3月のある休日、彼女と丸の内のフレンチ、『エスプリ・ド・タイユヴァン』で過ごす楽しい午後の続き。
彼女が飲みたいと言ったワインは、タイユヴァン・パリ、マルサネ、ロゼ、ル・サントネール、2021年。
マルサネはコート・ド・ニュイの最北部。
赤・白・ロゼの三種類が一つのA.O.C.で認められている、コート・ド・ニュイ唯一の産地。
造り手は、ドメーヌ・ブリュノ・クレール。
ブリュノ・クレールはマルサネ最高の造り手と称され、タイユヴァンの説明によると、クロード・デュガ、メオ・カミュゼ、エマニエル・ルジェと同等の評価を獲得しているとのこと。
コルクの状態は良く問題無し。
コルクには造り手の名前が刻印されている。
色合いは濃いピンク。
ラズベリー、ストロベリー、レッドチェリーなどの赤果実の香り。
口に含むと、素晴らしい果実の凝縮感。
タンニンと酸のバランスも完璧。
ブリュノ・クレールのロゼはピノ・ノワールそのもの。
ぶどうはピノ・ノワール100%。
このワインをここで飲むのは確か三本目。
私のセラーにも二本入っている。
私がブリュノ・クレールのワインは美味しいよと紹介したところ、今ではすっかり彼女のお気に入りの造り手となっている。
昨年は北参道の『ル・ビストロ』でブリュノ・クレールの赤を飲んでいる。
その時の記事はこちら。
本日のオードブルが届く。
新玉葱のババロワ、コンソメのジュレ。
新玉葱の甘さが心地よい。
サーモンのリエット。
野菜は青紫蘇のスプラウトなので、ほのかに紫蘇の香りがする。
ピノ・ノワールの果実味が豊かなワインなので、最初の一杯を飲んだあとにピノ・ノワール用のグラスに代えてもらう。
これで一層美味しく感じるようになる。
グラスはシュピゲラウ。
南ドイツ、バイエルン地方の名門グラスウエアブランド。
とても薄くて口当たりが良く、しかも耐久性に優れている。
ポワソンが届く。
本日の鮮魚のポワレ、ソース・バスケーズ。
二人とも同じ料理を選んだ。
本日の鮮魚は、真鯛
ソース・バスケーズはバスク風のトマトやピーマンやニンニクを使ったソース。
ブリュノ・クレールのピノ・ノワール、ロゼは魚料理にも上手く寄り添ってくれる。
彼女のヴィアンドは、和牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
彼女曰く、ここのブフ・ブルギニョンは安定の美味しさ。
ブフ・ブルギニョンにはブルゴーニュのワインが良く合う。
肉料理に合わせ、二人ともパンを追加。
私のヴィアンドは、ハーブ香る仔羊のシューファルシ。
私も毎回ブフ・ブルギニョンを食べているので、今回は変えてみた。
シューファルシはロールキャベツのようなフランスの家庭料理。
付け合わせは、ニンジン、カブ、芽キャベツ。
中には仔羊のミンチがぎっしり詰まって美味い。
本日のデセールが届く。
濃厚なチョコレートケーキは大好物。
酸味があるフランボワーズとブルーベリーのソースがチョコレートケーキに良く合う。
いっぱいになったお腹を熱いコーヒーが癒してくれる。
今日の料理もワインも素晴らしかった。
でも、ここでもワインの値上がりが激しい。
ラ・コレクション・タイユヴァンに別れを告げ、花井店長に見送られて店をあとにする。
大好きな『エスプリ・ド・タイユヴァン』で彼女と過ごす、丸の内の楽しい午後でした。