「速そうだね」
心臓の音が聴かれているのではないかと思う程に
右足を軽く引き摺るその男は
何の気負いもてらいも無く
トウコのR6に歩み寄り、興味深げに眺める
決して他人を寄せ付けない感じでも無かった
ただ、静かで
あまりにも深い
まだ、何も知らなかったあの時の背中
曖昧な記憶とは 随分違う
何10万km走れば
なにを見て来れば、こんな雰囲気が生まれるのか
彼が、このR1に乗ったら
いったいどうなってしまうのか
自分が絶対の確信を持って飛び込んだ世界
その、ずっとずっと先の 更に向こう
そんな物が、今 目の前に立っているのだ
「ずっと」
「?」
「ずっと、捜してました」
あの日から
3年の歳月が、流れていた
(続
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