【受験生必見】どうやったら早く問題を解けるの? | 合格への道のり("3つの道"編)

合格への道のり("3つの道"編)

これまで20年以上勤務した国家公務員を辞職し、2022年12月からは受験生、実務家(士業)及び講師の3つの道を歩みますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。

皆さん、こんにちは。

リーダーズ総合研究所・講師の板野です。

 

前回記事で行政書士試験の受験生を対象とした質問募集を始めました。

次回の対談シリーズ第9弾で取り上げていく予定ですが、募集期間は9月8日(金)までですので、受験生の皆さんからのエントリーを心よりお待ちしております。

 

 

さて、一部の受験指導校では既に模擬試験も始まって、最近「問題を解くのに時間がかかるんです」という御相談を受けるようになりました。私自身、司法書士試験(特に、午後の部)を受験する際は大きな課題の1つとして、師匠・山田斉明先生から学んだ検索トレーニング法を踏まえて、答練や模擬試験を通じて解答プロセスをずっと模索してきました。

 

その結果、令和4年度司法書士試験(午後の部)の択一式試験を約40分(標準時間は60分程度)で解ける解答プロセスを確立しましたので、今回はその解答プロセスを御紹介します(行政書士試験に引き直して解説しますが、他資格でも十分通用する方法だと思います)。

 

Q1 司法書士試験とはどのような試験か?

A1 司法書士試験は午前の部、午後の部に分けて実施され、午後の部では択一式問題(全35問)に加えて記述式問題(不動産登記法1問、商業登記法1問の全2問)の出題がある。

午後の部は択一式問題約1時間、記述式問題2時間の時間配分で解く受験生が多いと思われるが、択一式問題をどれだけ早く解けるかが大きなアドバンテージとなり得る。

 

 

なお、記述式問題については別の記事にまとめておりますので、そちらを御覧いただけますと幸いです。

 

  敵を知る(試験概要や時間配分からわかること)

 (1)行政書士試験の試験概要からわかること

試験科目・内容等

①行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46問)

・5肢択一式問題 40問(憲法、行政法※1、民法、商法及び基礎法学)

・多肢選択式問題  3問(憲法及び行政法※1)

・記述式問題※2  3問(行政法及び民法※1)

※1 行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。

※2 40字程度で記述するものを出題

 

②行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14問)

・5肢択一式問題 14問

 (政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)

 

試験時間

 3時間(午後1時から午後4時まで)

 

 (2)本試験における時間配分からわかること

理想の時間配分

全問解くことを前提(捨て問なし)に、(1)試験概要や直前期の受験戦略(戦略編)で解説した内容を踏まえると、理想の時間配分は以下の通り

○13:00 試験開始

       試験問題全体を俯瞰して解答戦略を立てる

○13:05 5肢択一式問題を解く

       (法令)   2.5分/問 * 40問 = 100分

       (一般知識等)1.5分/問 * 14問 =  21分

○15:05 多肢選択式問題を解く

                5分/問 *  3問 =  15分

○15:20 記述式問題を解く

               10分/問 *  3問 =  30分

○15:50 ケアレスミスがないかザっと見直し

○16:00 試験終了

 

 

(理想の)1問当たりの解答時間について、

・択一式問題(法令科目): 2.5分

・記述式問題      :10分  

 

 (3)結論

行政書士試験は宅地建物取引士試験と同様、法律系資格の登竜門的位置づけとされおり法律初学者も多く受験する資格であるものの、試験概要を分析してみると、知識の正確性(使える知識)に加えて高度な事務処理能力が求められる難関試験であることがわかる

⇨ 試験委員は、受験生に対して、①知識を正確に記憶し、②当該知識を活用して問題を素早く解く能力を求めている(=法律実務でも求められる能力)

①知識の正確性+②事務処理能力(解法)が必要

 

この内、①については直前期の受験戦略(戦略編)において解説したところ、以下では、主に②素早く問題を解くための解法を解説します。

  択一式問題の解答プロセス

 択一式問題の受験戦略

受験生の現状

①1問当たり2.5分の時間の壁

行政書士試験における時間配分例を踏まえれば、択一式問題(法令科目)について解答用紙にマークする時間まで含めて1問当たり2.5分程度で解く必要がある。

 

②民法は事例問題の解答に相当の時間を要する

民法は事例問題が多く問題文が長文化する傾向にあって、解答に当たって図を描くなど相当の時間を要する(2.5分以上要する場合も十分にあり得る)

 

③現場思考型問題に苦慮

近年の憲法は現場思考型問題が出題される傾向にあって、本試験の現場で問題文を十分読み込んで対応せざるを得ない(事前の対策が難しい)

⇨ 意外にも受験生の正答率が高いので、容易に捨て問とすることができない

 

択一式問題の科目別対策法

①行政法や商法・会社法、一般知識等での時間短縮

行政法や商法・会社法、一般知識等(文章理解を除く)などの単純な条文・判例問題は、各肢の中からキーワード検索した上で瞬時に正誤判断するなどの時間短縮を図ることが重要

 

②民法の事例問題(択一式解答プロセスの習熟)

民法は、問題文を読んでテーマから重要論点に関するコア知識を想起し、各肢の中からコア知識に合致するものを先に検討する(それ以外の肢は可能な限り検討しない割り切りが必要)

 

③憲法の現場思考型問題への対応

最近の憲法(5肢択一式問題・多肢選択式問題)のように現場思考型問題には相当の時間を要することから、①で十分な時間的アドバンテージを作っておき、落ち着いて解く

 

 択一式問題の解答プロセス

択一式問題を早く正確に解くための解答プロセスは以下の通り

⇨ 肢1から順に全ての肢を検討するのでなく、テーマからコア知識を想起し、その知識に関する肢から先に検討することが肝要!

 

 

以下では、実際に行政書士試験の択一式問題を解きながら、上記解答プロセスの使い方を解説します。

民法

民法①(令和元年度行政書士試験問題)

問題27 時効の援用に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 時効による債権の消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生ずるものではなく、時効が援用されたときにはじめて確定的に生ずるものである。

イ 時効の援用を裁判上行使する場合には、事実審の口頭弁論終結時までにする必要がある。

ウ 被相続人の占有により取得時効が完成していた場合に、その共同相続人の一人は、自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。

エ 保証人や連帯保証人は、主たる債務の消滅時効を援用することはできるが、物上保証人や抵当不動産の第三取得者は、被担保債権の消滅時効を援用することはできない。

オ 主たる債務者である破産者が免責許可決定を受けた場合であっても、その保証人は、自己の保証債務を免れるためには、免責許可決定を受けた破産者の主たる債務について、消滅時効を援用しなければならない。

1 ・イ

2 

3 イ・ウ

4 ウ・オ?

5 ・オ? ⇨選択

 

Step.1問題文を読んでテーマを確認

問題文から本問のテーマは「時効の援用」であることがわかる(赤マーカー)

 

Step.2テーマの関する論点・知識を想起

テーマを見た瞬間、時効の援用と言えば、コア知識である「援用権者に関する図表」(下図)を思い浮かべるだけの"瞬間的想起力"が必要

⇨ 本テーマを見て、もし本図表が思い出せなかった受験生がいたら猛省してしっかり記憶すること(合格者は本図表を瞬間的に想起している)

 

Q1 想起力を鍛錬するには?

A1 一般的には記銘を記憶と呼びますが、心理学では記憶を記銘、保持、想起、忘却の4過程を合わせたものを言う。情報を憶えることを記銘と呼び、情報を保存しておく過程は保持又は貯蔵、情報を思い出す過程を想起と呼ぶ。そして、最後に忘却の過程を経る。

脳がもし忘却しないなら、いつか脳容量(キャパシティ)が上限に達して新しいことを記憶できなくなってしまうので、不必要だと判断した情報は次々と忘却する仕組みです。その忘却を防ぐためには、記憶を定着させて長期記憶化する必要がありますが、その際に重要となる作業が"想起"です。

受験勉強においても、単に記憶(記銘)するだけでなく、貯蔵した知識を定期的に想起する(思い出す)訓練を行う必要があります。

 

 

Step.3肢全体をザっと眺めた後、各肢の検討

(1)肢エの検討

肢エは保証人や連帯保証人、物上保証人、抵当不動産の第三取得者などのキーワードから援用権者の範囲に関する問題だと気付く(水色マーカー)

⇨ Step.2で想起した「援用権者の範囲に関する図表」を本肢に当てはめると、後段(=物上保証人や抵当不動産の第三取得者は、被担保債権の消滅時効を援用することはできない。)が妥当ではないと判断できる

 

 

正解肢は2or5と判断

 

(ポイント解説)

最近の行政書士試験では、肢1や肢2にはあえてマイナーな条文・判例知識を並べる傾向にあるので、肢1から順番に解くのではなく、誰でも解ける肢(コア知識に関する肢)から手を付けることが重要

 

(2)肢アの検討

本肢は援用の法的性質に関する問題(どのテキストにも掲載されているコア知識)

⇨ 停止条件説(援用があってはじめて権利の得喪を生ずるとする説)が判例・通説の立場(黄色マーカー)

 

 

正解肢を5と判断

 

(ポイント解説)

コア知識だけで解ける問題を絶対逃さない!

(合格者はこうした基本問題を取りこぼさない)

 

ちなみに、リーダーズ総合研究所合格スタンダードテキストの記載は下記の通り

 

(3)念のため肢オの検討

(受験生時代の私の)本肢の第一印象は???

⇨ テキストにも記載がなく、これまで一度も学習したことのない(判例)知識のため、正誤判断は不可能(ちなみに、受験生時代の私は肢2、肢3も?)

 

肢オを一応解説しておくと・・・、

保証・物上保証制度は債務者の資力が危うくなったときのことを考慮して利用されるものであって、債務者が免責許可決定を受けたことによってその効果が失われるのであれば、そもそも保証等の制度趣旨が没却されるとして、判例は、保証人は破産債権について消滅時効を援用できないとしています。

 

が・・・、

過去問既出問題とは言え、繰り返し出題される可能性は低いので、学習優先度を下げて良い。

 

ちなみに、(受験生時代の私は、)本肢の正誤判断は気になるものの、知らない知識をいくら考えても答えが出るはずもなく、肢ア及び肢エを確実に正誤判断できたので、見切りをつけて次の問題へと進んだ。

 

(ポイント解説)

次の問題に進む決断力が必要(年にたった一度の試験であり、仮に再挑戦するとしても1年後となってしまうため、いつも以上に慎重となって先に進めない)

模擬試験では思い切って次の問題に進めているはずでは・・・

⇨ 本試験を模擬試験や答練の延長と捉えるくらいの気持ちで受験する

 

 

民法②(令和3年度行政書士試験問題)

問題28 Aが従来の住所または居所を去って行方不明となった場合に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

1 Aは自己の財産につき管理人を置いていたが、権限について定めていなかった場合であっても、管理人は、保存行為およびその財産の性質を変えない範囲内において利用または改良を行うことができる。???

2 Aが自己の財産につき管理人を置かなかったときは、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所は、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。???

3 Aが自己の財産につき管理人を置いた場合において、Aの生死が明らかでないときは、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所は、管理人を改任することができる。???

4 Aの生死が7年間明らかでないときは、利害関係人の請求により、家庭裁判所はAについて失踪の宣告をすることができ、これにより、Aは、失踪の宣告を受けた時に死亡したものとみなされる。⇨ 選択

5 Aについて失踪の宣告が行われた場合、Aは死亡したものとみなされるが、Aが生存しているときの権利能力自体は、これによって消滅するものではない。

 

(ポイント解説)

失踪宣告に関するコア知識のみで正解できる(法律実務では重要な「不在者財産管理人」の知識がなくても正解できる。多くの受験生が最初に解くであろう肢1~肢3に不在者財産管理人に関する問題を配置するのは意地悪だと思いますが、その術中にハマらないように・・・)

 

民法③(令和2年度行政書士試験問題)

問題27 制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、誤っているものはどれか。

1 未成年者について、親権を行う者が管理権を有しないときは、後見が開始する。

2 保佐人は、民法が定める被保佐人の一定の行為について同意権を有するほか、家庭裁判所が保佐人に代理権を付与する旨の審判をしたときには特定の法律行為の代理権も有する。

3 家庭裁判所は、被補助人の特定の法律行為につき補助人の同意を要する旨の審判、および補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。

4 被保佐人が保佐人の同意を要する行為をその同意を得ずに行った場合において、相手方が被保佐人に対して、一定期間内に保佐人の追認を得るべき旨の催告をしたが、その期間内に回答がなかったときは、当該行為を追認したものと擬制される。⇨×(取り消したものとみなす)

5 制限行為能力者が、相手方に制限行為能力者であることを黙秘して法律行為を行った場合であっても、それが他の言動と相まって相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときは、詐術にあたる。

 

(ポイント解説)

制限行為能力者に関する問題では、相手方のとり得る手段が最頻出のコア知識(肢4・5から正誤判断)

 

さぁ、受験生の皆さんは相手方のとり得る手段を3つ、想起できますか???

・・・本問にある通り①催告(肢4)、②詐術(肢5)に加えて、③取消権の時効消滅の3つがありますね。

 

行政法、商法・会社法

行政法①(令和4年度行政書士試験問題)

問題9 行政契約に関する次のア~オの記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア 行政手続法は、行政契約につき定義規定を置いており、国は、それに該当する行政契約の締結及び履行にあたっては、行政契約に関して同法の定める手続に従わなければならない。⇨×(行政手続法に行政契約に関する定義規定があるか否か)

イ 地方公共団体が必要な物品を売買契約により調達する場合、当該契約は民法上の契約であり、専ら民法が適用されるため、地方自治法には契約の締結に関して特別な手続は規定されていない。⇨×(地方自治法に特別な手続規定があるか否か)

ウ 水道事業者たる地方公共団体は、給水契約の申込みが、適正かつ合理的な供給計画によっては対応することができないものである場合には、水道法の定める「正当の理由」があるものとして、給水契約を拒むことができる。⇨◯(正当な理由とは何か)

エ 公害防止協定など、地方公共団体が締結する規制行政にかかる契約は、法律に根拠のない権利制限として法律による行政の原理に抵触するため、法的拘束力を有しない。

オ 法令上、随意契約によることができない契約を地方公共団体が随意契約で行った場合であっても、当該契約の効力を無効としなければ法令の規定の趣旨を没却する結果となる特別の事情が存在しない限り、当該契約は私法上有効なものとされる。

1 ア・イ

2 ア・エ

3 イ・ウ

4 ウ・オ ⇨選択

5 エ・オ

 

(ポイント解説)

条文や判例の文言がそのまま出題される傾向にあり、民法のように具体的事例を分析する必要がない(抽象的表現を具体的事例に変換する必要がない)

 

憲法

憲法①(令和4年度行政書士試験問題)

問題3 表現の自由に関する次の判断基準が想定している事例として、妥当なものはどれか。

 公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、もとより表現の自由の行使として尊重されるべきものであり、その対象が公務員の地位における行動である場合には、右批判等により当該公務員の社会的評価が低下することがあっても、その目的が専ら公益を図るものであり、かつ、その前提としている事実が主要な点において真実であることの証明があったときは、人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものでない限り、名誉侵害の不法行為の違法性を欠くものというべきである。

(最一小判平成元年12月21日民集43巻12号2252頁)

 

1 XはA駅の構内で、駅員の許諾を受けず、また退去要求を無視して、乗降客や通行人に対してB市の施策を批判する演説を行ったところ、不退去などを理由に起訴された。

2 Yは雑誌上で、宗教法人X1の会長X2に関する事実を批判的に報道したところ、X1・X2の名誉を毀損したとして訴訟になった。

3 作家Yは自らが執筆した小説にXをモデルとした人物を登場させ、この際にXが不特定多数への公開を望まない私生活上の事実を描いたため、Xが出版差止めを求めて出訴した。

4 新聞記者Xは取材の過程で公務員Aに接近して親密になり、外交交渉に関する国の機密情報を聞き出したところ、機密漏洩をそそのかしたとして起訴された。

5 A市の公立小学校成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民Yが教員Xを厳しく批判するビラを配布したところ、XがYに対して損害賠償と謝罪広告を求めて出訴した。⇨選択(問題文に合致する事例)

 

(ポイント解説)

現場思考型の問題はリード文を読んでキーワードをマークし、各肢の問題文に当てはめる(いつまでも悩まず、割り切りも必要)

_____

 

直前期は記憶が重要であることは言うまでもありませんが、模擬試験や答練を通じて解答プロセスを鍛錬することも同程度に重要だと思いますので、受験生の可処分時間に応じてこれらを鍛錬していただけますと幸いです。

 

 

 番外編(私はどのタイプ?)

Q 令和4年度行政書士試験問題27について、肢1を検討し、一応正解肢と判断できたものの、念のため肢2以下を検討したところ、(肢3から5はすぐに正誤判断できたが、)肢2は過去問未出問題であり、不確かな知識だっため惑わされてしまい、結局肢2を選んでしまった。

 こうした問題に対して、どのように対策すれば良いのか?

 

(令和4年度行政書士試験試験問題)

問題27 虚偽表示の無効を対抗できない善意の第三者に関する次の記述のうち、民法の規 定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1 AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bは当該土地上に建 物を建築し、これを善意のCに賃貸した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をCに対抗できない。

2 AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bが当該土地を悪意 のCに譲渡し、さらにCが善意のDに譲渡した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をDに対抗できない。

3~5(略)

_____

 

(前提)

○問題27は「民法94条2項の第三者」に関する問題であり、学習上の重要度及び出題予想ランクはともに高く、合格ラインを突破するためには必ず正解したい問題

・肢1は何度か出題されたことのある過去問既出問題

・肢2は過去問未出問題だが、どのテキストにも記載のあるコア知識

 

(質問者の心の中を推察すると・・・)

一度は正解にたどり着きながら、本試験の緊張感から他の肢を検討してしまったばかりに不正解だったのは非常に悔いが残る

○過去問み出問題とは言え、テキストに未掲載の一度も学習したことがない論点と異なって、テキストに掲載の学習上の重要度が高い論点では不正解だった場合の精神的ダメージが大きい

 

(自己分析(セルフチェック))

○自己に不足していたものは何か、下図(自己診断表)でチェックし、タイプに応じて各々対策する必要

 

(タイプ別の具体的合格戦略)

1-①知識不完全型

〇最後までカリキュラムを消化(特に初学者に多いケース)

〇講義を集中して受講

〇テキストを読みながら、具体的事例を思い浮かべる 等

(法律条文や判例などの抽象度が高い法律文章は理解しづらい)

 

1-②記憶不完全型

〇記憶時間の確保

○記憶の対象の絞込み(まずはコア知識に絞って記憶)

〇長期記憶と短期記憶の使い分け 等

(コア知識以外で出題予想の高い論点は直前期に集中して記憶する)

 

2.実践不十分型

〇漫然と過去問を解く(回す)のではなく時間を図って解く

〇答練や模擬試験の活用

 ・本試験を想定して、時間配分や解く順番などを試す

 ・あえて劣悪な環境で受験する

  (教室の出入り口付近、空調の吹き出し付近等に着席)

 ・「妥当なものを選ぶ」場合は問題文の横に大きく「○」と、

  「妥当でないものを選ぶ」場合は「×」と書き込む

 ・途中休憩を挟んで気持ちを落ち着かせる・脳を休憩させる

  (トイレ休憩も効果的) 等

 

(結論)

本件の場合、肢1の正誤判断で一度は正解を導きながら、肢2の判断に拘った結果、不正解の肢2を選択したのは、肢1の正誤判断が確信に至るまで知識を記憶できておらず、「1-②記憶不完全型」に該当すると考えられる。