美味い日本酒と鰹を求めて高知への旅、久礼と純平の西岡酒造 | ワインは素敵な恋の道しるべ

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白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

かずみさん、HISAKOさん、しづちゃんと私での、高知の酒蔵巡りの楽しい一日の続き。

 

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「道の駅 なかさと」を出て向かったのは、天明元年(1781年)創業の、高知で二番目に古い酒蔵、西岡酒造。

なお一番古いのは、1603年の山内一豊の土佐入国に従ってきた御酒屋が前身とされる、司牡丹。

 

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中に入ると、長い歴史を感じさせる佇まい。

 

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私は先日、鎌倉の『こころや』で飲んだ西岡酒造の”どくれ”が美味しかったので、ここに来たかった。

友人達と大人の遠足、鎌倉 4

 

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一方しづちゃんは、青柳裕介さんの漫画、「土佐の一本釣り」と深いつながりがあり、是非ここを訪問したかったのだ。

「土佐の一本釣り」の舞台は、ここ中土佐町の久礼。

西岡酒造のお酒の名前、”純平”はこの漫画が由来なのだ。

 

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壁には久礼の祭礼の写真に並んで、「土佐の一本釣り」の原画。

なんとしづちゃんは、「土佐の一本釣り」を全巻持たれているのだそうだ。

 

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若い蔵人の案内で、蔵の見学が始まった。

軽快な語り口で、酒造りへの情熱が迸り出る。

先に見学した酔鯨とは大きな違いだ。

後でわかったことだが、今までの杜氏の引退に伴い、この若者が今年の秋から杜氏を務めるのだそうだ。

米の浸漬、蒸し、冷却を行う部屋。

 

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このしめ縄の先は、醸造期間中は立ち入ることが出来ない。

でも今は先に進んで見学することができる。

 

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文字が薄れた札が掛かっている。

何とか読むと、「二百年前の酒蔵 この酒蔵は江戸時代中期の天明年間に当社初代仁助が建てたもので、高知県下では最も古い酒蔵です」。

今年は創業238年目なので、この札自体も38年前のもの。

 

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昔は冷房・冷却設備は無かったので、外部からの熱を遮断するための工夫が屋根に施されている。

 

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天井には割り竹が敷き詰められ、その上には土が厚く盛られているのだそうだ。

そのため屋根の重量はかなりのもので、梁や柱はとても太い。

過去の地震にも耐えてきたが、重さでだんだん歪みが出てきたそうで、今は鉄の梁や板で多くの補強が施されている。

 

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ずらりと並ぶ貯蔵タンクは、今の季節は空。

 

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いよいよこの先は仕込室。

 

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仕込み室の中の酒の発酵槽も今はお休み中。

仕込みが始まると、麹作りは三時間おきに混ぜなければならず、本当に重労働。

この大きなタンクで48本分の酒を仕込むのだそうだ。

酒母をタンクに運び上げるのも人力、案内の蔵人の腕はムキムキのマッチョ。

酒造りをしない今の時期は、杜氏や蔵人は何をされているのかと聞くと、「米作りをしています」とのこと。

これでは一年中休む暇がない。

 

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醪搾りは、ここでも薮田式自動醪搾機。

この機械に勝るものは存在しないのだそうだ。

 

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貯蔵庫の中も見せてもらったが、2℃なので足を一歩踏み入れただけで凍えてしまった。

 

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こちらはボトリング場。

一升瓶は機械化されているが、四合瓶は手詰めなのだそうだ。

 

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案内の方のTシャツが面白いので、背中を撮影させてもらう。

西岡酒造は長い歴史を誇る老舗だが、若い蔵人が多く、酒造りにも勢いを感じる。

まさに土佐の一本釣りの心意気の蔵なのだ。

 

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酒蔵場見学の後は、試飲。

久礼 純米生酒 あらばしり。

ふくよかな米の旨味を持ち、とても力強く切れ味が良い。

愛媛県産松山三井を用い、精米歩合は60%、アルコール度数は18度もあり、日本酒度は+5。

 

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久礼 特別純米 花河童 生酒。

キリリと辛口で、甘みを全く感じさせない。

先に飲んだ純米と同じ米と酵母を用い精米歩合も同じで、同じ蔵人が造った酒だが、こんなに味わいの異なる酒が出来ることが驚き。

案内者によると、この酒は”イケイケ”で造ったのだそうだ。

アルコール度数は19度あり、日本酒度は+12。

 

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純平 純米吟醸 あらばしり 生酒。

久礼の花河童のインパクトが強すぎて、この酒の印象が残っていない。

試飲カップになみなみと注いでくれ、しかもアルコール度数が高いので、三種類だけの試飲だが酔いが回りそう。

食事をしてからの訪問でよかった。

 

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私は、久礼 純米 あらばしり 生酒を購入。

しづちゃんは、もちろん純平 純米吟醸 あらばしりと、久礼 純米 あらばしりを購入。

その他にも純平のグッズ等を大人買い。

三蔵三様のとても興味深い酒蔵巡りでした。

酒蔵巡りはこれで終わりますが、これから高知の夜の部の始まりです。