西麻布のフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』での、彼女と過ごすお別れパーティーの続き。
20年通った大好きなレストランが閉店してしまうのはとても悲しい。
それだけに、今日はここでの最後の食事を心行くまで楽しみたいと思う。
シャンパーニュ、ドゥラモットのグラスを飲み干すと、白ワインをグラスで。
ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス、ピュリニー・モンラッシェ、2019年。
ルー・ペール・エ・フィスはサン・トーバンに本拠地を置く5代続く名門メゾンで、ブルゴーニュの24の村に合わせて約70haの畑を有する大手の造り手。
熟した洋梨、バニラ、樽の香り。
綺麗な果実の凝縮感、バター、アーモンドのニュアンス、余韻はとても長い。
「やっぱりピュリニーは美味しいわ」と彼女。
彼女はシャサーニュやバタールよりピュリニーが好きなのだ。
アントレは、北寄貝、菜の花、リゾット。
北寄貝や菜の花が見当たらない。
レッドソレルなどの葉を横にずらすと、大きな北寄貝が現れる。
そして菜の花はリゾットの中に入っていた。
北寄貝は柔らかく火入れがされていて美味い。
私達のテーブルには、坂元支配人と田中ソムリエにお願いしておいた赤ワインが置かれている。
ソムリエの田中さんとは長いお付き合い。
しばらくお会いできなくなるので、一緒に記念撮影。
田中さんは来年(2023年)から大阪の『ラ・フェット ひらまつ』のソムリエに就任されるとのこと。
抜栓してくれる姿を撮影。
今回の写真は翌日メールでお送りした。
コルクの状態も良く、テイスティングも問題なし。
しばらく息をさせてから飲むことにする。
ポワソンは、平目、ムースリーヌ、Lisaトマト。
この平目、驚くほど身が厚い。
島根県浜田港に水揚げされた、8kgの大物なのだそうだ。
平目に掛けられているのは、リンゴの泡のソース。
平目の下には、イカ、タコ、Lisaトマト。
Lisaトマトは高知県のおかざき農園のブランド・トマト。
平目の身を崩し、ソースに合わせて食べる。
絶妙な味のバランスは、流石、内木場料理長。
田中ソムリエにお願いして用意してもらった赤ワインは、ドメーヌ・フェヴレ、クロ・ド・ヴージョ、グラン・クリュ、2009年。
ここのセラーに2009年という素晴らしいVTが残っていて幸せ。
ドメーヌ・フェヴレは1825年にニュイ・サン・ジョルジュに誕生し、今ではブルゴーニュ各地に合わせて120haの広大な畑を保有する、ブルゴーニュ屈指の造り手。
クロ・ド・ヴージョの畑は3区画合わせて1.29ha、樹齢は古いもので70年を超える。
ぶどう栽培はリュット・レゾネ。
深みのあるルビー色。
ダークチェリー、ラズベリー、カシスなどの香り。
素晴らしい果実の凝縮感、薔薇、なめし皮、マッシュルーム、腐葉土のニュアンス、強く繊細なタンニン、重厚なストラクチャ―と長い余韻。
樽熟成は16~18ヶ月、新樽比率は65%。
クロ・ド・ヴージョを飲んでいると、2018年にシャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョを訪問したことを思い出す。
その時の記事は、こちら。
彼女と過ごす、西麻布のフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』でのお別れパーティーは続きます。