「今、首がねちがえった痛みで大変なことになっておりますが、ねちがえらないコツとかってあるんですかね..ねちがえる度に悩んでいます。」
さて、首の事情は置いておいて、今回はXのベストアルバム「X Singles」のレビューをしていこうと思います。1993年に発売されたので実際は「X JAPAN」改名後に出されたアルバムなのですが、収録された楽曲がX時代の楽曲達なので、今作は「X」名義で発売されています。メジャーデビュー後に出された3rdシングルから8thシングルのシングルとカップリングが収録されており、このアルバムにしか収録されてない楽曲もあるとのことなので、今回レビューしようと思いました。それでは早速行ってみましょう!
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(青→シングル曲 赤→カップリング曲)
1.「紅」(作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI)
3rdシングル。アルバムバージョンの壮大なストリングスの前奏がカットされ、HIDEちゃんのアルペジオから始まります。意外にもシングルバージョンが収録されたのは今作が初めてとなりますね。アルバムバージョンは2ndアルバム「BLUE BLOOD」の回でレビュー済みです。
2.「20th CENTURY BOY」(作詞:マーク・ボラン 作曲:マーク・ボラン)
3rdシングルのカップリング曲。T・レックスの楽曲をカバーしたライブ音源。洋楽ロックをカバーするXというシチュエーションも珍しいですね。1番終了後のギターソロからのベースソロのコンボが今回の見所であり、TAIJIのパワフルなベースプレイに注目してください。
この曲をライブで演奏したのがきっかけで、HIDEちゃんの音楽性に大きな変化が起きて、後の「CELEBRATION」や「Joker」といったポップでノリノリになれる独自の路線を生み出していくことになります。このような瞬間が「音として残っている」って感慨深いですね。
3.「ENDLESS RAIN」(作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI)
4thシングル。2ndアルバム「BLUE BLOOD」の回でレビュー済みです。
4.「X [Live]」(作詞:白鳥瞳 作曲:YOSHIKI)
4thシングルのカップリング曲。「X」の前に行われるYOSHIKI様のドンドコも入っており、TOSHIはひたすら煽りまくって会場のボルテージを上げる、この瞬間もかなり貴重な音源と言えるでしょう。
続いての「X」ですが、音源よりもベースがかなり聴こえやすくなっており、かなり迫力のあるリズム隊の演奏を聴ける音源となっております。「BLUE BLOOD」収録音源よりもこっちの音源の方が好きな人もいるかもしれませんね。
5.「WEEK END」(作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI)
5thシングル。シングルバージョンは今作が初収録で、ピアノやストリングスが新たに取り入られて進化しました。アルバムバージョンは2ndアルバム「BLUE BLOOD」の回でレビュー済みです。
6.「ENDLESS RAIN [Live]」(作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI)
5thシングルのカップリング曲。4thシングルのライブ音源。ライブ音源のため、奏でられた音達が反響しているのですが、雨をテーマにしたこの世界観だからこそ、この反響も幻想的に彩りますね。終盤ではお客さんも一緒にサビを歌うのも最高です。
7.「Silent Jealousy」(作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI)
6thシングル。3rdアルバム「Jealousy」の回でレビュー済みです。
8.「Sadistic Desire」(作詞:YOSHIKI 作曲:HIDE)
6thシングルのカップリング曲。1stアルバム「VANISHING VISION」に収録された「SADISTIC DESIRE」の再録。音質の進化によって音が濃密になったことから、原曲の禍禍しさこそ無くなってしまった物の、性行為中に欲求がどんどんレベルアップしていき最終的には欠損プレイにまで発展するこの曲に映る殺気と生々しい世界観がより際立つ楽曲として生まれ変わりました。
9.「Standing Sex」(作詞:五十嵐美由姫 作曲:YOSHIKI)
両A面である7thシングルの1曲目。オリジナルアルバム未収録の楽曲となっております。ギターとベースのユニゾンが印象的なメタルナンバーであり、メロディラインのメロディアスさよりも迫力のあるリフに重き置いた印象です。掛け声も用意されており、ライブで化けそうな楽曲ですね。
作詞は「五十嵐美由姫」さんが担当しており、「白鳥瞳」とはまた別のYOSHIKI様のペンネームでございます。全英詞となっているので、和訳するのですが、いざ和訳してみるとかなり支離滅裂な世界が浮かぶのがこの歌詞の特徴と言ってもいいでしょう。性的快感を乞いすぎてぶっ壊れてしまったと観てもいいのかもしれません。その点としては「オルガスム」や「Stab Me In The Back」の延長線上のシチュエーションといっても良さそうですね。
このような意味のない世界を現す際に「五十嵐美由姫」さんは現れるようですが、2024年現在でも五十嵐さんが作詞を手掛けた曲はこの曲のみです。
10.「Joker」(作詞:HIDE 作曲:HIDE)
両A面である7thシングルの2曲目。シングルバージョンということで、アルバムバージョンの頭にあったカジノがある地下へ向かうS.Eがカットされ、いきなりカウントから曲に入ります。楽曲の方は3rdアルバム「Jealousy」の回でレビュー済みです。
11.「Say Anything」(作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI)
8thシングル。3rdアルバム「Jealousy」の回でレビュー済みです。
12.「Silent Jealousy [Live]」(作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI)
8thシングルのカップリング曲。6thシングルのライブ音源であり、ピアノの前奏の後にTOSHIのサビのアカペラが入ります。リズム隊もかなり迫力があり、原曲以上に容赦ない殺気が会場を支配するのが最高ですね。
3rdアルバム「Jealousy」に収録できなかった2曲と、ライブ音源が初めて聴く音源となりました。ライブ音源は反響を含めて改めてかなり迫力がありましたね。「ENDLESS RAIN」のようなバラードでも、「X」や「Silent Jealousy」のような荒々しい楽曲であっても、反響によってかなり世界観が強く感じられるような感じがしました。また、「X」時代はアルバムを出した後に収録曲をシングルカットしていくという方針を取っていたのも意外でした。そこには先行シングルを出してしまうとどうしてもその曲が目立ってしまうから、アルバムを通して全曲を平等に聴いて欲しいという、メンバーの想いがあったのかもしれませんね。
さて、次回からは「X JAPAN」改名後の楽曲のレビューをしていこうと思います。今回もありがとうございました!