日本橋の『はせがわ酒店』での日本酒のアペロを終えると、今夜のディナーを予約している大手町のレストランに向かう。
中央通りから江戸桜通りに入り、日本銀行本店を過ぎると外堀通りを右折する。
外堀通り側から見ると、日銀本店の後ろに日本橋三井タワーが聳え立っている。
実は大手町でのディナーの前に日本橋でアペロをしたのは、日本橋と大手町の間にちぃさんを案内したい場所があったから。
それがこの常磐橋。
先日、日本橋クルーズに乗船し、日本橋川からこの橋を眺めた。
そこで今夜は再開通した常磐橋を渡ろうという企画。
日本橋クルーズの記事はこちら。
常磐橋は人専用の橋で、今や数少ない石橋。
お隣にある車が通行する方の常盤橋は、”盤”の字を用い、江戸城の常盤見附跡に架かるこの橋は”磐”の字を用いている。
大手町も再開発が進み、高層ビルが林立している。
この赤唐辛子を練り込んだマカロニとペンネの集合体のようなオブジェがあるのが今夜の目的の場所、東京サンケイビル。
このオブジェは、アレキサンダー・リーバーマンの作品、イリアッド・ジャパン。
イリアッドはイーリアスの英語名で、イーリアスはホメーロスの長編叙事詩。
東京サンケイビルの地下二階にある『グラン・メゾン オレノ』が今夜のお店。
開店まで5分ほどあるので、ショップを覗くことにする。
ワインショップでは、レストランのワインリストに掲載されているワインが販売されている。
『グラン・メゾン オレノ』の客は、10%引きで購入することができる。
お隣には『俺のベーカリー』。
「大人気のパンがある。買いましょうよ」と、ちぃさん。
お店の方に聞くと、「今まさに焼きあがったところです」と嬉しい回答。
レストランの予約名を告げ、10%引きで購入。
ところが、このパンはガーリックの香りが強いので、レストランには持ち込み禁止。
「お取り置きしておきますので、帰りにお受け取り下さい」とのこと。
ドアが開き、入店。
ドアを入り、左手の階段を上り、レセプションに進む。
レストランの中には大きなステージがあり、ダイニングスペースはローアーフロアーとアッパーフロアーに分かれている。
私達が案内されたのは、アッパーフロアーのステージを見下ろすボックス席。
店内に二つしかないボックスの一つを占有できるとは、嬉しい驚き。
店は3フロアー分を吹き抜けで使用する贅沢な造り。
ステージ上に置かれているピアノは、スタインウェイ&サンズのコンサート用グランドピアノの最高峰、D-274。
価格は2千数百万円もする。
ワインリストを色々検討し、選んだワインは、ザビエ・ルイ・ヴィトン、シャンパーニュ、ブジー、グラン・クリュ、ブリュット。
ザビエ・ルイ・ヴィトンは、ルイ・ヴィトン家の五代目。
モンターニュ・ド・ランス地区の偉大なピノ・ノワール産地と言えば、グラン・クリュ畑を有するヴェルズネイ、アンボネイ、そしてブジー。
シャンパーニュ地方で随一の力強いピノ・ノワールを生み出すのが、このブジー村なのだ。
バックラベルにも、ザビエ・ルイ・ヴィトンの頭文字、XLV。
この絵はザビエ本人なのだろうか。
このミュズレはコレクションに加えておこう。
コルクの状態は良く、香りも素晴らしい。
グラスに注がれるシャンパーニュは心をときめかせる。
ちぃさんと乾杯。
きめ細かな泡立ち、柑橘系の爽やかな香り。
口に含むと、黒果実の濃厚な果実味、そして酸味とミネラルのバランスが美しい。
良いシャンパーニュは良いグラスで飲むと一層美味しくなる。
セパージュは、ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。
大手町の『グラン・メゾン オレノ』でちぃさんと過ごす素敵な夜は続きます。