これです。
ノーベル生理学・医学賞受賞者による、
最新生物学の素人向けの解説書みたいな感じの書籍です。
いや、無茶苦茶面白かったです。
遺伝子というのが、AGCTとされる４個の塩基で記述された暗号の羅列で、
その記述によって、
生物の種が決まり、
同時に、
詳細は個体によって違うため、DNA鑑定とか、
その個体を特定するものにもなる。
また、子が親の特徴を継承する、つまり遺伝の鍵になるものでる。
ってことは、学生のころ生物の授業で習ったので、知ってはいました。
が、この本によると現代の生物学では、
この暗号の意味を読み解くことこそが、
最新生物学の研究課題になっているようです。
で、僕、先にコンピュータを人間に例えて説明した記事を作りました。
参考「ブログ作り ～ コンピュータの仕組みを人間に例えて、説明してみた」
また、「プログラムとは何か？」を説明した記事を作成しました。
参考「ブログ作り ～ プログラムとは何か？」
その中で、
「ワープロプログラムとは、ワープロの作り方を記述したレシピである。」
と説明しました。
驚いたことに！
って考えてみれば当たり前かもしれませんが、、、
遺伝子とは、生物の作り方が記述された、一種のプログラムのようです。
で、コンピュータのプログラムというのは、
ある機能を受け持つ関数、
あるいはモジュールと呼ばれるものを
多数組み合わせて作られています。
例えば、
プリンターをコントロールするモジュール、
ディスプレーをコントロールするモジュール、
等々、ある機能を受け持つ部分を、まず作るわけです。
で、ワープロプログラムとか、写真表示プログラム
とかより高次のプログラムなんかは、
目的に応じて、それを使えば良いだけで、
その内部の仕組みを知る必要は、必ずしもありません。
遺伝子も、全く同じなんだそうです。
つまり、
心臓を作るモジュール、
肝臓を作るモジュール、
なんてのがあって、
必要に応じて組み合わせていくと、
部品の詳細は知らなくても、人間が出来上がる。
そんな感じみたいです。
で、この著者は、
細胞分裂（新たな細胞を作り出す仕組み）
をコントロールする遺伝子を解明したことで、
ノーベル賞を受賞したのだそうです。
で、遺伝子の解明をしようと思えば、
なるべく単純な生物でした方が容易なわけで、
この著者は、
単細胞生物である酵母の研究で突き止めたそうです。
で、驚くのは、この酵母の細胞分裂遺伝子、
人間のものに差し替えてしまっても、
ちゃんと機能するんだそうです。
進化論によれば、
酵母と人が枝分かれしたのは、生命発生直後に近い、随分古い話なわけです。
ところが、その仕組みの実現方法の根本は、
ほぼ、同じものを使っているんだそうです。
そんなことで、
地球上の全ての生物が、
同じ根から枝分かれして、
進化して来たことが裏付けられるんだそうです。
地上の生物の多様性は驚くばかりだけれど、
その、画一性も驚くばかり、
なんだそうです。
やっぱ、科学は面白いですね！
話は、まだまだ続きます。
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