西麻布のフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす、お別れパーティーの続き。
ここで内木場シェフの料理を味わい、素晴らしいワインを楽しめるのも今日が最後かと思うと寂しさがこみあげてくる。
ヴィアンドは、蝦夷鹿、グランヴヌール、モリーユ茸。
蝦夷鹿は二人の大好物。
ソース・グランヴヌールは、ソース・ポワヴラードにクロゼイユ(スグリ)のジャムを加えた、ジビエの定番ソース。
このグランヴヌールには赤ワインも加えられている。
ソース・ポワブラードは、ジビエのジュに胡椒(ポワーヴル)を加えたソース。
グラン・ヴヌールは、王侯貴族に仕える狩猟頭のこと。
蝦夷鹿の焼き色が素晴らしく、旨みが詰まっている。
付け合わせは、リンゴのチャツネ。
茨城県の名産、ベニバナインゲン(花豆)の常陸大黒。
とても大きい。
ヴィアンドを食べ終えた後は、残った白ワインと赤ワインを並行飲みで楽しむ。
白はグラスで二杯目、赤はボトルで。
飲んでいる白は、ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス、ピュリニー・モンラッシェ、2019年。
そして赤は、ドメーヌ・フェヴレ、クロ・ド・ヴージョ、グラン・クリュ、2009年。
デセールは、とちおとめ、マスカルポーネ、シャンパーニュ。
とちおとめはシャンパーニュでマリネされている。
とちおとめの真ん中には、バニラアイスクリーム、その上にはマスカルポーネ。
デセールと共に、クロ・ド・ヴージョの最後の一杯を楽しむ。
食後のコーヒーが届く。
何時もはブラックなのだが、今日は何故かミルクを入れて飲みたい気分。
ミニャルディーズは、トリュフチョコレート、マドレーヌ、苺のマカロン。
パーティーの余韻に浸っていると、コーヒーは二杯目。
席を立つときに、田中ソムリエから心温まるお手紙をいただいた。
新天地でのご活躍をお祈りしています。
レセプションフロアーに飾られているシャルル・シャプランの「A song silenced」も今日が見納め。
坂元支配人と内木場シェフに別れを告げ、店をあとにする。
20年と6ヶ月、百数十回の訪問はどれも楽しかった。
長きにわたり、素敵な時間をありがとうございました。
お腹がいっぱいなので、六本木まで車に乗らず、散策しながら戻ることにする。
道すがら、彼女と『レゼルヴ』での思い出話が尽きない。
「六本木ヒルズ」の66プラザに来ると、ママンにご挨拶。
彼女と過ごす、寂しくもある、素敵なお別れパーティーの午後でした。