプション)が取り付けることができます。
内張りを取り付けるとテント内は少し狭くなってしまいますが、
厳冬期の真夜中などには「内張り付けると違うなぁ~!」と実感します。
ただ、内張りを取り付けると私の場合は気分的に窮屈に感じたり、
内張りに発生する結露がより身近に落ちてくるので、あまり内張りは好きではありません。
また同じくオプションの外張りもあります。
70Dnリップストップナイロンの外張りは「マジかよ~!」と感じるほど
大きく重いのですが、スノースカートが装備されているので、
シートの裾から入って来る冷気が大きくカットされるから、
確実に効果を実感できたりします。
ホント、冬というか厳冬期には心強いテントです。