「コレド室町テラス」の『クラフトロック・ブリューパブ&ライヴ』でクラフトビアを楽しんだ後は、日本橋船着場で日本橋クルーズの乗船を待つ。
滝の広場の横には、日本橋船着場の門。
”日本橋船着場 双十郎河岸”は日本橋架橋100周年を記念して造営され、2011年4月に完成した。
2011年7月に東西の歌舞伎役者、四代目坂田藤十郎と十二代目市川團十郎が「船乗り込み」を行った。
これにより、この船着場は”双十郎河岸”と命名され、記念碑が披露された。
いよいよ乗船開始。
「チケットナンバー1番と2番の方、乗船して下さい」とのこと。
「なんだ、そんな番号があるんだ。門の前に並ぶ必要はなかったね」と私。
自分のチケットを見ると、02の番号。
ちぃさんのチケットには01の番号。
慌てて前に進み出て乗船し、最前列の右舷の席をゲット。
早めにチケットを手配しておいて良かった。
目の前には日本橋。
通行人が手を振るので、私も恥ずかしながら手を振って応える。
ビールでほろ酔い機嫌のためか、記念撮影。
陽射しが強い日だったが、上空を覆う首都高のお陰で直射日光を浴びることもなく、そよ風が心地良い。
いよいよ出航。
まずは日本橋川を上流へ進む。
麒麟像を下から見上げるのは初めて。
こちらの麒麟は吽形。
日本橋には幾つもの獅子が設置されている。
北詰、南詰の両側に設置されている獅子像に加え、獅子像、麒麟像の街灯には獅子の頭が四方に付いている。
橋のアーチ部分にあるこの獅子は船からでないと見ることが出来ない。
獅子は橋の片側に16体あり、4x4(しし)=16、橋の両側では32体になり、8x4(はし)=32なのだそうだ。
日本橋を渡っていて目立つのは、麒麟像と共に、南北両詰に合わせて四体あるこの獅子像。
これは吽形で、反対側には阿形の獅子像。
手に持っているのは、東京市の紋章。
街灯のすぐ下にも獅子の頭が四つ付いている。
橋の下面のアーチは思ったよりも低く、くぐる時は首をすくめてしまう。
石が黒く変色し変形している場所は、関東大震災で焼けた跡。
火に包まれた船が流れ着き、ここで橋を炎で炙ったのだそうだ。
一石橋が見えてきた。
私もこの辺りの歴史にはちょっと詳しいので、ちぃさんに色々説明してしまう。
この辺りは水上交通の要衝で、江戸時代から多くの橋が架けられていた。
この橋の上に立つと、周囲に八つの橋が見えたとのことで、昔は八ツ橋と呼ばれていた。
橋の袂に立っている石柱は、「迷子石」、または「迷子照らしの石」。
江戸の町は似たような路地が入り組み、しかも道路名や町名の標識が設置されていなかったので、迷子がとても多かったそうだ。
そこで迷子を捜す親はこの「迷子石」の”たずねる方”に紙を張り、迷子を見付けた人は反対側の”おしゆる方”に紙を貼り出し、照らし合わせたのだそうだ。
一石橋と常盤橋の間には、再開発されたばかりの常盤橋タワー。
この右隣りには日本最高層の東京トーチが建設される予定だ。
常盤橋の向こう側に見えてきたのは、日本銀行本店。
これが常盤橋。
常盤橋を過ぎると目の前に見えてくる美しい橋は、常磐橋。
どちらも”ときわばし”だが、下流側が”盤”なのに対し、上流側は”磐”で、文字が異なるのだ。
常磐橋は皇居の石橋と並んで東京に現存する貴重な石橋。
随分新しく見えるのは、東日本大震災で石組みが緩んだため、崩壊を防ぐ目的で一度解体し、元通りに積み直したため。
右岸には常盤橋公園。
この石垣は、江戸城三十六見附のひとつ、常盤橋見附の跡。
船は下流に引き返し、隅田川へと向かう。
日本橋川は神田川と隅田川を結ぶ、全長4.8kmの一級河川。
その90%が首都高に覆われている。
ここ日本橋では首都高の地下化工事が始まり、画面の左右の呉服橋出入口、そして下流側の江戸橋出入口は今年5月10日に閉鎖され、撤去工事が進んでいる。
再び日本橋をくぐり、下流に進む。
見えてきたのは鎧橋。
鎧橋の隣に見えているのは兜町の、東京証券取引所。
ここには鎧兜が揃っているのだ。
鎧橋の袂には、江戸時代の船着場、"鎧の渡し"の跡が残っている。
豊海橋をくぐると、隅田川に出る。
今までが”お江戸探索”で、ここからは”東京探索”。
隅田川を下流方向に進むと、IHIの東京工場跡地に開発された、大川端リバーシティ21が見えてきた。
東京ウォーターフロント開発の先駆けとなったプロジェクトだ。
今度は隅田川を上流に向かって進む。
これは、永代橋。
高速道路と一般道の二重の橋になっているのは、隅田川大橋。
隅田川大橋をくぐると、東京スカイツリーが正面に見えてきた。
手前の橋は清洲橋。
ここで船は反転し、再び日本橋川に戻る。
日本橋船着場が見えてきた。
船長さんに礼を述べ、下船する。
とても楽しい45分だった。
次はナイトクルーズも良いし、桜の季節にも花見コースに乗船したい。
中央通りに出ると、次の目的地に向かうことにする。
ちぃさんと過ごす日本橋の楽しい午後は続きます。